がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

小浜の宝、中村商店の秘密

先日、お墓参りに行って来ました。

お盆休みがなかなか取れないのと、夏があまりにも暑すぎるというのを鑑み、近年は夏が終わり、涼しくなってから行くのが恒例になりつつあります。

がっち家代々のお墓があるのは福井県小浜市

このブログをいそいそと書いている「がっち」という名は世を忍ぶ仮の姿。

その正体は・・・

 

小浜国王子※、サバスッキャネン・ガッチ!

 

(※個人の思い込みです)

 

すなわち、がっち家のお墓とは王家のお墓。

今年もご先祖様への感謝と王国の繁栄を願い、小浜へ向かいました。

 

王族のくせに高速道路代をケチり、下道で向かったのですが、途中でトイレ休憩に立ち寄った京都府南丹市にある道の駅「スプリングス日吉」で気になる物を発見しました。

僕は無類の顔出しパネル好きなのですが、ここで画期的なパネルを見てしまったのです。

それはバイカーが集まることでも有名なスプリングス日吉ならではの、素晴らしい顔出しパネルでした。

前半分が切り取られたバイクとパネルの融合。

ここまで立体的な顔出しパネルは見たことがありません。

さっそくガッチ王子は王族の気品を漂わせながら顔と手を出しました。

すると近くに居たバイカーたちが、その様子を羨望の眼差しで見つめていました。

その目は「さすが王子だ!あんな恥ずかしいことを堂々とやってのけるなんて!」と語っているようでした。

旅の途中で王族としての公務をこなした僕は意気揚々と小浜国へ乗り込みました。

 

まずはお墓参りを。

浪花国で仕入れた豪華なお花を供えようとお墓へ近づくと、いつもお墓を守ってくれている衛兵が姿を現しました。

「ああ、なんや、王子か。ちゃんとお参りして行けよ。」

不思議な話なのですが、僕がお墓参りに行くと、必ずカエルさんがお墓の所で出迎えてくれるのです。

いつも何か言いたげにこちらを見ています。

お墓の守り神だと僕は思っています。

子供の頃から毎年来ているお墓参り。コロナ禍で少し空いた時もありましたが、やはり来ると気持ちが落ち着きます。

毎日美味しいものを食べれるのもご先祖様のおかげです。

いつもありがとうございます。

では、今日も美味しいものを食べに行きましょう!

 

今日向かうお食事処は、毎年恒例のお店。

小浜名物「鯖の浜焼きが最高の状態で食べれる名店中の名店、

 

「中村商店」

 

このお店にはルールがあります。

まず、2,3日より前に予約しないと入れません。

そして「お店に到着する30分前に電話する」というルールがあります。

この2つには理由があるのですが、それは後ほど。

 

電話してから少し時間があるので、ご意見番の居る道の駅へ。

道の駅 若狭おばま

来る度に進化を続けている道の駅。

今年も明らかに置いているお土産の種類が増えていました。

「まいど王子!まあ鯖でも食っていけや。」

御意見番「さばトラななちゃん」との再会を果たしてから、中村商店へと向かいました。

電話してからぴったり30分後に到着。

 

中村商店

観光客はまず寄り付かないであろう静かな住宅街にある鮮魚店

まさかこの中で鯖の浜焼きを食べれるなんて、誰も思わないでしょう。

写真に写っているのは中村ご夫妻です。

では、中へ。

 

変らんなあ。

鮮魚店丸出しのワイルド空間。

左の作業台のような机でお食事です。これが何故か落ち着くんですよね~。

そしてさっそく、鯖の浜焼き選手の入場です!

 

でかっっ!!

ご主人いわく「今年のはデカいで。」

確かにいつも以上の迫力を感じます。

 

鯖の浜焼き定食

このお店でいただけるメニューはこれ一択。

今日も脂の乗りまくった巨大な鯖を1匹丸ごと食しました。

時間をかけてじっくりと焼いてあるので、小さな骨を食べられるのは勿論ですが、勢い余って真ん中のゴツイ骨まで食べてしまいました。

この骨は貴重な標本として「王立サバスッキャネン博物館」に寄贈したいと思います。

ごちそうさまでした!

 

しかしいつも不思議に思っていたのですが、これだけ大きい鯖を1匹丸ごと食べたのに、全く胃もたれがしません。

全然大食いではない妻も、いつも普通に完食しています。

実はこれにはある秘密が隠されていたのです。

ご主人によると、前日に丁寧に「血抜き」をしているそうです。

それから一晩寝かせた後、じっくりと焼き上げることで、いつまででも食べていられる極上の鯖の浜焼きが完成するのだそうです。

だから2,3日前には予約をする必要があり、最高の状態で食べる為に30分前に連絡をする必要があったのです。

この日も飛び込みでやって来た観光客が断られていました。

 

少しハードルの高いお店ですが、ルールを理解し、手順を踏めば世界最高の鯖料理をいただくことが出来ます。

手間暇のかけられた逸品はやはり違います。

若狭名物の「箸」を持ち帰り出来るのも嬉しいポイント。

1年使っても全然傷まないので、毎年増える一方です。

食後、いつものように中村ご夫妻と談笑してから、次のルーティーンへと向かいました。

巨大な鯖を食べると、体が自然と甘い物を求めてきます。

中村商店を出て車で5分。

老舗和菓子店に到着!

伊勢屋

王子が幼少の頃から、お墓参りの後には必ず寄っている和菓子の名店。

ある意味「王室御用達」のお店です(個人の思い込みです)。

夏場はこの辺りの名水で冷やされた「くずまんじゅう」が名物ですが、秋~冬にかけては、「丁稚羊羹」が名物。

売り場に併設された素敵すぎるイートインスペースでいただきます。

王子が食事中だということで、誰も来ませんでした(個人の思い込みです)。

 

丁稚羊羹とほうじ茶のセット

見てくださいこの肌つやを。美肌にも程があります。

甘さ加減が絶妙な逸品。鯖の後に食べるのが若狭通の食べ方です。

名水ある所に和菓子の名店あり。

また来年も来るぞ!ごちそうさまでした!

 

小浜国の王子として王家のお墓参りをし、国宝級の名物店を巡る公務をこなし、満足気に大阪へ帰って行ったサバスッキャネン王子。

しかしこの日、王子は大きな失態を犯していました。

 

線香とロウソクを忘れていたのです。

 

アホー。何しに行ったんじゃー!

 

今日の1曲:John Denver「故郷へかえりたい」