がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

天空の里ヤマノムラ

新型コロナの感染者が日に日に減り、もうすぐ緊急事態宣言が解除されるのではないか、というムードが高まってきた9月。

懺悔します。

解除を待たずして県境を越えてしまいました。

本当に申し訳ございません。

江戸時代なら脱藩の罪で処刑されているところです。

しかしどうしても行きたかった。僕を突き動かしたのには大きな理由があったのです。

 

最近、あるブログを愛読しています。飛騨高山に住んでおられる方が、岐阜県のディープな情報を毎日発信しているという、僕にとってはたまらないブログなのです。

「勝手に岐阜県観光大使というブログです。勝手どころか、十分立派な大使っぷりです。

観光客には絶対見つけられない、地元の方ならではの情報が面白くて、毎日欠かさず読んでいます。移住したいぐらい飛騨が好きな僕からすれば、高山に住んでいる事だけでも羨ましいのに、このブログを読んでいると、飛騨ライフを心から楽しんでいるのが伝わって来ます。そして飛騨への愛情がビシバシと伝わって来ます。それだけ地元を愛せるというのは本当に素晴らしいことだと思います。

 

そのブログの中で、凄く気になる物が紹介されていました。

それは、「カミオカスターコーン」というトウモロコシです。

なんと糖度がバナナと同等の20度!

と言われてもそんなに甘いトウモロコシなんて想像もつきませんが、大使さんいわく、

「一度は絶対に食べてほしい」とのこと。

飛騨の野菜や果物の美味しさは、何度も訪れた中で十分に実感していますが、その中でも地元の方が推しまくる逸品。

た、食べたい。

という大きな理由があり、勢いよく脱藩してしまいました。

 

さすがに大阪ナンバーで県境を超えるのは抵抗があったので、

f:id:gatthi:20210929162726j:plain大阪から高山への夢の懸け橋、ワイドビューひだで向かいました。

現地ではレンタカーでうろうろします。1泊2日の行程なので、あんまりゆっくりはできませんが・・・。

 

1日目は宿にたどり着くだけで精一杯です。

f:id:gatthi:20210929194059j:plain毎度おなじみ、奥飛騨のアジト「槍見館」です。

ここへ着くと家に帰ってきたような安心感に包まれます。ただいま~。

f:id:gatthi:20210929194355j:plain宿の名前に偽りなし。今回も部屋から見事な槍ヶ岳の雄姿が拝めました。

温泉に浸かり旅の疲れを癒し、素晴らしい飛騨の郷土料理でお腹を満たした後、

f:id:gatthi:20211003191137j:plain部屋で明日の下調べをしました。

デビューしたてのスマホで。Wi-Fiなんかにつないだりして。

調子乗ってるな~俺。スマホが似合ってないぞー。

こうして旅先で調べものができるなんて、IT社会の最先端に躍り出た気分です。

大使さんのブログで得たキーワードは2つ。

神岡町「山之村」

・石橋自然農園

山之村といえば、前から行きたいと思っていた「山之村牧場」がある所。ちょうどいいぞ。

ちなみに「山之村」というのは地名ではなく、7つの集落の総称だそうです。1,000mぐらいの高さの所に盆地があり、「天空の里」と呼ばれているのだとか。

しかし石橋自然農園さんのホームページを見た時、嫌な予感がしました。

カミオカスターコーンはネット販売やふるさと納税では売られているのですが、現地で直売しているとはどこにも書いてありません。

・・・・・。

や、やってしまったかな?

もう遅い。とりあえず行ってみよう。

f:id:gatthi:20211005210030j:plain朝起きて、ひとっ風呂浸かった後、魅惑の朝食タイム。

f:id:gatthi:20211005210255j:plain出たっ!人類史上最強のご飯のお供、「朴葉みそ」だ!

僕はこれがあると永遠にご飯を食べていられるような気がします。

少しの量ですが、その量でもお茶碗2杯いけちゃいます。もしこれが少しではなく、山盛りの量だったとしたら・・・・・。

僕はご飯の食べ過ぎで命を落とすことになるでしょう。

 

火曜サスペンス劇場奥飛騨湯けむり旅情 朴葉みそ殺人事件」

死因がただのご飯の食べ過ぎだったという斬新過ぎる結末のせいで、火曜サスペンス史上最低の視聴率を記録しました。

 

槍見館の朝食は朴葉みそ以外にもご飯のお供の連発で、いつもご飯を食べ過ぎてしまいます。その日のお昼は全然お腹が減ってこないので、1食分浮いてお得です。

お腹をパンパンに満たした後は、カフェインを投入。

f:id:gatthi:20211006160214j:plain槍見館の知る人ぞ知る魅惑スポット、緑が眼前に広がる極上のテラス席で珈琲時間。ここは宿泊者にもあまり知られていない場所で、誰にも邪魔されずにゆっくりできます。さあ、天空の里へ、出発だ!

 

国道471号線から山道に入ります。山道とは言っても、ちゃんと2車線あり、道幅も広いのでカーブが多くても快適に走行できます。そしてさすが天空への道。どこまで登るの?というぐらいひたすら登りです。メジャースポットではないのですれ違う車はわずか。後続車はゼロでした。緑がキレイで、めちゃめちゃ気持ちのいいドライブでした。

 

そして遂に「山之村」へ到着!したのは良かったのですが、

石橋自然農園さん、見つからず。

ナビに名前を入れても出て来ません。時間をかけて探せば見つかったのかもしれませんが、帰りの電車の時間が気になり、あまりうろうろできませんでした。まあ直売はしてなさそうだし、ひとまず「山之村牧場」へ行ってみよう。ここで何か手がかりがあるかもしれません。

 

f:id:gatthi:20211006162113j:plain山之村牧場

ここは道沿いなのですぐに到着しました。おっ。地元の方がいるぞ。聞いてみよう。

f:id:gatthi:20211006162319j:plain「すいませーん。カミオカスターコーンはどこで売っていますか?」

f:id:gatthi:20211006162436j:plain「知らん。」失礼しました。目つき悪っ!

牧場の中へ入りました。入場無料です。ありがたや~。

大自然に囲まれた広大な敷地にはヤギや羊が放牧され、大きな牛舎があり、各種体験施設や子供たちが遊べる遊具もあります。

この素晴らしい環境の中で生産された製品を食べられるレストランがあり、ここでいただける「ソーセージバイキング」がこちらの名物です。

山之村牧場特製のソーセージ6種類と、野菜、ご飯、ジャージー牛乳、パンが食べ放題です。が、

朝食を食べ過ぎて全然お腹が減っておらず、これは無理でした。

しまったー!

せめてスターコーンだけは!と祈りを込めて売店へ向かいました。が、

見当たらず。

ガガーン!

・・・・・・・

でもいいんです。

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f:id:gatthi:20211006165414j:plain心休まる風景。澄み切ったきれいな空気。時間が止まったようなのんびりとした空気感。ここを歩いているだけで夢心地になり、とてもいい時間を過ごせました。

ええ所や~。

スターコーンにはありつけませんでしたが、代わりにこの牧場の名物をいただきました。

f:id:gatthi:20211006170128j:plain超濃厚なジャージー牛乳ソフトクリームと、

f:id:gatthi:20211006170241j:plainヨーソフハニー

これは名前の通り、ヨーグルトとソフトクリームとハチミツが混然一体となった夢のスイーツです。牧場丸ごと食べたような気分になれました。美味しかった!

 

こうしてカミオカスターコーンは幻に終わりました。

う~ん・・・。

ネット注文しようかな。

ええっ?結局?

いやいや、やっぱり現地で採れたてが食べたいぞ。またいつか、チャレンジしよう。

脱藩までしてやって来た飛騨の地でしたが、目的は達成できず。

しかし僕は思います。

飛騨へ来るのに目的などいらない。

来るだけで、幸せな気分になれる。他に類を見ない高低差のあるダイナミックな風景。素晴らしい温泉。美味しい食べ物。温かい人々。それだけで十分です。だからトウモロコシが食べれなかったぐらい、全然なんてことはありません・・・ということはありません。

 

やっぱり食べてみたかったー!

 

それ以来、スーパーへ行くと血走った眼でトウモロコシを見つめる僕がいました。

人生でこれほどトウモロコシに恋焦がれたことがあったでしょうか?

 

初恋を思い出すなあ。

100%片思い~♫

 

今日の1曲:イモ欽トリオハイスクールララバイ