がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

紫金山の悲劇

僕のお気に入りのパン屋さんを紹介する「パンをたずねて三千里」。前回、記念すべき第1話をアップしましたが、その直後、パンを巡る忌々しき事態が発生した為、早くも第2話をお送りすることになりました。

 

先日、休日のインドア生活での運動不足を解消するべく、吹田市の紫金山公園に散歩に出かけました。広場にはたくさんの人がうごめいていましたが、幸い森の中は人気も少なく、ゆっくりと安全に、気持ちよく散歩ができました。

f:id:gatthi:20200512193751j:plain

歩き始めて1時間半以上がたち、さすがに疲れてきました。

すると見計らったように、というか計算通りに、見覚えのある洋館が見えてきました。

f:id:gatthi:20200512193838j:plain

「あれに見えるは、さてはベーカリーファクトリーでござるな。」

とつぶやくと、男は吸い込まれるようにその洋館の中へ消えていった。

f:id:gatthi:20200512193901j:plain

ベーカリーファクトリー吹田紫金山店。吹田市が誇る大企業、(株)ダスキンが手がけるパン屋である。ファミレス並みの大きな建物の中に、広大な売り場とイートインスペースが設けてあり、高い天井と、広さを生かしたラウンド状の売り場と相まって、パン屋というよりは、「パンミュージアム」といった趣きである。ミスタードーナツで培われた技術がここでも遺憾なく発揮されており、ハイレベルなパンの数々を堪能できる。

 

さて、男は、パンを買うつもりではなかった。5月とは思えぬ暑さだったので、ソフトクリームを買って公園で食べるつもりだった。ところがイートインスペースに目をやると、かなり空いていて、3密の心配もなさそうだし、エアコンも効いているので、中でいただくことにした。

しかしそれが悲劇の発端であった。

イートインスペースでソフトクリームを食べていると、嫌でも他のテーブルで美味しそうにパンを食べている人々の姿が目に入るのである。散歩をして適度に空腹になっていた男にとって、この隣の芝は青く見え過ぎた。ついに男は我慢ができなくなり、売り場へ戻り、トレイとトングに手を伸ばすのであった。菓子パンを2個と、冷凍保存用に食パンを1斤、レジへと運んだ。おかわり自由のドリンクを追加で注文し、食パンのみ持ち帰る旨を店員に伝えた所、衝撃の一言が。

「持ち帰り用の袋は有料になりますが。」

ほう!スーパーのみならず、パン屋にまでその流れが来ているのか。素晴らしい!と感心した男は背中のリュックサックを指さし、「この中へ入れて下さるかな、お嬢さん」とドヤ顔で返事をした。

それからは、まさに至福のひと時であった。ポンデリングの技術を生かしたような、モチモチの生地の中にきなこクリームが入ったパン、そして小さなバゲット生地に板チョコが挟んであるパン。どちらもコーヒーとの相性も抜群で、散歩で消費したカロリーをはるかに上回るカロリーを摂取していることにも気づかないぐらいの、幸せな時間が流れていった。

「あー、もっと食べていたいが、晩ご飯のこともある。そろそろ切り上げねばなるまい。それにしても、今日のこの椅子は座り心地が良かった。特にこの背中のクッション・・・。クッション!?いや、この椅子にはクッションなどあるはずが・・・。」

 

次の瞬間、男は自分を襲っている恐ろしい事態に気が付いた。

「はうあっ!!」

食べている間ずっと、リュックサックにもたれていたのだった。そして当然このリュックの中には、・・・!

男の顔はみるみる青ざめていき、よもぎパンのような顔色になった。

恐る恐るリュックを開けてみると・・・明らかに食パンとは思えない形の物が見えたので、身震いをしながら、すぐにリュックの口を閉じたのであった。

それから男は失意のどん底のまま、家路についた。途中、自らが犯した、重い、あまりにも重い罪を背中に感じながら。

帰宅してから、改めて問題のブツを、リュックから勇気を出して取り出してみた。やはりかなりの重症である。袋から取り出し、蘇生を試みたが、手遅れであった。もうそれ以上は、辛くて見ていられなくなり、目をそらしながら冷凍庫へ投入したのだった。

 

それから数日後、

罪の意識にさいなまれながら、冷凍庫から被害パンを取り出した。その姿はまるで、シベリアの永久凍土から掘り起こされたマンモスのようであった。

凍らせたことで、より悲壮感が増したようである。

f:id:gatthi:20200510092312j:plain

そして1枚ずつ袋から取り出してみると、男の脳裏に往年の人気アニメの名ゼリフが鮮やかによぎるのであった。

 

「お前はもう、死んでいる」

 

ひ、ひでぶっ!

f:id:gatthi:20200510092333j:plain

あべしっ!

f:id:gatthi:20200510092349j:plain

たわばっ!

f:id:gatthi:20200510092404j:plain

・・・

「いや、彼らはまだ、死んじゃあいない!」

男がその声にびっくりして顔を上げると、そこには北摂の名探偵、合致大五郎の姿が!

「とにかく1度、トースターで焼いてみたまえよ、君。」

 

というわけで(?)焼いてみました!

これだけひしゃげていると、表面にすごい高低差があるので、均一に焼き色をつけるのは困難を極めました。何回もパンの向きを変え、ポジションを変え、何とか焼きあがりました!

f:id:gatthi:20200510092516j:plain

写真ではわかりにくいですが、激しくくぼんでいる所に、マーガリン池ができています。まあでも、無事に焼けました。

塗ったのはこの最強マーガリン。

f:id:gatthi:20200510092550j:plain

リーガロイヤル「バター・イン・マーガリン」。

少しお高いのですが、いい仕事をしてくれます。

それでは、色々ありましたが、困難を乗り越えて、いただきま~す!

f:id:gatthi:20200510092613j:plain

パン・オ・ヒデブのモーニングセット。

何故かいつもより美味しく感じました。

 

後日、買いなおしました。

f:id:gatthi:20200512193959j:plain

う~ん、シュッとしてるねえ。背筋が伸びている。

ついでに板チョコサンドも💛

f:id:gatthi:20200512193940j:plain

ベーカリーファクトリーさん、今回はあまりパンを紹介できませんでしたが、本当に多種多様なパンがあり、楽しいお店です。現時点では、大阪・北摂地域に4店舗しかないようですが、ミスドのように、これからどんどん増殖していくことを期待しています。

f:id:gatthi:20200512193922j:plain

ごちそうさまでした!

それでは、次回をご期待下さい、さよなら、さよなら、さよなら。

 

今日の1曲:クリスタルキング愛をとりもどせ!!」