夏の奥飛騨旅行2日目。
遂に念願であった奥飛騨クマ牧場へ行き、またそこが素晴らしい施設だったことで、天気の悪さを差し引いても良い旅になってきました。
しかしクマさんにエサを投げているうちに、自分のお腹が減ってきました(やらしいなあ)。
クマ牧場の余韻に浸りながら、本日のランチ処へ。
クマ牧場のすぐ近所、山あいの静かな温泉地、福地温泉へと向かいました。
福地温泉は奥飛騨温泉郷の中でも最も素朴な雰囲気のある、大好きな所。
福地の朝市で買ったりんごの美味しさは今も忘れることができません。
今日はこちらでお昼ご飯。
民宿とらや
だった所をリノベーションした、
カフェ木花木花(もっかもっか)
飛騨らしい空間で地元の食材をふんだんに使った料理がいただけます。
僕らは掘りごたつ風のカウンター席へ。
夏の飛騨盛りワンプレート
飛騨粒山椒ポーク丼、飛騨コーンの冷製スープ、奥飛騨の副菜3種、飛騨桃のゼリー、と飛騨づくしの魅惑のワンプレート。
クマさんにひたすらビスケットを食べさせておいて、自分たちはこんなにいいものを食べるなんて。
なんかごめーん!人間ってほんま嫌な生き物。
クマさんには申し訳ないけど、めちゃめちゃ美味しかったです。
ごちそうさまでした!
もう十分満足したので、この日はもう宿に帰り、ゆっくりしようかと思いましたが、欲が出てしまいました。
天気に左右されない飛騨の名所がもう一つ。
飛騨大鍾乳洞!
この日はとても暑かったので、涼しい鍾乳洞で涼を取ろうと思ったのです。
実は飛騨大鍾乳洞へ行くのは初めてではなく、約30年前、親友きんどんとバイク野宿旅行をしていた時に一度訪れていました。
その時、コンビニの駐車場で出会ったハーレー乗りのおじさんに鍾乳洞の事を聞くと、
「ああ、鍾乳洞ね。まあ・・・岩だよ。」
と教えてもらい、その後に行ったのですが、
「うん、確かに岩だった。」
という印象しか残りませんでした。20歳そこそこの若造には、鍾乳洞はまだ早かったようです。
そしてもう一つ、鍾乳洞の入り口付近に、鍾乳洞を発見した人がお金に物を言わせて買い漁った(言い方)骨董品のコレクションが展示されており、何となく「胡散臭い」というイメージが残っていました。
あれから30年の時を経て、立派な中年男性へと成長した(どこが?)今の僕なら鍾乳洞の素晴らしさが理解できるのではないか、ということで行ってきました。
丹生川町の伝説の英雄「両面宿儺(りょうめんすくな)」のパネル展が行われていました。
人気漫画「呪術廻戦」では「呪いの王」として悪のラスボスのように描かれている両面宿儺ですが、丹生川町の人々にとっては、大和朝廷の侵略から飛騨の地を守ったとされる英雄。
「誰が呪いの王やねん」と飛騨の人々は憤っていると思いますが、観光資源としては美味しいのではないでしょうか。
むむっ!?いつから恋人の聖地になったのだ?
30年前にはこんなもんなかったぞ。更に胡散臭くなってるなあ・・・。
そしてお金持ちの骨董品コレクションも相変わらずありました。
ここを通って鍾乳洞の入り口に向かうように誘導されているのも変わっていませんでした。
サーッと通り過ぎて、30年振りの鍾乳洞へ!
さあ今の僕の眼にはどう映るのでしょうか?
涼しっっ!!
それもそのはず。外気温32℃に対し、鍾乳洞の中はなんと13℃!
ここまでの気温差があるとは思いませんでした。少し寒いぐらいです。
天然のクーラー、気持ちいい!
地球が想像を絶する長い時間をかけて造った芸術作品。
以前来た時はただの岩にしか見えませんでしたが、
よく見ると多種多様な模様や形になっていて壮観です。
こんな説明書きも以前はスルーしていました。
そうか、ねじれた性格で人生を過ごしている僕はヘリクタイトだったのか。
(学名:ヘリクタイト・モーニング・ガッチ)
こういうのを見て美しいと思えるようになりました。
僕も大人になったなあ(前来た時も大人じゃなかった?)。
人間が造ろうと思っても造れる物ではありません。
地球こそが最高の芸術家です。
と、涼しい鍾乳洞を気持ちよく歩いていたら、急に「第一出口」という看板が見えてきました。
え!?もう出るの??
と思ってよく説明を見ると、ここから先は急な坂が続くので、体力に自信のない人や体調がよくない人はここから途中離脱してください、ということでした。
いや、しかし僕らはまだ体力はあるし、体調も良く、何より入場料の元を取りたいから最後まで見たい(やらしいなあ)。
しかしこの後、鍾乳洞の洗礼を受けることになります。
確かにこの先、急な坂が増えてきました。道幅も狭くなってきました。
洞窟感は増してきたので、とても楽しいです。
しかし狭い道のアップダウンを繰り返しているうちに・・・
だんだん暑くなってきました。
気温も入口付近に比べると高くなってきたような気がします。
でも凄い景色は続くので、奥へ奥へと歩みが止まりません。
この摩訶不思議な形。
高松宮殿下が「王冠」と名付けられたそうです。
僕なら「サーティーワンのダブル」と名付けていたでしょう(最悪や)。
空間は益々狭くなってきましたが、地球の芸術作品は次々に現れます。
登りは更に続きます。
と、ここで今度は「第二出口」が出て来ました。
急な坂で心が折れた人々への、ラストチャンス。
僕らもこの時点でかなり汗だくになっていましたが、もっと芸術作品を見たかったので、最後まで行くことにしました。
しかしここから、更なる急坂が待ち受けていました。
コウモリ出てくるなよー!
おお~!こりゃ凄い!ここまで来た甲斐があった。
これは何が月なのかよくわかりません。
江川卓の耳。
そして最後まで坂道は続きました。
もう後ろからは誰も来ません。
そしてええ感じに汗だくになった頃、遂に最終出口へたどり着きました。
え??
な、何故突然神社が・・・!?
「子宝神社」というそうです。
祠の中に男性器を模した石碑があり、それを撫でると子宝に恵まれるという、眉唾物の怪しさです。
う~ん。「恋人の聖地」というのはここからきてるのか。強引やな~。
鍾乳洞には感動しますが、入口前の大橋コレクションといい、この神社といい、やはり胡散臭さは健在・・・というか増していました。
最初と最後に胡散臭さを感じさせるというのはいかがなものでしょうか。
鍾乳洞だけでいいよ。
まあとにかく、飛騨大鍾乳洞踏破!
最終出口から外に出ました。
暑っっっ!!
ただでさえ急坂で汗だくになっていたところで外に放り出されるので、めちゃめちゃ暑いです。
鍾乳洞に入る前よりも暑くなっていました。
しかもだいぶ登ってきた分、降りないといけません。下まで降りるのに結構な時間がかかり、更に暑くなりました。
結論、飛騨大鍾乳洞で涼を取ろうとするのは無理です!
じゃあ、第一出口で出れば良かったのかと言うと、そんなことはありません。
後半の洞窟アドベンチャー感はなかなか他の場所では味わえませんし、地球が時間をかけて造り上げた芸術作品は全てが必見です。
そして出来ることなら、
これをチケット売り場で振りかざしましょう。
クマ牧場でVIP待遇を受けれたこのクーポン。飛騨大鍾乳洞ではなんと、
トマトジュースがもらえます!
わーいわーい!暑さが吹き飛んでいきました。
・・・20歳の頃よりも幼くなっている自分に気づいた、50歳の夏の一コマでした。
今日の1曲:Praying Mantis「Children Of The Earth」