よく「百万ドルの夜景」と言われるスポットがありますが、今回は「1500円の夜景」を観に、今のところ日本一高いビルである「あべのハルカス」へ行って来ました。
実は阿倍野は、このブログとは切っても切れない深い関係があります。
当ブログのシンボルマーク、「羽の生えた謎の覆面レスラー」。
これをデザインしてくれたのが、阿倍野在住のアーティスト「ミワちゃん」なのです。
僕は子供の頃、プロレスが大好きでした。好きなプロレスラーもたくさんいたのですが、中でもメキシコの覆面レスラー「ミル・マスカラス」がお気に入りでした。
彼の華麗な空中殺法に魅了され、よく椅子の上から布団にフライングボディアタックを仕掛けて親に怒られました。
そして大好きだったミル・マスカラスと僕をブレンドしたキャラクターを作って欲しい、というムチャぶりに見事に対応してくれたのが、このキャラクターなのです。
ちなみに額にある「T」は僕の頭文字のイニシャルです。背中の羽根は、僕の苗字に鳥の名前が入っているので付けてくれました。
このキャラ、名前もあるのですが、僕の苗字が思い切り入っているのでブログでは明かせません。ごめんなさい。
ミワちゃんのイラストはどれも味があり、大好きです。これからも使わせてもらうね~。ありがとう!
さて、あべのハルカスは以前にも行きましたが、「思っている以上の」高さを感じます。そして360度の大パノラマ。大阪を隅々まで見渡せるような景色は圧巻の一言、いや圧巻圧巻圧巻の三言です。
ハルカスを訪れる時、お勧めの観光ルートがあります。大抵の方は近くの新世界や天王寺動物園とセットで行くことが多いと思いますが、人が多くて疲れます。
僕は人ごみが大嫌いなので、別のルートで行きます。
まずは大阪メトロ谷町線「四天王寺前夕陽ヶ丘」駅で下車し、徒歩5分。
ブーランジェリー・パリゴ
マリトッツォの記事でもご紹介しましたが、大阪を代表するパン屋さんの一つです。お店の外まで小麦の香りが広がっています。
パン好きの方なら、ここがパン屋さんだと知らなくても吸い込まれてしまうでしょう。
ここで翌日の朝パンを仕入れるのですが、是非見ていただきたいものがあります。
厨房の職人さん達の動きです。「世界一リズミカルなパン職人」と称されるぐらいの、キレッキレの動きでパンを焼いています。BTSのダンスを凌ぐ切れ味です。
もちろんパンも絶品ですよ!
ここからさらに徒歩5分。
ご存じ聖徳太子さんのお寺ですね。ここで都会の喧騒を一旦シャットアウトし、わかったような顔をしながらお参りをします。
四天王寺を出て徒歩2分。
総本家 釣鐘屋
「食べる除夜の鐘」として知られる「釣鐘まんじゅう」が有名な老舗和菓子店です。
まんじゅうを仕入れたら、いよいよあべのハルカスへ向かいます!
パンとまんじゅう、いる?
結局食べることが目的になってないか?
間に四天王寺を入れることで無理やり観光ルートっぽくしてないか?
という声をよそに、向かいます!
近くまで行くと大きすぎて全体の写真は撮れないので、遠目から撮影するのがポイントです。
しかしいつも思いますが、あべのハルカスの見た目ってほんまに色気がないですよね。
ライターみたいです。もう少しお洒落なデザインにできなかったんでしょうか。
ハルカスに近づくにつれ、見る見るうちに人々が増殖してきます。一体どこから湧いて出てくるのでしょう。早く空の世界へ上がってしまおう。下にあるショッピングモールには目もくれず、天を目指しました。
ハルカスの展望台へは、まず直通エレベーターで16階まで上がり、入場券を買ってから天に通じるスーパーエレベーターに乗ります。天への入場料は1500円です。
最初はこの入場料は高いと思ったのですが、上へ上がった瞬間にそんな考えは消えます。
エレベーターがまた凄い。凄まじいスピードで上がっていきます。上がる途中は外が見えないようになっており、何やら不思議な模様が見えています。上に上がるまで景色は見せずにワクワク感を煽りまくる。この演出が粋ですな。
上がっている途中、僕はいつも「ジャックと豆の木」というダークな童話を思い出します。
「ガッチと豆の木」
むかしむかしあるところに・・・
長くなりそうなので今日はやめておきます。
あっという間に60階に到着!
エレベーターを出た人々の眼前に広がる大パノラマの世界。
カーナビの地図画面みたいですね。
これは北側の風景です。東西南北、どこを観ても素晴らしい景色ですが、僕は「隠れキャラ」を見つけるのが楽しい北側が好きです。
隠れキャラ①「通天閣」が見えました。まあこれは全然隠れていません。下から見ればあんなに大きな建物が、ここからはまるでミニチュア模型のように見えます。
そしてもう一つの隠れキャラ。これは少し難易度が高いです。位置が正確に分かっていないと見つけるのは困難です。カメラをズームにして、谷町筋をずっと辿っていき、少し右側を見ると、
隠れキャラ②「大阪城」発見!
こうして見ると大阪城って高いビルに囲まれているんですね。なんだかいじめられているようで可哀想です。でも昔はあそこが一番高い所だったんでしょう。
まだ夜景になるには時間があったので、展望台の下の階にあるカフェに食事をしに行きました。
スカイガーデン300
絶景を眺めながら食事やカフェが楽しめる大人気のカフェ&ダイニング。
ロコモコ丼とポテトを注文。さあ、絶景を観ながら・・・と思いきや、
中の席は満席。・・・あと残っているのは・・・
寒風吹きすさぶ外の吹き抜けの席!
マジか!?かなり寒いぞ今日。風も強いぞ。
・・・・・行けっ!忠犬ガチ公!ワンワン!!
寒すぎる故に、外はガラガラです。しかしもう、ここしかない。
真冬の滝行のような極寒ディナーが始まりました。
だんだん夜景になって来ました。綺麗だー!しかし寒いぞー!
いいね~。しかし誰も外では食べていない。
こたつの席もありましたが、チャージ料1000円が障害になっているのか、誰も座ってません。
この写真だけを見ていると素晴らしい世界が広がっていますが実際は、
寒いっっ!
風強いっっ!!
ホットコーヒーがアイスコーヒーに化学変化してしまいました。
でもロコモコ丼は美味しかった!寒すぎるけど。
体の芯から冷えるディナー。しかし僕の心までは冷やすことはできないぞ!
いやもうそんな事どうでもええわ!早く中へ戻ろう。
この後、サウナに駆け込むように暖かい展望台へと無事帰還しました。
あったか~い。
ぼやっと暗闇に浮かぶ通天閣が電気ストーブに見えました。
この後は暖かい場所で綺麗な夜景をゆっくり眺めました。
しかし体が暖まり、息を吹き返した僕は、また悪い癖が出て周囲の人間観察を始めてしまいました。
日本人はシャイな民族だと言われます。あまり人前でカップルがいちゃつくのを良しとはしません。
でも夜景を前にするとなんということでしょう!
一斉にフランス人のように人前でいちゃつき出したではありませんか!
満月を見ると変身する狼男のように、日本人は夜景を見ると豹変します。
特に男子の勢いの良さは目に余るものがあります。夜景を見ている間だけ無敵になるようです。
今日もそんな男子がいました。
かなり大柄な男子で、逆に彼女の方はかなり小柄です。
その大柄な体で、後ろから彼女の小さな体に覆いかぶさっているのです。
その光景は、女の子が巨大な熊に襲われているようにしか見えませんでした。
もしこの場に猟友会の方が居合わせていたら、躊躇なく男子に向けて発砲したことでしょう。
「私はあの時、とにかく女の子を助けようと無我夢中でした。あの姿は間違いなく、ツキノワグマでした。私は狙いを定め、引き金を引きました。ところが熊だと思っていたのは、夜景を見て豹変した人間のオスだったのです!ああ、私をお許し下さい!」
なにわ猟友会 田中さんの証言より抜粋
実際、彼女もこう思っていたことでしょう。
「重いねん。夜景が全然入って来えへんやんけ。」
そんな人間模様も楽しみながら、夜景を満喫しました。
いやー、良かった良かった。1500円の夜景。
安い!と思います。
しかし只今建設中の東京のビルが完成すると、あべのハルカスは「日本一の高さ」ではなくなるそうです。
「2番じゃダメなんですか?」
いいよ~。
順位が変わろうとも、この景色の価値に変わりはありません。
だから僕はまたここへやって来ます!
人間観察をしに。
こんな自分が嫌いです。
今日の1曲:Jigsaw「Sky High」