がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

食堂カフェよつばの謎

5月の飛騨旅行、2日目の「五色ヶ原の森」は昨年に続き感動の嵐で、都会での生活に疲れ切り、汚れ切った心身を見事に洗浄してくれました。

そして僕らが下山した直後から雨が降り出すという奇跡の展開。

ありがとうございます、飛騨の神様!

ついでに神様、お願いがあります。

 

お腹が減りました。

 

良いお店でお昼ご飯を食べさせてください!!

 

と全てを神頼みにしようと強く決心し、まだ行ったことのないお店へと向かいました。

五色ヶ原の森から常宿・槍見館へ戻る途中にあるカフェレストラン。

国道471号線沿い、妻が異常なまでに行きたがらない奥飛騨クマ牧場」を過ぎて、しばらく走行すると到着しました。

ただ、普通の民家のような外観なので、気をつけないと確実に通り過ぎてしまいます。

車のナビにもお店の情報は出て来なかったのですが、僕には頼れる相棒がいます。

また出たっ!紙の地図!

岐阜モーニングサミットの時に窮地を救ってくれた頼れる相棒のおかげで、今回も無事にたどり着くことが出来ました。

前日の夜、スマホで住所を調べて、紙の地図で場所を確認(スマホのナビで行けよ、という意見は受け付けません)。

朝、五色ヶ原の森へ向かう時に、ぎらついた目でお店の位置を把握していたのです。

うんざりするデジタル社会ですが、最後に頼りになるのはやはりアナログ物です。

さて、お店ですが・・・

 

ここです。

家やん。

「〇〇君、あーそーぼー」と言いそうになりますが、言わないでおきましょう。

駐車場はお店の前に3台ぐらい停めれそうなスペースがあります。

 

食堂カフェ よつば

なんだか良さげな雰囲気だぞ。

ん!??入口の左側に何か書いてあるぞ・・・。

 

お1人でやられているお店のようで、急いでいる人や大人数はお断りしているようです。

このいきなりの先制パンチに対して、戸惑ったり、嫌な印象を持つ人もいるかもしれません。

でも僕は真逆です。

 

「これはいいお店に違いない」

 

そう確信しました。

この看板は要するに、

 

「こだわりの強い店主が1人で時間をかけて渾身の料理を作っています。

だから辛抱強く待ってくれる人には極上のお食事を提供しますよ。」

 

と語りかけているのです(な、なんて自分勝手な解釈だ・・・)。

美味しいものが食べれるのなら、なんぼでも待つでーっ!

とりあえず入店だあっ!

 

暖簾をくぐり、扉を開けて入ると、

ありゃ!?また扉が。まあ冬は豪雪地帯ですからね。

なんかこの空間がすでに落ち着くなあ。

では入店!

 

「いらっしゃいませ。」

 

薄暗い店内に突然ボワッと現れた少しコワモテのマスターにちょっとびっくりしてしまいました。

BGMにはジャズが流れ、飛騨らしい調度品が置かれたとても落ち着きのある雰囲気。

ただ、ムーディーというよりは、「暗っっ!」という感じです。

一番明るい窓際の席に座りました。晴れている日ならもっと明るいんでしょう。

僕ら以外のお客さんはいませんでした。

こちらのお店は、飛騨牛がええ感じのお値段で食べれるのも一つの売りのようですが、飛騨牛は槍見館の夕食で確実に出てくるので、「飛騨豚」を食べることにしました。

頭に「飛騨」と付くだけで、イメージで美味しそうに思えてしまいますが、実際に美味しいのが飛騨の凄いところであり、信頼できるポイント。

楽しみです。

 

厨房からジューッという心地よいサウンドが響いてきました。

BGMのジャズとその音が絶妙に混じり合い、セッションをしているように聴こえます(どこまでも都合のいい耳)。

待っている間、店内を観察していると、外にはテラス席があるのが見えました。

外は山の風景が広がっているので、天気が良ければ気持ちいいでしょうね。

でも雨の降る中、静かな落ち着く店内でボーッと待っているのも、なかなか良い時間でした。

そして遂に、飛騨豚がテーブルにやって来ました!

 

おお~っっ!!

めちゃめちゃ美味そうやんけ!

 

続いて妻の食事が到着。

ヤバっっ!!

ちょ、ちょっとだけもらおうかな。

 

かかっているドレッシングが独特で美味しい、見るからに新鮮なサラダに、

 

彩り鮮やかな小皿。赤かぶらが飛騨らしい。

 

そして何と言ってもこれ。とても甘みのある飛騨豚の丼ぶり

そりゃこれだけの料理を作りながら1人で切り盛りするのは大変ですわ。

あの看板の意味が良くわかりました。

でも待つと言っても、それほどの待ち時間ではなかったですよ。

 

日曜日のお昼時なのに、僕らしか客がいないのが不思議でしたが、とんでもなく美味しい料理をこんな静かな環境で味わえるなんて、なんて贅沢なんでしょう。

感動した僕らは、食後の珈琲の時に、デザートを追加注文しました。

 

珈琲もめっちゃ美味しかったのですが、

 

カラメルバナナケーキ

このケーキがまた普通ではありませんでした。

口に入れた瞬間、ツーンと鼻の中を突き抜ける山椒の香り。

飛騨が誇る高級名産品の一つ「飛騨山椒」が使われているのです。

ケーキ自体もクルミがアクセントになっていて、とっても美味しいのですが、飛騨山椒の爽やかな香りが更にその美味しさを一段も二段も引き上げています。

この時僕は思いました。

子供の頃、鼻づまりがひどくて耳鼻科へ通っていましたが、飛騨山椒を食べれば治っていたんじゃないか、と。

 

ごちそうさまでした!

注意喚起の看板を見た時の僕の直感は間違っていませんでした。

飛騨の神様、またしてもありがとうございます!

 

ちょっとクセが強いかな、と思っていたマスターも、帰り際に「お気をつけて」と満面の笑みで見送ってくださり、印象が変わりました。

いいお店です。

でもこんなに美味しいのに、日曜日のゴールデンタイムで何故僕らしかいなかったんだろう?

なんだか不思議な印象も残った食堂カフェよつばさんでした。

 

五色ヶ原の森の奇跡からの、お昼ご飯も大当たり。

奇跡続きの飛騨旅行。

飛騨の神様、明日の最終日も奇跡をお願いします!

 

翌日、大雨。

いつもは美しい蒲田川が濁流になり、槍ヶ岳の勇姿も全く見えず。

最後に神様からカウンターパンチを受けた、5月の飛騨旅行でした。

神頼みは程々にしましょう。

 

今日の1曲:ザ・テンプターズ「神様お願い」