がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

スリール ~ 一番大好きなパン屋さん

僕は食べる事が大好きです。1日中、何か別の事をしていても、頭の片隅では食べる事を考えています。仕事でヘマをして、「すいません!」と言いながら、心の中では次の食事へ思いを馳せていたりします。

色々と好きな食べ物はありますが、特に好きなのが、パン

 

幼稚園児の頃、家族がまだ深い眠りについている早朝に起床し、薄暗い台所に立ち、トースターで自ら食パンを焼いていました。

ベストな焼き色にする為に、トースターの前から片時も離れず、じっとパンが焼きあがっていく様を凝視していました。

うまく焼けた時の喜び、そして台所を占有し自らの力で朝食を用意するという大人な自分に酔いしれていました。

 

僕は食パンを焼くことにより、大人への階段を上り始めたのです。

 

まあその後、その階段が大人の世界まで届いたかどうかは別として、年齢だけは大人になった今もパン好きは変わらず、自転車を走らせ、美味しいパンとの出会いを求めてさまよい続けています。

 

それにしても最近のパン屋さん、レベルが高いですよね!(値段も高くなりましたが)

 

僕の住んでいる大阪も、極上のパン屋さんが数多ひしめく激戦区の1つです。

いいお店があり過ぎて、明日はどこにしようかと、休みの前の日には寝付けなくなるぐらいです。

そんな中で特にお気に入りのお店が、豊中市にある

ブーランジェリー・スリール」さん。

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住宅街にある、若いご夫婦で切り盛りされている小さな「街のパン屋さん」です。

 自転車をお店の横につけるのですが、窓から今日のパン達がちらちらっと目に入ってきます。もうこの時点で僕の期待値はレッドゾーンを振り切っています。

そして何故このお店がそんなにお気に入りかといいますと・・・、

 

魅力その①:気持ちよく買える

木の扉を開け、店内へ入るとすかさず、「おはようございます!」と元気な声と共に、接客担当の奥様の弾けるような笑顔が目に飛び込んできます。

それに続いて、奥の厨房からもご主人の「おはようございます!」が聞こえてきます。

 

レジを済ませると、「いつも遠い所からありがとうございます!」

出口の所でももう1度「ありがとうございました!」

そして奥のご主人からも「ありがとうございました!」

 

このやりとりって、こうやって文面で見ると普通の光景のように思われるかもしれませんが、決してそうじゃないんです。

 

以前、食べログでかなりの高得点を出しているお店へ行った時のことです。

 

そのお店のパンは確かに美味しく、次元の違いさえ感じさせます。

それ故、常にレジ前に長蛇の列ができるのが常態化しています。

僕もワクワクしながら並んでいたのですが、その時、奥の厨房から店主であろうパン職人の方が、焼きあがったパンを持って前へ出て来たのですが、並んでいるお客さんには一瞥もくれず、ムスッとした表情のまま、パンを接客スタッフの方に渡してそのまま奥に消えていきました。

 

なんか違和感が・・・。

うまく説明はできませんが、とにかく違和感を感じました。

別に客に向かって愛想をふりまけとは言いません。

でも、そのお店のパンが好きで、並んででも買おうと、皆さん期待に胸を膨らませながら待っているんです。

僕はその時に、いくら味が良くても、そんなスタンスで仕事をしているお店はダメだ!と思いました。(が、食べたいのでいっぱい買っちゃいました)

 

それに比べてスリールさんの、まあ気持ちよく買い物できること!

 

あのお店の店主には、スリールの食パンの耳を煎じて飲ませてあげたいですね。

 

魅力その②:いい材料を使ってるっぽい

僕は食べるのが好きなだけで、料理に詳しいわけでも、食材に詳しいわけでもありません。ど素人です。

でも、そんな僕が食べてもわかるぐらい、

「このパン、何かいい原材料を使ってるんちゃうか?」と感じます。

クリームパン、旬の果物が載っているデニッシュ、肉や野菜がはさんであるパン等を食べた時に、何の確証もありませんが、そんな気がするのです。

 

おそらく、パンに人生を捧げるご主人のことですから、採算度外視で「いいパンを作るために」、「お客さんが喜んでくれるように」といい材料を使いまくっているのでは?という気がします。

 

ご主人の誠実さが、そのままパンとなってこの世に現れた。そんなパンがずらりと並んでいます。

 

魅力その③:開店と同時にオールスターキャスト

朝7時に開店するのですが、もうすでに棚がパンで埋まっています。いきなりのエンジン全開、フルラインナップです。

これはなかなか凄いことです。

他のお店でよくあるのは、開店時にはそこそこの隙間があって、焼きあがる毎に徐々に棚が埋まっていく、というパターンです。

そのやり方でも、パン職人の方はかなりの早朝から作業を始めている、と聞いた事があるのですが、7時開店で、最初から棚をいっぱいにしようとすると、一体何時に起きているんだろう?と気になったので聞いてみた所、なんと

「深夜0時台に起きています」とのこと。

 

0時って!まだ起きてる人いっぱいいてますよね。1日の労働時間は一体何時間なんでしょうか?

僕がアホ面をしてグーグー寝ている頃、既にせっせと働いておられるのですね。頭が下がります。

そこにも「朝一で買いに来られるお客さんの為に」という、真摯な思いが見て取れます。

しかし、くれぐれも無理はしないで下さいね~。

 

では、実際にパンを食べてみましょう!

袋から取り出す時って、興奮しますね!

 

明太子とチーズのフランスパン

この1品、ご主人の仕事への真摯な姿勢を最も感じることのできる逸品です!

普通、この手のパンは、端っこには何も入ってないことが多いです。なので僕はいつも、両端を先に食べてから、具がしっかり入った真ん中の部分を食べていました。

このパンも最初、同じように端っこにかぶりついたのですが、その瞬間、「じゅわっ!」と口中に明太子がなだれ込んで来たのです!

まさか!と思い逆の端っこをかじると、また「じゅわっ!」と。

 

端っこまで具が入っている!!

 

しかもはち切れんばかりに。なみなみと。また美味しいこの明太子!チーズとも相性抜群です。これを食べた時に、このお店はいいお店だ!と確信しました。

 

クリームパン

これが人気No.1らしいです。確かに美味しい!

最近クリームパンを売りにしているお店は多いですが、その中でも、こちらのは最上級だと思います。カスタードクリームが、たまらなく美味しいです。

トングで取る時、中に詰まっているクリームの重みでパン生地が破れそうになるので、金魚すくいの緊張感を持って掴みましょう。

f:id:gatthi:20220418104343j:plain3種類のチーズが入ったパン

チーズの種類なんて全然わかりませんが、とにかく「リッチ!」な感じです。

噛んだ瞬間、「むにゅ~っ!」とチーズが襲い掛かって来ます。これもいいチーズを使ってるんでしょうね。

 

フランクドック

フランクフルトの下に、絨毯のようにキャベツが敷いてあります。ガブッ!といくと肉、野菜、パンが一体となり、素晴らしいコラボレーションを見せてくれます。

パンよりフランクフルトの方が長い所もいいですね~。

 

パン・オ・ショコラ

この名前で呼ぶと異様にお洒落な響きになりますが、いわゆるチョコクロワッサンですね。

生地の表面がパリパリなので、食べる時に必ず表面がボロボロっと落ちてしまいますが、それを拾って食べるのもまた楽しや、楽しや、です。

そのかけらからも、ほわっといい匂いがします。コーヒーに合いますね~。

 

f:id:gatthi:20220418104554j:plainとんかつバーガー

フランス語のお洒落な名前のパンがある一方、このわかりやすい名前!

それもこのお店のいい所です。

バーガーは他にも、フィッシュと照り焼きチキンがありますが、僕のイチ押しはこれです。とんかつが柔らかくて、すごく美味しいです。これも素材の良さを感じます。

 

店内には他のお客さんがおられたので、中の写真はありませんが、縦長のスペースの両サイドに棚があり、取りやすいです。

真ん中の棚はないので、小さなお店にありがちな、身動きが取れなくなり、一回通過した場所に戻れない、といったことはありません。

とにかく行き届いた、地元の方々に愛されているお店です。

気になった方は、是非1度行ってみて下さいね!

お店の横に白い自転車が停まっていて、朝7時の開店と同時にトレイに溢れんばかりのパンを載せている不審人物を見かけたら、

 

それは僕です

 

近づかない方がいいですよ。

 

今日の1曲:Lighthouse「One Fine Morning」