岐阜で美濃モーニングの洗礼を受けてからというもの、僕は深刻な「モーニング・ロス」に陥っていました。
地元・大阪でモーニングに行こうとしても、どうしてもあの岐阜での激安モーニングと比較してしまい、行く気にならなかったのです。
もう、大阪で岐阜に対抗できるお店は存在しないのか?
と絶望的な気持ちに打ちひしがれていた時、吉報が入りました。
その情報元は、レコード発掘調査の相棒にして、モーニング省諜報部員でもある、
ポール・ウェダー氏。
「パン食べ放題のモーニングがあるぞ。」
朝からパン食べ放題!それが事実であれば、「モーニング・ロス」を少しは解消できるかもしれない。
また宝塚?
行こ行こ。あそこは素敵な町だ。
休日の朝、とある町の高台に佇むウェダー氏のアジトへ迎えに行き、期待に胸を膨らませるどころか、全身を膨らませながら宝塚へ向かいました。
関西の私鉄の中で、最もセレブな電車と言われる「阪急電鉄」。
しかしこの「セレブ」なイメージは、一部の路線のみのイメージなのです。
僕が住んでいるのも阪急沿線なのですが、全然セレブではありません。
ジャンキー極まりないハードな町です。
では、どこの路線がセレブなイメージを作っているかというと、正にこの「今津線」なのです。
関西人が住みたい町として憧れる、兵庫県の宝塚市と西宮市を結ぶ上品な路線。
2011年に公開された映画「阪急電車 片道15分の奇跡」のロケ地でもあります。
このセレブ路線にある逆瀬川駅でのモーニング。
期待しかありません。
さて、今日のモーニング処は、宝塚で有名なパン屋さんの2階にあるカフェです。
街路樹の綺麗な宝塚の街並みを味わいながら、お店に到着しました。
まだ7時台だというのに駐車場は満車でした。
とにかく1階のパン屋さんがすごい人気なんです。
パンネル 可成店
宝塚市内で数店舗を展開する大人気店。
リーズナブルなのに美味しいパンが大量に並ぶ、夢の世界です。
でも今日の目的は2階にあるカフェ。
ここもパンネルさんが経営するカフェで、もちろんパンネルさんのパンがいただけます。
店内の奥にあるエレベーターで2階に上がるので、パンワールドの横を通過しないといけません。
しかしこれは拷問です。
よくしつけられているワンちゃんじゃないと、かぶりついてしまうでしょう。
僕はよくしつけられているので我慢できました。
このパン屋さんの混雑ぶりを見ていると、2階のカフェも混雑するに違いない。
パン屋さんは7時開店ですが、カフェは8時からです。
もちろん開店と同時に2階へ突入しました。
すると・・・
全く人の気配を感じません。
カフェ可成
1階の熱気とは打って変わって、静寂に包まれた世界。
あ、あれ!?みんな知らないのかな??
まあ空いているのはありがたいことです。
とりあえず着席し、メニューを見ました。
ドリンク + トーストのセットが407円。
これではとてもじゃないが岐阜モーニングの足元にも及ばない。
オプションの「パンおかわり自由」187円。これに全てがかかっている。
頼むぞ、おかわり君!
まずは基本のセットが来ました。
バターとブルーベリージャムがたっぷりと付いており、パンもさすがの人気店の食パン。
とても美味しくてすぐに食べ終わりました。
ではさっそく・・・
おかわりのパンをお願いします!
あ、あれ!?・・・また食パン??
さっきと全く同じ食パンじゃないか。ブルーベリージャムは無くなっていたので、新しいのをくれました。
ま、まあいいか美味しいから。
また、すぐに食べ終わりました。
おかわり、お願いします!
あ、あれ!?・・・デジャヴ??
僕はどうやら勘違いをしていたようです。
僕のイメージでは「神戸屋レストラン」のように、おかわりを頼むと色々なパンが入ったカゴを持って来てくれて、その中から好きなパンを選ぶのだろうと思っていたのです。
違いました。
ひたすら同じ食パンが出てくるようです。
・・・・・。
珈琲はおかわりができないので、無くならないように、ちびり、ちびりと飲みながら、ひたすら食パンをおかわりする。
そこにはサラダやゆで卵などもなく、ただただ炭水化物を摂取しまくるという斬新かつ凄まじいモーニングの姿がありました。
振り切った栄養バランスの偏りが気になり、もうやめておこうか、と途中、何度も思います。
しかしパンが美味しく、バターとブルーベリージャムも美味しい。
故におかわりが止まらない。
I Can't Stop! The Bread & Jam~ ♫
こらえきれず おかわりが~ ♪
とまらない~ ♩
※合致「おかわりがとまらない」より
もう何度おかわりしたのか、記憶にございません。
恐怖のネバーエンディング食パンモーニング。
しかし最も恐怖を感じていたのは店員さんかもしれません。
「こいつら、ほんまに食べ放題しやがって」
ジャムつけ過ぎやねん。
上品な宝塚の人々はこんなにおかわりしないはずです。
しかしまあ、静かな広々とした明るいスペースで、ゆっくりできました。
結局、僕らが帰るまで、他のお客さんはほとんど来ませんでした。
食パンを延々と食べたいという需要はあまりないのでしょう。
実際、人生でこれだけの食パンを一度に食べたのは初めてでした。
さすがにもう、パンはしばらくいらない。
見るのも嫌です。
そんなわけあるかい。
下のパン屋さんで買って帰りました。
結局一番恐ろしいのは僕のパン中毒だった、というくだらない話でした。
今日の1曲:Iron Maiden「Deja-vu」