最近よく京都へお出かけしています。大阪にはない風情があり、凄くいい所だとは思うのですが、行くたびに思います。やっぱり遠いな、と。電車1本で行けるのですが、その1本の長いこと。それ故普段はあまり行かないのですが、この1ヶ月の間に京都で行われたチョコイベントに2回行き、その内容があまりに濃かったので、なんかやたらと京都に行ってる気分になっていました。その2回目のチョコイベントからふらふらになって帰宅したその時、メールの着信音が高らかに鳴りました。
情報屋Mさんからのメールでした。「おっ!また新しいタレコミ情報が来たな」、とワクワクしながらメールを見ると、
「京都で美味しいフルーツサンドを食べてきたよ。」
・・・・・・・・・・
がっち二等兵、たった今京都より帰還したところであります!
ひえ~。いくらなんでもそう何度も何度も京都へは・・・・・
行って来ます!
やっぱりね。
住所長っっ!漢字多っっ!
古典の授業を受けてる気分になりますね。「上ル」というのが京都独特です。
京都市営地下鉄烏丸線、今出川駅で下車します。
ここはかの有名な「同志社大学」のある所です。
お洒落な建物ですね~。こんな所へ通学してみたいなあ。ただこれと同じ建物が大阪にあればラブホテルにしか見えないでしょう。それが京都にあるというだけで威厳のある建物に見えるから不思議です。人って思い込み次第で物の見え方ががらりと変わるんですね。
僕は大学には行っていないのでキャンパスライフがどういうものなのかを知りません。もし大学へ行っていたら、その後の人生どう変わっていたのでしょうか。色々と想像してしまいました。でも大学へ行ったところで、
どうせ勉強はしなかったでしょう。
現在との誤差はほとんど無かったであろう、という判定結果が出ました。
この同志社大学と烏丸通を挟んで向かいにあるのが今日の目的地である果実の王国です。
創業明治2年の老舗果物店です。横にフルーツパーラーが併設されており、そこでフルーツサンドやパフェなどがいただけます。四条大宮に本店があるのでそちらへ行こうと思ったのですが、今日はこの後に別の目的があるのでこちらのお店に来ました。
思っていた以上に昭和臭が強めです。中へ入るとあまり接客慣れしていないと思われるお母さんが慌てて熱を測りにやって来ました。こういうお母さんは大好きです。今はコロナ対策でかなり席数を減らしているようです。2人用テーブル2席と、横3人が透明のアクリル板を挟んで向かい合う6人用テーブルのみでした。2人用は満席だったので、6人用テーブルに着席。
アクリル板を挟んで向かい側に熟年のご夫婦が座っておられたのですが、アクリル板が透明過ぎて、普通に向かい合って座っているかのようです。
な、なんか気まずいぞ、この感じ。
お互い目を合わすまいとして意識的に視線をそらそうとすると、かえって目が合ったりします。この状況下での食事は辛いぞ~、と思っていたら2人用のテーブルが空いたので、そそくさとそちらへ移動しました。
そして注文。「スペシャルフルーツサンド」と紅茶のセットにしました。
うおーっ!凄い果物ラッシュだ。満員電車にも程があります。
「俺をパンに挟んでくれ」
と言わんばかりに果物たちが先を争うようにパンに飛び込んできたようです。
中でもひと際むきだしの闘争心が見えるのがイチゴ。自分のせいでパンが広がっているのを気にも留めずグイグイと侵入し、一口目で食べたくなるポールポジションを見事にキープしています。記念写真を撮る時に必ずど真ん中で写る人。あなたこそがこのイチゴです。しかしこの状況、パンはかなり痛がっています。
「特にイチゴが痛い。」
イチゴは素知らぬ顔です。そんなことよりも早く俺の部分から食べてくれ、と強く訴えかけています。では、望み通り君の所からいただこう。いただきます!
押しが強いだけあり、確かに美味しいです。絶妙な甘さ加減、みずみずしさのバランスも良いです。そして改めて感じたのがイチゴと生クリームの相性の良さ。そういえば、そろそろコンビニやスーパーに山崎製パンの「まるごとイチゴ」が現れる季節ですね。もう現れてるのかな?あのおやつ、めっちゃ好きなんですが、可愛い見た目に反してとんでもないカロリーモンスターなので、出会っても目を合わさないようにしています。
次に口に入ってきたのがメロン。何でしょう。この大人の余裕。若さにまかせてガツガツ来るイチゴとは対照的です。甘さも上品です。そして高級果物としての貫禄も感じます。奥ゆかしさの中にも強さを感じます。うーん美味しいなあ。
しかし一番狡猾だったのが、最後に入ってきたキウイでした。突然、爽やかな酸味でドロップキックを放ってきました。イチゴやメロンとの思い出が吹き飛んでしまいそうです。一番最後にやって来て自分だけが美味しい所を持っていきました。食べ終わった後、口に残っている後味は完全にキウイのみになってしまいました。
「京の都でたしなんだ、果物たちとの夢時間。私の脳裏に焼き付いたのは、キウイとの甘酸っぱい思い出でした。」
(がっち冬樹 著「おもひでキウイ」より抜粋)
いや~しかし美味しかった!さすがMさん情報。はるばる京都まで来た甲斐がありました。
ただ、ここで一つ疑問に感じたことがありました。今の時間は午前10時30分です。
これ、何ご飯?おやつ?
これをご飯と言うのは違う気がしますが、おやつにしてはボリューミー過ぎます。
ま、いいか。食べたい時に食べたい物食べよう。
では、次の目的地に向かいます。
ここからひたすら東へ歩き、鴨川を目指します。
ヤオイソさんの並びにはチーズケーキで有名な「パパジョンズ」さんの本店があります。たった今フルーツサンドを食べたことを忘れ、吸い込まれてしまいそうです。あかんあかん。
相国寺さんを通り抜けます。京都のお寺はどこへ行っても人だかりのイメージがありましたが、今は外国の方が姿を消し、本堂へも入れなくなっているので全然人影が見えません。
こんな有名なお寺を貸し切っている気分になります。ありがたや~。
立派なお寺だ~。ありがたや~。
ここを抜けるとあとはひたすら住宅街を東へ進みます。その途中で幼稚園の前を通ったのですが、気になる札がかかっていました。
え?トトロ?どこに?少し離れて見てみると・・・
うわっ、出た!トトロが2人も!目が怖い!
じゃあひょっとしてこの左にあるのが・・・
ねこバスか!こちらは少しでも散髪をさぼってるとただの木に戻ってしまいそうです。きめ細かいメンテナンスが必要ですね。頑張ってるな~。
子供たちは喜びそうですね。こういう手作りの遊び心は大好きです。
そしてまたしばらく歩くと、
鴨川に到着しました。でも、ただここへ来るのが目的ではありません。
ここである「和菓子」を食べたかったのです。その和菓子を仕入れに、商店街へ向かいます。
出たっ!京都名物でもあるこの行列。緊急事態宣言発令中なので少しは列が短いかと思っていましたが甘かったです。この行列こそが緊急事態です。
泣く子も笑う京都人気No.1和菓子店。行列の整理のためだけにお店の方が2人も動員されています。
色とりどりの美味しそうな生菓子が並んでいますが、ふたばさんといえばやはりこれは外せません。
名代 豆餅
遠方からここを訪れてこれを買わずに帰る人は「ひねくれ人間コンテスト」で常に上位に食い込む人でしょう。少し塩味の効いたもっちもちの生地の中には赤えんどう豆が入っており、これが強烈なアクセントになっています。中の餡も抜群に美味しいです。これに似せたジェネリック豆餅は色々な所で見かけますが、本家には絶対に勝てません。
ふたばさんは、たまに大阪の百貨店でも期間限定で出店されることがあるので、その時に買うのもありなのですが、お店で出来立てのものを買ってすぐに食べると全然美味しさが違います。とは言え商店街で立ち食いするわけにはいきません。すぐ近くの鴨川のほとりで、鴨の流れに思いを馳せながら新鮮な豆餅を食す。これが今日のもう一つの目的です。
そのミッションを遂行すべく鴨川へ戻ったのですが、思わぬ事態が待っていました。
鴨川にはベンチが所々にあるので、そこへ座ってゆっくり食べようと思ったのですが、ベンチを見つけ、座りに行こうとすると「スッ」とどこからか人が現れ、先に座られてしまいました。でもベンチは他にもあるので、そちらへ行くとまた「スッ」と人が現れ着席。またその先でも「スッ」と現れ。「スッスッスッ」とまたまた現れご着席。
このはんなりとした椅子取りゲームは一体!?・・・・・
僕らの知らない所で何かが始まっているのでしょうか?とても偶然には思えないほどの恐ろしいタイミングで席を取られました。
しかしあきらめずに歩き回ってベンチを探し、
遂に発見!また「スッ」と座られる前に座ってしまおう。
いただきまーす!
美味っっ!この絶妙の塩加減、たまらんわ~。
歩いてお腹が空いていたので赤飯もいただきました。
またこれ、何ご飯?おやつ?
今日の食事バランスは滅茶苦茶です。
ごちそうさまでした!
この後、ひたすら鴨川の河川敷を南下し、四条河原町まで歩き、帰路につきました。今日は2月だというのに春のような陽気で、色鮮やかな鴨たちも気持ちよく水面を漂っていました。鴨の流れに身をまかせ、最高に気持ちのいい京都散歩でした。
そして後日、コンビニへ立ち寄った時、危険な奴と目が合ってしまいました。
山崎製パン「まるごと苺」コンビニ限定バージョン
やはり出ていました。コンビニ限定のものは苺が1つ多く、4つ入っているそうです。
見た瞬間、目をそらそうとしましたが、袋の中から声がしました。
「京都でやられたキウイの野郎へのリベンジがしたい。」
姿は見えませんが、スポンジケーキの壁の奥からイチゴの悲痛な叫びが聞こえてきました。そこまで言うなら仕方あるまい。その機会を与えようではないか。いただきます。
久しぶりに食べた「まるごと苺」。相変わらずの美味しさでしたが、スポンジケーキと生クリームに包まれた状態ではあのキウイの記憶を消すには至りませんでした。
「おのれ、キウイ!今の旬は我らイチゴのはずなのに・・・。」
キウイ、最強伝説。
今日の1曲:かぐや姫「加茂の流れに」