このところずっと雨ですね。恐ろしく高い湿度によって体が溶けてしまいそうです。週末も家という名のシェルターにこもり、エアコン中毒の休日を過ごしてしまいます。
そしてエアコンで不自然に冷やされた体を「養命酒」で整える、という行動を繰り返しています。しかしだんだん養命酒だけでは整わなくなってきました。
どうやら雨でも無理やり出かけて、脳みそを解凍しないと調子が戻らないようです。
よし、朝から無理やり出かけよう!コナズ珈琲でダイナマイトモーニングだ!
と思いましたが、脳により刺激を与えるには、「いつもは行かない所」へ行き、「少し贅沢な行動」を取るのが良いのではないか、と都合よく考えを改めた結果、
一流ホテルの朝食ブッフェに潜入してきました。
う~ん。似合わない。僕にとっては最も非日常な世界です。これは刺激的だ。存在自体がドレスコードに引っかかってそうなので、入れるかどうかも心配です。
行先は、
ハイアットリージェンシー大阪!
日曜日の早朝。大阪湾沿いの人気のない道路を疾走する1台の怪しい白い車。
舞洲、夢洲といった人工島をあっという間に通り抜け、遂にハイアットのある南港へと到達しました。
そしてハイアットの入り口を見つけるや、扉が開いた瞬間に侵入してくる蚊のように、スーッと駐車場へ忍び込みました。「世界で最も高級ホテルが似合わない男」として国際指名手配されている人物が、ついにその聖域に足を踏み入れたのです。
誰もいないな。より不審者感が増してしまうじゃないか。
この侵入者はホテル側にとっては大誤算です。しかしこの男、人気のないのをいいことに、まるで自分は常連客だと言わんばかりの表情を浮かべ、堂々とした足取りでロビーを通り抜け、とうとう食事処へたどり着いてしまいました。
ザ・カフェ
6時30分から開いている、宿泊客の方の為のお食事処です。外来もOKですが、あくまでもメインは宿泊客の方です。その為、入るとまず「お部屋番号は何番ですか?」と聞かれます。男は威厳のある態度で答えました。
「あ、あの、えーっと、宿泊はしてないんですが・・・。」
めちゃめちゃおどおどしてるやん!
しかしスタッフの方はこの不審者を目の前にしても満面の笑顔を崩すことなく、丁寧に席へ案内してくださいました。朝からいい旅夢気分です。接客は大事ですね~。
窓側の明るい席でした。指名手配犯にはもったいない席です。
曇天でもこの明るさ。晴天ならもっと気持ちがいいでしょうね。
天上が高く、席と席の間も広く、見るからにゆったりできそうです。
さあ、料理を取りに行くぞ!
とここまで来てこんなことを言うのも何ですが・・・
僕、ブッフェが大の苦手です。
椅子取りゲームや電車の席が少しだけ空いている時等、限られた数の物を奪い合うのがどうも苦手です。ブッフェといえばまさにその奪い合い。そして僕の悪い癖としてその心理戦をじっくりと観察してしまうので、もう人間の嫌な部分ばかりが目についてしまうのです。
加えてブッフェで一番嫌なのが、後ろからの圧。
機嫌よく料理を選んでキレイに盛り付けようとしている時に後方から迫りくる圧力。特に女性の方が皿を持ったまま後ろに並んだ時の圧には身震いします。背中にナイフを突きつけられているような気分です。
その分、自分が後ろに並んだ時も気を使います。できるだけ圧をかけないように、遠くを見たりしながら、全然待ってませんよ、みたいな雰囲気を作るのに必死です。
もう嫌だ。誰か適当に皿に載せて持って来てくれよ。
それが僕のブッフェに対するイメージです。
でも、今日は違いました。
まだ時間も早く人も少なかったのは確かですが、取りに来る人にガツガツ感がなく、非常に落ち着いた雰囲気です。宿泊客の方々はまだ起き立てでボーっとしているのかもしれません。通路も広々としているので、皿を持った人同士が接触事故を起こす心配もなく、ゆったりとブッフェを楽しむことができました。
今はどこのブッフェでもそうですが、感染対策が強化されており、消毒をしてから使い捨てのビニール手袋を装着して、料理を取るシステムです。
まずはさらっと「洋」の方向で。真ん中の小さい器はオバケのQ太郎のように見えますがポーチドエッグです。卵関係はシェフがその場で作ってくれます。
ホテルのブッフェといえばシェフのライブキッチン。これがあるだけで雰囲気がグッと上がりますね。
1巡目を瞬く間に食べ終え、2巡目。
次は「和」の方向で。普段の朝食ならこれだけで十分です。
しかし今日は昼の分も食べて帰ります。
3巡目は笑顔が素敵なポテト男爵と肉スペシャル。
そして締めはパンスペシャルだ~!・・・絶対食べ過ぎ。ダイナマイトモーニング達成です。
こちらのブッフェ、特に「これは凄い!」というものはありませんが、質実剛健、ツボを押さえた基本的な料理がしっかりと並んでいました。「映え狙い」は一切ありません。だからあまり外来のお客さんが来ていないのかもしれません。でもブッフェ嫌いの僕には願ったりかなったりです。
このまま地味な感じで続けて下さいね~。
ちなみにお値段は2000円にサービスチャージと消費税を加えて2420円でした。
もちろんモーニングとしては高いですが、他の一流ホテルってもっと高いですよね。朝から豪華絢爛な非日常空間で美味しい料理が食べ放題なんですから、決して高いとは思いません。結局この日はお昼ご飯は食べませんでしたし、夜は家で食べました。1日トータルの食事代としては全然OKでしょう。
ごちそうさまでした!また来たいですね。スタッフの方もとても丁寧で、気持ちよく過ごせました。ありがとうございます。
その感謝の気持ちをテーブルに残して帰りました。料理を取りに行くたびに増えていったビニール手袋をまとめて、
いいね!
つ、伝わるのかこれ?
中指を立てていると勘違いされないか??
そして男は、また違う容疑で指名手配されました。
今日の1曲:荒井由実「曇り空」