(先週のつづき)
早朝に大阪を飛び出し、岐阜モーニングの幸せを掴んだ奇人がっち。
そのついでに訪れた観光名所「養老の滝」。
ここで出会った養老サイダーの出生の秘密を知ってしまった僕は、少なからず心に傷を負っていました。
しかし気持ちをポジティブモードに切り替え、次の幸せを掴む方向へと動き出しました。
私はこれより、本日2件目のモーニングへ向かうことを、ここに誓います。
酷暑の中、高校球児よりも爽やかな選手宣誓を高らかに行い、次の目的地へ向かいました。
ここで疑問を感じる方が多数おられるでしょう。
「養老の滝」でお昼の時間になったんじゃないのか?
モーニングの時間なんてとっくに終わっているだろう?
しかしそんな時間の常識が通用しないのが岐阜県。
美濃の国には太古の昔(?)から、恐るべき魔力を持つ言葉が存在するのです。
「All Day Morning」
これを日本人共通の言語に翻訳すると、
「1日中、朝」
意味不明です。
要するに・・・
1日中、モーニングメニューを注文できるということです!
異常や。異常やで、その文化。
もはや「モーニング」という言葉の意味がどこかへ行ってしまっています。
しかし考えようによっては、ランチメニューだと多過ぎるという女性の方や、お昼ご飯が遅くなってしまい、軽く済ませておきたい時、間を埋める軽食としては非常に使い勝手がいいかもしれません。
というわけで、お昼ご飯にモーニングを食べに向かいました。
何を言ってるのか自分でもわからなくなって来ました。
水まん氷の大垣市へ、再び!
到着!無駄に速いぞ、白影号。
カフェ はみんぐばーど
なんて味わい深い外観だ。観光客がいきなりこのお店を見つけて入って来る、なんてことはなかなかないでしょう。
見るからにジモッティー密着型の喫茶店のように思えます。さすが地元の方のタレコミです。
しかしお店の前には、美濃の国では「名店の証し」とされる立派な物が立っていました。
クルクルです。
大使さんいわく、このクルクルがお店の前でクルクルと回っているお店は名店が多い、とのこと。期待値が自ずと高まってきました。
では、入ってみます。
こんにちは!
と、すごい元気な声で店員さんが出迎えてくれました。
この時点で今年の喫茶店・接客部門での大賞受賞です。
受賞理由:「いらっしゃいませ」ではなく、「こんにちは」というシンプルな出迎え方が今までありそうでなかったという点。しかもその声にも魂がこめられている。
接客がしっかりしているお店は、全てにおいてしっかりしている、はずだ。
店内は明るく、温かい雰囲気に包まれていました。
これはいいお店に違いありません。
では、メニューを見てみましょう。
やはり「1日中モーニング」と断言している。だんだんこの言葉にも慣れてきたぞ。
ランチメニューもあり、そちらもなんか凄そうですが、今日はモーニングのハシゴをすると決めていたので、モーニングセットを注文することにしました。
ドリンク代に200円プラスするとかなり豪華なセットになるようですが、ここは基本中の基本、ドリンク代のみのセットにしました。
それでも色々付いてきますよ。
ここで東海エリア以外の人々には違和感のある名前が目に入ったことでしょう。
しかしこれこそが、岐阜モーニングの真髄。
「茶碗蒸し」です。
この茶碗蒸しが付いているモーニングを一度食べてみたかったのです。
ちむどんどんしてきたさ~!
ドカーン!
ほ、ほんまや。茶碗蒸しが載ってる。
トーストと茶碗蒸しがワンプレートの上で共存する不思議世界。
集合写真に違うクラスの奴が写り込んでいたような、やりきれない気持ち。
他にもサラダ、玉子スープ、にゅう麺、ゼリー。
カ、カオスだ・・・。大渋滞。
おい、そこの茶碗蒸し!しれっと混ざり込んでるんじゃない!
しかしこの茶碗蒸しが、
めちゃめちゃいい仕事しとるんですよ!
冷たいものを飲み食いし過ぎて弱っている夏の胃腸を優しく包むように温めてくれ、
何故かトーストとの相性もいい。
このセットの中で、彼の塩加減がセット全体のバランスを見事に取っていました。
アイスコーヒーが400円だったので、このセット全部で400円です。
狂気の岐阜モーニング。
コーヒーもたっぷり入っています。もうやめてくれ。大阪に帰れないじゃないか。
そしてこのお店でもう一つ気に入ったのが、BGM。
1960年代~80年代の洋楽がずっと流れていました。ドストライクです。
壁にはビートルズのLPが飾られていました。オーナーさんと気が合いそうだなあ。
ごちそうさまでした!
帰り際も、店員さんが元気な声で見送ってくれました。
いいお店だ~!匿名さん、素敵なお店をご紹介いただき、ありがとうございました!
また来たいな~。来るやろ、絶対。
カリスさんへのリベンジを果たし、待望の茶碗蒸しモーニングも経験し、養老の滝も見れて大充実の弾丸ツアーとなりました。
しかしどこまでも貪欲な食いしん坊がっちは、帰りに再びあそこへ寄ってしまいました。
水まん氷 by 餅惣
これを食べずに大垣を離れるなんてそんな残酷なこと、僕にはできませんでした。
目玉おやじ「おい、がっち!また来たのか。好きじゃの~。」
「父さん!」
暑さで幻聴がひどくなってきたので、今度こそ帰路に着きました。
しかし岐阜モーニングに取り憑かれた男、がっちに休息の日などありません。
帰り道、早くも次のミッションへ思いを巡らせていました。
そして次のミッションも、これまた他県民を驚愕させる恐るべき内容だったのです。
「岐阜では、うどん屋でモーニングが提供されるらしい」
冗談は養老サイダーだけにしてくれ。
今日の1曲:Van Morrison「Brand New Day」