がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

カフェとまり木は善か悪か!?

最近になって、仕事で茨木市の山奥に行く機会が増えました。

いや、茨木市ってどこやねん、という方にご説明いたしますと・・・

大阪府茨木市

京都府亀岡市と隣接する大阪府の最北部の町の一つ。

大阪の中では比較的シュッとしていて、コッテリ度が低いと言われる北摂地域」の一角であり、急行や特急が停まる大きな町ですが、北部へ行くと景色が一変。

大阪とは思えないような田舎の風景が広がり、機嫌よくドライブをしていると突然、車では走行出来ないような林道が現れたりと、大都会とド田舎が共存する、非常にふり幅の大きい所です。

僕は田舎の風景が大好きなので、仕事で茨木の山奥へ行くのを楽しんでいるのですが、途中でいつも気になることがありました。

 

「ちょっと怪しげなカフェ」

 

が度々目に入ってきていたのです。

そもそも何故この場所でカフェを?というのも疑問なのですが、気になるのは胡散臭さをそこはかとなく漂わせながらも、ちょっとしたセンスの良さも感じさせるお店の外観。

平日で、こんな場所にも関わらず意外と車が停まっている。

 

「色物なのか、名店なのか、どっちだ?」

 

前を通る度に気になって気になってしょうがないので、遂に先日、真偽を確かめに行って来ました。

近頃は、人から教えてもらった間違いのないお店ばかりに行っていたので、この冒険する感覚は久しぶりのもので、なんだかワクワクしました。

 

お店があるのは茨木市泉原

大阪モノレールが走る「彩都」を通り過ぎ、どんどん北上します。

するとどんどん山深くなり、なかなかの峠道になるのですが、しばらく走行すると箕面方面に行く府道43号線と交差します。その信号を左折してすぐの所に、疑惑のお店がありました。

 

cafe とまり木

イタリアの国旗が掲げてあるので、一応イタリアンのお店なのかな?

ところでこの写真の中に、早くも気になる物が4つほど写っているのですが、おわかりでしょうか?

1つはわかりましたね。

でも仕事の時に気になっていたのは、もっと上の方です。

 

空き巣のようなスパイダーマン

これが道路からよく見えていて、ずっと気になっていたのでした。

カフェの雰囲気に全くそぐわない蜘蛛男。今の時点では色物確定なのですが・・・。

 

車から降りると、オーナーさんらしき人が近づいて来て、弾け切った笑顔で、

「いらっしゃいませ!どうぞ~!」と案内してくださいました。

あれ!?このホスピタリティは素晴らしいぞ。いいお店なのかな??

アトムがいなかったら入りにくい雰囲気のドアです。

遂に疑惑のカフェへ踏み込みます!

入るとまずそこには・・・

 

ホンダの名車「モンキー」2台がお出迎え。

アトムからのモンキーという展開に気持ちがついて行きません。

しかしピカピカでセンスの良いモンキーにオーナーさんのこだわりと愛情はひしひしと伝わってきます。

席はどうかな?

 

うん。なかなか居心地良さげです。

感じの良い女性の店員さんが「お好きな所へどうぞ。上にもありますよ。」と言ってくださいました。

上?

言われた方向を振り返ると、

 

うおっ!!何この階段!??

急に洞窟のような階段が出て来ました。あ、怪しい。やっぱりなんか怪しいぞ、このお店!

 

もちろん登っていきました。

 

するとそこに広がっていたのは・・・

 

ホビットの家!?

映画「ロード・オブ・ザ・リング」でこんな部屋観たぞ。

なんか凄い部屋だなあ。

とりあえずこの部屋の席にしよう。

いや誰やねん、おっさん。

そこら中にレトロで高そうなカメラが展示してあります。

先程のモンキー同様、とても綺麗な状態です。

とりあえず、オーナーさんが物を大事にし、愛情を注ぐ人だというのはわかりました。

 

あと問題は料理です。

メニューを開くと豊富な品数に驚きました。

特にデザートの種類は驚異の多さです。

ランチのコースは2種類。

ランチAはパスタかピッツァを選びます。

ランチBはパスタとピッツァ両方を楽しめる代わりに、それぞれの量は少なくなります。

初めてのお店で両方食べたいので、Bにしました。

更に豪勢にコーヒーとデザートも注文。

さあこのお店は本物なのか、パチモンなのか!?

 

最初に運ばれてきたのは、

食前の赤しそジュース

赤しそは茨木市の特産品。いきなり地元の名物で攻めてくる辺りに、いい予感がしてきました。このジュース、美味しいなあ。

 

続いては、

小鉢9種類

 

めちゃめちゃお洒落やんけ!!

 

意外だ・・・。

一番右下に怪しいものがあるが・・・。

どれも美味しい!!

一品一品、とても丁寧に作られているのがわかります。

ここはもしかして名店なのか!?

予想を覆す展開に戸惑いが隠せません。

 

続いてメインの、

パスタ

何のパスタだったか忘れてしまいました。

というのも、ちょっと他のお店では食べれないようなパスタだったからです。

とても美味しく、かなりの腕のシェフを雇われているのがわかりました。

 

マリナーラ

そしてピッツァもシンプルながら本格的。

アメリカンな「ピザ」ではなく、ちゃんとフォークで食べる「ピッツァ」の方です。

凄いぞ、カフェとまり木さん!

名店確定!!

予想を覆す本物のお店でした。

 

と、ここでBGMに「ロード・オブ・ザ・リング」のテーマ曲がかかりました(笑)。

やっぱりこの部屋はその世界観だったようです。

この後、コーヒーとデザートが運ばれてきたのですが、デザートが衝撃的でした。

デザートはお店の名前が入ったプリンを注文したのですが・・・

 

むむっ!?真ん中の白いのは・・・

とまり木プリン

うわっ!出た!食べにくいやつ!!

鳥の部分がプリンです。

下の「巣」もパリパリの麺のような物で作られており、食べれます。

鳥の目が怖い。

こういう物を食べる時、常に論争になるのが、

「ひよこ饅頭どこから先に食べるか問題」です。

僕は出来るだけ早く生き物感をなくしたいので、頭からガブッといく派です。

今日も思い切っていきました。少し固めの、美味しいプリンでした。

 

ひたすらプリンのみを食べました。

すると、鳥がいなくなった巣の中にはなんと、

親鳥が大事に守っていた卵が!

うああっっ!なんかごめーん!

鳥を食べて傷ついた心に、更に追い打ちをかける精神的ショック。

デザートを食べてこんなにも傷ついたのは初めてでした。

ちなみに卵はホワイトチョコレートです。一気に食べました。

最後に残ったスコーンのようなものには、キャラメルシロップをかけていただきます。

心に傷は負いますが、とても美味しいデザートでした。

ごちそうさまでした!

 

帰り際、トイレに行ったのですが、これまた衝撃のトイレ。

不謹慎ながら、思わず写真を撮ってしまいました。

んん!??

この水道、どうやって水を出すのか少し時間がかかりました。

ううっ、便器の横に誰かいる・・・。

 

「ちゃんと手洗えよ、兄ちゃん。」

 

独特の世界観のトイレですっきりして、カフェとまり木さんの調査は終了。

一見、統一性のない世界観ですが、これがしばらく居るとクセになってきます。

そして料理は抜群に美味しく、スタッフさんの接客もとても丁寧で、好感が持てます。

オーナーさんが好きなものを詰め込んだ、おもちゃ箱のような、それでいて本格的なカフェレストランでした。

紅茶もおすすめらしいので、今度は飲んでみよう!

 

お店を出る前に、もう一度お店の中を見回したのですが、

このブリキのおもちゃなんかも、めちゃめちゃ綺麗で新品のようでした。
それもそのはず。スタッフさんによると、オーナーさんが器用な人らしく、ボロボロの骨董品を手に入れては、ご自分で綺麗に修復してしまうのだそうです。

すげえなあ!

 

お店を出て、最初の写真で気になった4つのうち、残りの2つを眺めていました。

するとオーナーさんが再び現れ、色々と教えてくださいました。

昭和世代感涙、懐かしの「サトちゃんムーバー」

なんとこれもオーナーさん自ら修理を施し、50円を入れればちゃんと動くそうです。

そして更に凄いのがこれ。

 

新車のようにピカピカのダイハツ・ミゼット」

田んぼの中で朽ち果てていた車両をオーナーさんが引き取り、なんと2年もかけて修復。

新たにナンバープレートを取得し、オーナーさんはこれに乗って近所のカフェ巡りをしているそうです。

茨木の山奥を疾走する現役バリバリのミゼット。

かっちょええ~!

プライベート空間なので写真ではお見せ出来ませんが、この空間には所狭しと工具類が置かれていました。

気さくにいろんなお話を聞かせてくださり、またその時のキラキラとした瞳が素敵だったオーナーさん。

これはいいお店だわ!再訪決定!!

 

しかしまだ僕は、カフェとまり木さんの全てを見たわけではありません。

スタッフさんによると、このお店の中にはなんと、隠し戸があるそうです。

そしてその隠し戸を押すと、まあなんということでしょう!

 

シャンデリアのある豪華な和室

 

が出現するそうです。

わ、和室に何故シャンデリアが・・・!?

底知れぬカフェとまり木ワールド。絶対また行こう。

 

今日の1曲:Grand Funk Railroad「Heartbreaker」