昨年の4月に「転勤」になったことがこのブログを始めるきっかけになりました。
新しい職場にどうしても馴染めず、うつ病になるのを防ぐ為の気晴らしとして始めました。いつもこのブログを観てくださっている方は気を悪くされたかもしれませんね。
お前の気晴らしに付き合わされていたのか
ひえ~すいません!僕も生きていくのに必死なんです。お許しください。
これからも個人的な気晴らしにお付き合いください。
とにかく人が多い職場でした。人波が苦手な僕にとっては地獄の環境です。
そしてお昼休憩が満足に取れず、食生活が乱れたのも大きなストレスになりました。
しかし、11月から晴れて新しい職場へ転勤することになりました。
着任から1年半での転勤。
「こいつにはもうこの職場で生きていくのは無理だろう」と判断されたのかもしれません。でもこの環境から脱出できるのであれば、理由なんてどうでもいいです。
1日も早く出て行きたい。どうせ出て行く時も何の感慨もなく、ドライな感じで去っていくのだろう、と思っていました。
ところが・・・・・
僕の転勤が発表されてから、たくさんの人が「残念です」「もっと一緒に仕事したかったです」と言ってくれました。まあ社交辞令も入っていたのでしょうが、それでも嬉しかったです。そして人伝いに、僕が目をかけていた若い子が僕の転勤に大きなショックを受けている、と聞いた時には、ブワーッと何かがこみ上げてきました。
あまり良い思い出がなかった職場ですが、急に寂しさが襲ってきました。
今思えば、労働環境は非常に悪かったのですが、人間は良かったのです。
普通たくさんの人がいれば変な人もそれなりにいるはずなのですが、不思議といい人ばかりでした。いや、いたかな、3、4人は変な人。でもほとんどがいい人でした。僕がうつ病にならずに済んだのは、ブログのおかげだけではなく、同僚に恵まれたからだと思います。
お前が一番変な人だったんじゃないか?
否定はできません。
実際僕は通勤途中に、「明らかな奇行」を毎朝していました。
駅から会社までの道に、漫画喫茶のようなお店があり、前に「石造りのピカチュウ」が置いてあったのです。カウボーイハットを被ったその石ピカチュウに、僕は何となく親近感を感じていました。最初はボーッと見送っていただけだったのですが、ある日を境に、毎朝話しかけるようになったのです。
「おはよう、石衛門!」
「今日は昼飯ちゃんと食べれるかなあ?」
「朝礼、長いねん。」
「あの事務所、人多いねん。」
「ああもう、帰りたい!」
と短い言葉ではありましたが、毎朝声に出して話しかけていたのです。
今年の「変な人大賞」は、圧倒的票数でがっちさんに決定いたしました!
パチパチパチ。
病んでたなあ・・・絶対病んでたぞ。うつ病寸前でしたね。
早朝だから目撃者はいなかった、と思いたいです。目撃者がいたら「探偵ナイトスクープ」へ投稿されていたかもしれません。
「毎朝、石のピカチュウと話している会社員がいる」
でもこんな奇人に対して、いろんな人が餞別まで下さいました。
僕がスイーツ大好きなのを知っている方は高級洋菓子を。
また、僕が狂信的なパン好きなのを聞きつけた方からは高級食パンをいただきました。
違う2組の方々がそれぞれ食パンを下さったのですが、「パンが被ってしまってすいません。こんなに食べれませんよね。」と心配までしていただきました。
安心してください。余裕で食べれますよ。
僕のパン摂取量は日本人平均の5倍以上なので。
また、情報屋Mさんからは、魅惑のコーンスープが社内便で送られてきました。
ノーマルでも十分に美味しいクノールのコーンポタージュ。それの高級版です。
これが入った社内便の封筒が事務所に届いた時、あたかも重要な書類を扱うように受け取ったのですが、まさか中身がコーンポタージュだったなんて誰も思っていなかったでしょう。怒られるわ。
でもMさんは僕の転勤を知らなかったので、餞別ではなかったようです。少し前のブログを見て、僕がカミオカスターコーンを食べ逃したのを哀れに思い、これを送って下さったみたいです。いつも温かいお心遣いありがとうございます。
しかしよく見るとこの3品。
夢のモーニングの完成だ!
コーンポタージュ ~ 食パン ~ 食後のスイーツ。しばらく楽しめそうです。
本当に皆さん、ありがとうございます!
そして迎えた転勤前の最終日。
僕もお世話になった皆さんに感謝の気持ちをパンパンに込めて、餞別を持って行きました。
バターバトラー
東京の大人気洋菓子店。特に「バターフィナンシェ」は超濃厚なバターとメープルシロップの華麗な競演が魅力の珠玉の逸品です。たま~に期間限定で大阪の百貨店にも出店することがありますが、なかなか大阪ではレアもの扱いです。
これなら皆さん喜んでくれるに違いない。
ウウー!そこの紙袋、ちょっと待ちなさい!
な、何だ!?
中身を調べさせていただこう。
何ですか?これは東京で買った美味しいバターフィナンシェですよ。何を調べるというのですか?
ドローンで上空から調べてみよう。
や、やめ・・・。
貴様、中身はブラックサンダーじゃないか!
「ボス、末端価格にして4,000円超のブラックサンダーを押収しました。しかも最近入手困難になっている至福のバターですぜ。」
「フッフッフ・・ばれたのならしょうがないな。私が素直にバターバトラーなどという高級菓子を持っていくはずがなかろう!」
仕事終わりに食べるには、これが一番染みるんです。でもこれだけの数をコンビニで発注するのは勇気がいりました。
そして最終日の夜。皆さんが順番に僕に挨拶をしてくださいました。
心温まるやり取りの数々。胸が熱く、いや全身が熱くなりました。
でも、ここで僕の悪い癖が出ました。
気付いてしまったのです。
歪み切った少年時代に磨き上げられた、無駄に鋭い人間観察眼のせいで。
ほとんどの方は、心から温かい言葉をかけて下さいました。
しかしその中に、
明らかに僕の転勤なんてどうでもいいと思っている輩が3人いました。
さあ、新しい職場で頑張ろっと!
落ち込んだら石のピカチュウに話しに行こう。
今日の1曲:David Bowie「Changes」