がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

聖地「マドラス」巡礼紀行

「好きな食べ物を3つ挙げないと、逮捕するぞ!」

こんな状況に追い込まれたら、皆さんなら何と答えますか?僕ならそうですね~。悩ましいですね。

「3つしか選べないのなら、いっそのこと逮捕してくれ」

とでも言ってしまいそうです。しかし実際に逮捕されたら、自由に好きな物を食べれなくなりますよね。じゃあやっぱり必死に絞り込んで、断腸の思いで3つ挙げてやりましょう。

パンラーメン、そしてカレーライスだ。これで満足か?じゃあ、さっさと僕を解放したまえ。」

これで何とか危機を乗り越えたのでした。

いや、どんな状況やねんそれ!

ということで今回は、僕にとっての「カレーの聖地」へ巡礼して参りました。

一口にカレー、と言っても、最近は色々な種類のカレーがあります。ここ大阪では「スパイスカレー」と呼ばれる、目にも鮮やかな見た目のカレーが一大ブームになっており、凄まじい数のお店がしのぎを削っています。確かに美味しいですし、インスタ映えもするでしょう。でも僕が一番好きなのは、「普通のカレーライス」です。こちらもまた、ハイレベルなお店が乱立していますが、その中で最高峰だと僕が決めつけているのが、大阪・日本橋にあるマドラスさん。お弟子さんに暖簾分けされたお店が大阪市内に何軒かありますが、こちらが総本山です。

f:id:gatthi:20200718144656j:plainうーん、この店構え!カレー以外のものを食べれる気がしません。

その通り。下の写真が全てのメニューです。

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カレー(小・中・大)のみ。あとはトッピング。

以前は店先に「カレー」と書かれた巨大な看板が出ていたのですが、今日はありませんでした。ちょっと寂しい。

11時開店で11時2分に着きました。以前はこの時間だとまだ余裕があったのですが、今日は入ってビックリ。残り1席!カウンター15席のみの小さなお店ですが、それでもこの時間で満席になるなんて。

着席と同時にすかさず「中」と一言。

漢字一文字で注文完了!こんな事あります?

そして一番最後に入店したにも関わらず、真っ先に僕の「中」が運ばれてきました。気まず~い。他のお客さんは色々とトッピングを注文していたんでしょう。トッピングなしなら吉野家の牛丼よりも早く出てきますよ。

でも僕がトッピングをしないのは、それだけが理由ではありません。以前お店へ訪問した時に、マスターにとある質問をしました。「結局のところ、どのトッピングが一番合いますか?」

するとマスターから「う~ん・・・」とかなり悩んだ後に小声で、

「本当は、何もトッピングしないのがええよ。それが一番ベスト。」というご返答がありました。

僕はこれを聞いた時、このマスターは信用できる!と思いました。本当はお店としては、じゃんじゃんトッピングしてもらった方が売り上げが増えるのでいいはずです。でもその一方、マスターはご自分の作るカレーに対して並々ならぬこだわりをお持ちです。売り上げのことは置いといて、本当は余計なものを入れてほしくないんだ!という熱い気持ちを正直におっしゃって下さいました。間違いなくノーマルの状態がベストなんでしょう。だから僕はこのお店ではトッピングは追加しません。

それでは、何で最後に来たお前が先に食べるんや!という殺気立った視線を感じながら、いただきましょう。

と、その前にこちらのお店のサイズについての注意事項をお伝えしておきます。

僕が注文した「中」ですが、普通のお店の「大」よりも少し多いぐらいの量です。こちらでの「大」は、その「中」のさらに2倍ぐらいの量です。それを知らない男子がいつもの感じで「大」と注文すると、マスターから「うちの大はヤバいよ」と警告が入ります。

ちなみに「小」でも他のお店の「中」ぐらいはあります。ですので少食の方にはちょっと辛いかもしれません。今日も隣のご婦人が運ばれてきた「小」を見てのけぞっていました。

それでは、今度こそいただきます!

見た目は超シンプルです。カレーの中に肉がちらりと見えているだけです。しかしええ匂い!しばらく匂いだけで過ごしたいぐらいです。

一口食べます。最初は甘いのですが、後でじわーっと辛いのがくるやつです。

美味しい!美味し過ぎる!!

このシンプルな見た目の中に、一体何が入っているんだろう?先ほど「普通のカレーライス」と言いましたが、この美味さは普通ではありません。異常です。

お店のホームページによると、「30種類のスパイスと4種類のフルーツを1週間かけてじっくり煮込み・・・」と書いてありました。すげえっ!こりゃ家では作れないわ。

俳優の北村一輝さんが俳優になる前からこのお店の常連で、好き過ぎて昨年、東京に「大阪マドラスカレー赤坂店」を出店したという常軌を逸した情報を耳にしましたが、食べるとその気持ち、すごくわかりますよ。

いや~やっぱり間違いなくNo.1カレーです!ごちそうさまでした!

f:id:gatthi:20200718144633j:plainまた来てくれよな、保安官。 

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ああ、必ずまた来るよ。メアリーにもよろしく言っといてくれ。

誰?

この後、カロリー消費の為に付近を散歩しました。その途中に黒門市場があるので通り抜けました。

f:id:gatthi:20200718144408j:plain黒門市場といえば、鮮魚店をメインに果物店や飲食店、衣料品店などが軒を連ね、活発な大阪弁が飛び交う、非常に大阪らしい場所でした。それが近年、インバウンドの方々が押し寄せた結果、「大阪にいながら海外旅行気分が味わえる場所」に変わってしまいました。常に満員電車状態の中で色々な外国語が飛び交い、お店の方もそれに英語で対応するので、歩いていても全く日本語が聞こえてこないという異常事態でした。

しかし新型コロナ緊急事態宣言以降、状況が一変します。外国人の方は姿を消し、日本人は最近の「完全にインバウンドの方にしか目を向けていない」黒門市場の雰囲気を嫌がり、避けていたこともあり、あれだけ活況を極めていた市場が閑散とした状態になってしまいました。たくさんのお店がシャッターを閉めたと聞きます。

そんな寂しい風景を想像していたのですが・・・

f:id:gatthi:20200718144426j:plain日本人のお客さんで結構にぎわっていました!

お店の方とお客さんによる人情味あふれる大阪弁の応酬も復活しており、なんかホッとしました。インバウンドの方で埋まっていた頃に比べると、売り上げは激減したのでしょうが、僕にはこの風景が本来の姿のように感じました。これが浪速の台所、黒門市場やで!頑張りましょうね。

魚たちも機嫌よく空中を泳いでいました。

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f:id:gatthi:20200718144310j:plain伊勢エビは裏から見るとグロいですね。

f:id:gatthi:20200718144254j:plainこの自販機なんか気になる~。

このまま梅田まで歩こうかと思っていたのですが、あまりの高い湿度に断念。無理や~。暑い!もう帰る。

脱水状態で帰宅後は、冷え冷えアイスターイム!

f:id:gatthi:20200724101327j:plain今日の一品:セイカ食品「南国白くまDX」

夏と言えば、白くま無しでは乗り切れません。いつもは福岡の丸永製菓さんの白くまシリーズをひいきにしていますが、今日は白くま発祥の地、鹿児島のセイカ食品さんの物をいただきました。「ボンタンアメ」で有名な会社ですね。

ちなみに「白くま」とは練乳のたっぷり入った氷の上に、鮮やかなフルーツがトッピングしてある、まさに白熊が見れば狂喜乱舞するであろうアイスです。そして僕も熊のように狂喜乱舞しながらいただいております。

セイカ食品さんの白くまは今回初めていただきましたが、上のフルーツがなくなれば後は練乳氷だけか、と思わせておいての底からイチゴジャムが登場するという、嬉しいどんでん返しが待っていました。

f:id:gatthi:20200724101312j:plain鹿児島ならではの、西郷どん桜島のイラストも素敵です。ワンちゃんもいますね。

いつか本場の鹿児島で、発祥のお店「天文館むじゃき」さんで本場の白くまを食べてみたいです。

f:id:gatthi:20200718144506j:plain体がクールダウンされると、またマドラスカレーが食べたくなってきました。

このやみつき度、危険ですな~!さすが聖地。定期的に巡礼しましょう。

今日の1曲:Emerson, Lake & Palmer「聖地エルサレム