がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

芋をもって鬼を滅す

とある休日、久しぶりに1人で過ごすことになりました。といっても完全に1人というわけではなく、妻が家でリモートの仕事をしているのです。

これは絶対に邪魔するわけにはいきません。ただでさえ家にいると色々な音を出してしまう僕ですが、今日は気配を消し去って過ごすことを誓います。こんな時はやはり読書が一番でしょう。ページをめくる音ぐらいは大丈夫です。

またタイミングよく、ネット注文で入荷待ちになっていた鬼滅の刃が次々と届きだし、遂に最終23巻が届きました。今日は1日かけて最後まで読んでやるぞー!と意気込んでいると、やはり僕の人生そんなにスムーズには進みません。

f:id:gatthi:20210207091046j:plain「殿、今度は22巻がありません。」

いやまたそれかい!

最終巻が届いているのでてっきり全部来ているのかと思っていました。21巻までしか読めないなんて・・・。どう考えてもクライマックスに突入している頃じゃないか!2巻がなかった時も相当つらかったですが、今回はそれ以上です。全巻セットで買えばよかった。

だが、それこそが人生なのだ。

全てが思い通りにいく人生なんてありません。紆余曲折あるからこそ、喜怒哀楽が生まれ、彩り豊かな人生になるのです。さあ皆さん、今こそ立ち上がる時です。私と共に、人生の壁にぶち当たっていきましょう!(がっち教教祖:ガッチ・ペペロンチーニ

しかし最後まで読めないなら、もう1つぐらい何かしらの楽しみが欲しいもんです。そうですね・・・。

魅惑のおやつが欲しい。

今日は何が食べたい気分かな~と考えた時、ふと脳裏によぎったのが「大学芋」です。

この食べ物に対して、僕は少年時代のトラウマからくる異常なまでの執着心があるのです。

僕は3歳の頃からスイミングスクールに行ってましたが、幼稚園に行くころには1人で電車に乗って天神橋筋六丁目天六)まで通っていました。「知らない人にはついていったらダメよ」と親から言われていたのですが、街を歩けば知らない人ばかりです。大人全員が怪しい人に見えていました。そんな極度の緊張を強いられる中、途中に「大学芋」のお店がありました。前を通るたびに、その甘~い匂いとまばゆいばかりの輝きを放つ美味しそうな芋の姿に羨望のまなざしを送っていました。でもとてもじゃないですが当時のお小遣いでは買えなかったのです。買えないとわかっていながらもつい見てしまう。そのスイミングスクールには8歳まで通ったのですが遂に食べることはできませんでした。

そして数年後、高校生になった時に天六へ向かう用事ができました。もう僕はあの頃のおどおどと歩いていた子供ではありません。「よし、あの大学芋を買いに行こう!」と意気込んで天六へ乗り込みましたが・・・・・

大学芋のお店は更地になっていました。

ずっと手の届かなかった憧れの大学芋。やっと手が届くようになったと思ったら姿を消していたのです。その時は呆然と立ち尽くし、容赦ない時の流れと人生の難しさをしばらく肌で感じていた記憶があります。

そんな苦い経験から、大人になってからも街で大学芋を見かけると、「ギラッ」とした視線をついつい送ってしまうようになりました。そして片っ端から食べまくりました。その食べまくった中から、僕が「芋界の風神雷神と勝手に呼んでいる大阪の大学芋ツートップのお店があります。

1つは大阪市阿倍野区にある「嶋屋」さん。通称「阿倍野ポテト」とも呼ばれるこちらの大学芋は、しっとりとした表面に染み込んだ上品な蜜の甘さとホクホクのお芋さんが特徴で正に孤高の存在です。僕の中ではNo.1大学芋です。

そして嶋屋さんに唯一対抗できると思っているのが、大阪府茨木市にある「らんらん」さん。

今日はこちらの大学芋を鬼滅のお供にしようと思います。

営業時間をネットで調べると、どうやら移転しているようです。以前は阪急茨木市駅前の商店街にあったのですが、現在は茨木市真砂で営業されているようです。真砂といえば、以前このブログでも紹介させていただきましたケーキ屋「トロワ」さんを初め、ハイレベルなグルメ処が点在するお洒落タウンです。コロナ対策の為、今は12時からの営業になっていたので、午前中はひたすら「鬼滅の刃」を読みました。

そして昼前に出撃。駐車場はなさそうなので、電車で行きました。阪急京都線南茨木駅から徒歩約15分で真砂に到着。お店は大通り沿いではなく、パン屋「ベーカリーファクトリー」さんの裏手の住宅街にありました。

f:id:gatthi:20210211173415j:plain氷とお芋の専門店「らんらん」

f:id:gatthi:20210207105011j:plain以前のお店よりも格段にお洒落で大きなお店になっていました。

ドキドキしながら木の引き戸を開け、がっち芋治郎、颯爽と入城です。

入って左側はイートインスペースになっており、女子率100%でした。すごく素敵な雰囲気です。何やら美味しそうな芋菓子がどのテーブルにも並んでおり、思わず「ギラッ」とした視線を送ってしまいました。

テイクアウトは右側にあります。スイートポテトやタルトもめちゃ美味そうでしたが、今日は大学芋と決めています。こちらでは2種類の大学芋があります。1つはお店の看板商品である、「蜜ぽてと」。こちらは嶋屋さんのように表面がしっとりとしていて、蜜が染み込んだ激うま芋です。もう1つは「飴ぽてと」。こちらは表面がカリッとしたよくある感じの大学芋です。さあ、どうする。

両方買うでしょ。

f:id:gatthi:20210207110554j:plain右側が 蜜ぽてと(大)、左が飴ぽてと(小)です。

f:id:gatthi:20210207190138j:plain可愛らしい紙袋に入れてくれます。

それにしても横のイートインスペースが気になります。机やイスなんかもいい感じです。思わず帰り際にも再び「ギラッ」とした視線を送ってしまいました。食べられている方、すいませんでした。次は僕もイートインで来てみよう。芋治郎はそう決意しながらお店を後にしました。

そして帰りにもう1件立ち寄りました。このブログの心強い情報源として暗躍していただいているMさんからのタレコミで、ちょうど帰り道の南茨木駅前に美味しいサンドウィッチのお店があるらしいのです。まだお昼ご飯を食べていなかったので、買って帰ることにしました。

f:id:gatthi:20210207191251j:plainサンドウィッチカフェ ト・タリテ

イートインもできますが、持ち帰りにしました。サンドウィッチといっても、食パンではなくバゲットにはさんであるカスクートと呼ばれるものが多くありました。

帰ってすぐにいただきました。

f:id:gatthi:20210207195013j:plain大山ハムとチーズのサンド

ハム!とチーズ!余計な物が入ってなくて王道の味です。とても美味しかったです。

f:id:gatthi:20210207195306j:plainクロワッサンサンド

これもシンプルイズベスト。アボガドが大活躍しています。

こちらのパン、わかりやすくていいですね!また買いに来よう。

食後はまたしばらく「鬼滅の刃」を読みふけり、遂に迎えた15時、おやつの時間。

芋掘隊、出動!

f:id:gatthi:20210207200853j:plain芋の呼吸、壱ノ型「極蜜染込」!

嶋屋の呼吸に唯一対抗できるとされている、らんらんの奥義。染み込みまくった蜜が表面をしっとりと彩り、中の芋自体の甘みを更に引き出している。お店人気No.1というのもうなずける一品だ。俗名「蜜ぽてと」

f:id:gatthi:20210207201725j:plain芋の呼吸、弐ノ型「固飴苦旨」!

こちらは固い飴の鎧で武装されている、「カリッ」とした食感の技。飴のビターな味わいが蜜ぽてととは違う個性を捻出している。いわゆる街で見かける「大学芋」のイメージに近いが、飴部分のほんのりとした苦みが世間の大学芋との格の違いを見せつけている。俗名「飴ぽてと」

僕は蜜ぽてとが圧倒的に好みです。これは以前にTⅤ番組「マツコの知らない世界」で紹介された時にマツコさんも絶賛していました。

f:id:gatthi:20210207203059j:plainがっち芋治郎、至福のひと時に候。

しかしこんな美味しいものを独占しているわけにはいきません。

別室でリモートワークに全集中している「がっち寝ず子」に応援の差し入れを持って行きました。

 

f:id:gatthi:20210207203548j:plain「さあお食べ、寝ず子。」

「誰が寝ず子や。」(by妻)

しかし妻が最近寝不足なのは事実です。休日の朝から僕に無理やり起こされ、いろんな所へと連れまわされているのが原因だともっぱらの噂です。ごめんね~。たまにはゆっくり寝てもらわないとね。差し入れは喜んでもらえたようです(たぶん)。

しかし2人で食べるには、今日買った量は多すぎたようです。賞味期限は翌日までなので、次の日も仕事から帰宅後、ひたすら芋を食べまくりました。

f:id:gatthi:20210210212144j:plainそしてお尻からのファンファーレが鳴りやまなくなったのは言うまでもありません。

芋の呼吸、参ノ型「爆音異臭」!

くさっっ!!

芋の呼吸というよりはお尻が呼吸しているようでした。

恐るべし芋柱、がっち芋治郎に候。

 

(そして数日後)

鬼滅の刃」22巻、無事に届きました。そしてこの記事をアップする直前に最終巻まで読み切りました。爽やかなハッピーエンドでとても良かったです。そして吾峠先生からの最後のメッセージ。これからの人生の糧になるような素晴らしいものでした。

鬼滅の刃」、本当に読んでよかったです。

たまには流行りものに身をゆだねるのも悪くないな・・・

オナラをしながらつぶやく芋治郎であった。

今日の1曲:LiSA「紅蓮華」