がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

さつき珈琲 ~ 焙煎士の異常な愛情

僕は子供の頃から散髪屋さんに行くのが嫌いでした。

「今日はどうしましょうか?」と聞かれた時に固まってしまいます。「適当に伸びた分、切って下さい」と答える以外に思いつかないのです。自分に似合う髪形はどんなものなのか、わかりません。そもそもどんな髪形があり、どういう風にそれを伝えるのかもわかりません。でも伸ばしっぱなしというわけにはいかないので、嫌々行っていました。

でも今通っている散髪屋さんに行くようになってからは、そんな事はなくなりました。

どれぐらいの長さを切るか伝えるだけで、無難な感じにまとめてくれます。

完全予約制で待つこともなく、予約もネットで簡単に出来て楽ちんだし、お店も美容院にありがちな「オシャレが天から降って来るような圧」がなく、ナチュラルな雰囲気。

美容師の方も同じくナチュラルな感じです。僕の嫌いな「カリスマ美容師を気取っている雰囲気」微塵もありません。以前、別の近所のお店へ行った時、カリスマ感を前面に押し出した美容師の方に切ってもらったのですが、「僕のセンスに任せて下さい」みたいな感じだったので任せてみました。

するとどうでしょう。切り終わった頃に鏡を見ると、見ず知らずのパンクロッカーが目の前にいるではありませんか!

だ、誰だ貴様!

僕でしょ。

ガガーン!!

その後2ヶ月ぐらいの外出の辛かったこと。あの時のトラウマから極度の散髪恐怖症になっていたのですが、今のお店に通うようになってからは月に1回の行事として、普通に通えるようになりました。

特に今のお店で気に入っているのが、髪を切ってもらった後のイベント。ジェットな水流で頭を洗っていただけるのですが、これが気持ちいい!頭皮をくまなくマッサージしながら天国へ誘ってくれます。

人生の最後にこのジェット水流で頭を洗ってもらえたら、スムーズに成仏できるだろう、と思いました。

あれ?ブログのタイトルと内容がかけ離れているぞ。

安心して下さい。関係ありますよ。

いつも切っていただいている美容師S姉さんが、大阪・吹田市にあるカフェを紹介して下さったのです。サンドウィッチが独特で美味しいらしいです。そりゃ楽しみだ。

ただ、駐車場が少し離れた所に2台しかなく、場所もわかりづらい、と聞いていたのですが・・・

f:id:gatthi:20210501162253j:plain野生の嗅覚で見つけました。でも確かにわかりにくいな、ここは。普通にマンションの中です。お店はここから歩いてすぐです。

f:id:gatthi:20210501173213j:plainさつき珈琲

大阪府吹田市五月が丘。「憧れの住みたい街」の常連、千里ニュータウンの一角です。周りは街路樹がきれいに整備され、歩道も広く、いかにも住みやすそうです。

f:id:gatthi:20210501173605j:plainお店は吹田が誇るケーキ屋さんミルフィーユ本店」の隣にあります。

f:id:gatthi:20210501173838j:plain帰り、駐車場へ戻る時にミルフィーユさんの前を通ることになります。

危険な誘惑だ。買わずに通過できるだろうか?

とりあえず、選手入店。

f:id:gatthi:20210502164447j:plain中へ入るとまず感じるのが、「良い喫茶店の雰囲気。左側に長いカウンターがあり、右側にテーブル席。その奥に焙煎室みたいなものがあり、さらに奥に進むとテーブル席が2つあります。そして壁には瓶に入ったコーヒー豆がずらり。凄い数です。それを見て思い出しました。この感じは・・・

理科室だ。

f:id:gatthi:20210502171551j:plain

しかし当然ですが理科室のような嫌な臭いはなく、ひたすら珈琲のいい匂いで満たされています。もし理科室がこんな匂いだったなら僕も理数系に進んでいたかもしれませんね(?)。この壁中のコーヒー豆に囲まれながらマスターは至福の時を過ごしているのでしょう。

絶対この人、変態だ。

これは期待できるぞ!もう珈琲が好きでたまらないというオーラがマスターの体中からほとばしっています。マスターの顔がコーヒー豆に見えてきました。

僕らは1番奥のテーブル席に着席しました。なんか落ち着きます。

f:id:gatthi:20210502171358j:plainそして注文しようとしたのですが、珈琲、サンドウィッチどちらの種類も豊富で、なかなか決めれません。ただサンドウィッチの方はS姉さんから聞いていた「アボガドと昆布とチーズ」にしました。これが絶品らしいです。楽しみだ~!

問題は珈琲。いっぱい名前が書いてありますが全然わかりません。自分がどういう珈琲が好きなのか、よくわかりません。しかし過去に「これは美味しい!」と感じたことは何度もありました。

それはどれだったんだろう?

マスターに聞けば色々と教えていただけるのでしょうが、この方前述の通りかなりの珈琲博士です。説明を聞くとかえって混乱しそうなので、やめました。そして聞いたことのある名前のものにしました。

キリマンジャロで。」

ベタやな~。それしか知らんねやん。

 でもあくまでも「いつものキリマンジャロで」みたいな声のトーンで注文しました。

また、追加料金でポットに変更できるので、してもらいました。これはいいですね。珈琲ではなかなか珍しいです。

 

しばらくして、珈琲の大名行列が到着しました。

f:id:gatthi:20210503171823j:plainテーブルの端から端まで、コーヒーカップとポットで占領されてしまいました。

天橋立」のようにも見えます。

そして同時にサンドウィッチ将軍が降臨!

f:id:gatthi:20210503172248j:plain昆布とアボガドとナチュラルチーズのサンド

なんか見た目もあまり他では見られない感じです。アボガドの他に恐ろしく細かく刻まれたニンジンとレタスが入っています。6つに切り分けてあり、とても食べやすいです。口に運んでみると、いきなり昆布とアボガドが相性の良さを見せつけてくれました。アボガドって食感はいいのですが、なんか味が薄くないですか?その不満を昆布のキリッとした味が補ってくれています。息ぴったり。その2人を暖かく包んでいるのがチーズ兄さん。この3人が口の中でバレリーナのようにくるくると回っている感じです。

どんな感じや。

食べてもらえれば何となくわかっていただけるかと思います。

では、マスター渾身の珈琲をいただきます。

f:id:gatthi:20210505081315j:plain美味いっ!
キリマンジャロで正解だったようです。すごくしっかりとした味と香りがしました。

やっぱり珈琲マニアの方が煎れるコーヒーは違いますな。何が違うのか、詳しくはわかりませんが、一口一口、「ほわっ」といい香りに包まれて幸せな気分になります。

予備のコーヒーが冷めないように、ポットさんに帽子をかぶせます。

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テーブル上で凄い存在感を放っています。見つめていると、なんかヤドカリのように歩き出しそうな気がしてきます。 

しかし困ったことが。まだポットにたくさんコーヒーが残っているのに、サンドイッチがあまりにも美味しくてガツガツと先に食べてしまいました。

残りのコーヒーを飲むのに、肴がいるな・・・。

「ケーキのメニュー下さい。」

やってしまいました。

カロリーK点越えの緊急事態宣言が発令されました。

f:id:gatthi:20210505082824j:plain名前は忘れましたが、チョコと大量のローストナッツが入ったタルトです。

ナッツだらけで美味しかったのですが、かなりの食べ応え、重量感です。明らかに食べ過ぎです。

ごちそうさまでした!

いいお店でした。マスターの愛情がお店全体から感じられました。サンドウィッチもまだまだ種類があり、妻が食べていたホットサンドも美味しそうだったので、また訪れたいと思います。S姉さん、ご紹介ありがとうございました。

 

今回の反省点として、こういうお店ではカロリーオーバーに気をつけなければいけない、と強く決意をしました。しかし翌日の朝、

f:id:gatthi:20210505084150j:plainコナズ珈琲寝屋川店で、

f:id:gatthi:20210505084244j:plainダイナマイト!

f:id:gatthi:20210505084354j:plainモーニングー!!

・・・・・・・・・・

S姉さん、ジェット水流で僕の脂肪を洗い流して下さい。

 

今日の1曲:あべ静江「コーヒーショップで」