(2月のブログ「芋をもって鬼を滅す」の続き)
大量の大学芋を肴に「鬼滅の刃」を読み終えたがっち芋治郎。その達成感と共にやって来たのは、新たなる野望でした。果てしないもの、それが欲望。大学芋を買おうと並んでいた時、横目で見てしまった華麗なるイートインの世界。ちらりと見えた豪華な芋のフルコースがまぶたに焼き付いてしまい、芋の呼吸を更に高めたいという気持ちが抑えきれなくなっていました。
「今度はイートインに全集中だ!」
いつもはなかなか乗れない流行の波に少しだけ乗れたことで、この言葉を喜々として使う芋治郎でしたが、世間では早くも「全集中」と言う人が少なくなってきている事に気づいてはいないようでした。時の流れは早い。流行が終わるのも早い。いつまでも流行に乗れていると思うなよ、芋治郎。
そんな周囲の心配を気にも留めず、芋治郎は大阪府茨木市、真砂へと向かいました。
氷とお芋の専門店「らんらん」
芋治郎、再びこの地へ見参!今日は用意周到に席を予約するという力の入りようです。というか、こちらのイートインは予約なしでは実質ムリです。ただでさえ少ない席数に予約が殺到しているので、当日の飛び込みでは奇跡が起こらない限り厳しいでしょう。ホームページから簡単に予約ができますよ。
芋掘隊、いざ討ち入り!
前回テイクアウトの列から羨望のまなざしを向けていた席に座れて、食べる前から満足している芋治郎でした。でもそんなことではいけない。芋柱としての実力を存分に発揮し、華麗なる注文をしました。
芋の呼吸、肆の型「全部芋芋」!
食べ尽くしプレート
視界に入るもの全てが「芋」。どこから食べても「芋」。芋好きの為のフルコースです。こないだテイクアウトした蜜ぽてと、飴ぽてとを初め、スイートポテト、おいもチップス、ミニ安納芋ソフト、蒸し芋、と人生の中でこれだけ連続して芋を食べることはまずないでしょう。これを食後のデザートとして食べに来るのは愚の骨頂です。ご飯を抜いてこれだけの為に来ましょうね。
通常の人間であればこれだけ食べれば十分満足したでしょう。しかしそこは芋柱、更に追加で呼吸を発動しました。
芋の呼吸、伍ノ型「旨芋林檎」!
お芋とリンゴのタルト
まだこんなもん食べるか。という周囲及び店員さんの視線をものともせず、追加注文。「週末数量限定」という心理的な攻撃に屈しました。しかし結果的には大正解。めちゃ美味しかったです。もともと「らぽっぽ」さんの「ポテトアップルパイ」が大好きなので、気に入らないはずがありません。
これだけ芋を食べれば、一般家庭で使用する1年分ぐらいの天然ガスが体内から出て来そうです。大阪ガスさん、買い取って下さい。
ごちそうさまでした!特に蒸し芋の美味しさは半端なかったです。
「これでもう私の使命は終わった。」芋治郎は感慨深げにつぶやきました。
しかし果てしないもの、それが食欲。
今度はコンビニ菓子的なものが食べたくなってきたところへ、
ある日、芋治郎は世にも奇妙な2体の雷神様に出会いました。
「柿の種サンダー」 あまから雷神~ナイスおつまミドル!
まず1体目。これはまあ・・・ユーラク屋ならやりそうですね。そして味の方も想像がつきます。食べてみると、寸分狂わず想像通りでした。「芋けんぴサンダー」と同じく、柿の種という自己主張の塊がサンダーとぶつかり、一体感に欠けています。リピートはなしです。しかしユーラク屋のチャレンジ精神というか、いたずら心には頭が下がります。僕らが戸惑っているのを楽しんでいるかのようです。
問題はもう1体の方でした。
「コーンポタージュサンダー」 サクサク雷神~安心してください、おいしいですョ!
安心できるかっ!こんなもん。
これは想像が難しいぞ。チョコがコーンポタージュの味をしているのか、クランチの部分がポタージュ味なのか、どちらかでしょう。しかしどちらにせよ、チョコとコーンポタージュを同時になんて食べたことがありません。とりあえず食べてみましょうか。
「待て芋治郎!不用意に食べるでない!」
えっ!?誰?
あ、桜井先輩!今日は素敵な被り物をお召しで。
「柴犬のうめちゃんから借りてきたんや。ダンデーやろ?」
はあ、ちょっとサイズが大きい気もしますが、それなりにお似合いです。
「そのサンダー、ちゃんと調べてから食べんと、いきなりかじったらショック受けるで。袋から出して、よう観察してみい。」
わかりました。出してみましょう。
先生、普通のブラックサンダーのように見えますが。
「切ってみい。」
切るんですか?
「切って断面を観察したら何となく味が想像できるやろ。戦う前に相手を知ることがどれだけ重要か、芋柱のお前やったらわかるやろ。」
わかりました。
先生、切っても普通のブラックサンダーです。
「・・・・・・・・・・。」
「ほな、帰るわ。」
ええっ!?
何しに来たんや、おっさん。
もうよかろう。食べてしまえ!
むむっ!?この味は・・・・・。
とんがりコーンをチョコでコーティングしたような味がしました。
ポタージュ味のクランチをサンダーチョコが包んでいました。確かに不味くはないのですが、積極的にこれを買うかといえば、買いません。
おのれユーラク屋、このままではすまさんぞ!
2体共に不完全燃焼で終わり、復讐を誓った芋治郎。すぐさま行動に移しました。
芋の呼吸、陸の型「箱買雷神」!
「ブラックサンダー至福のバター」 本格雷神~発酵バターにおぼれたい
だれもが認める最高傑作、ついに夢の箱買い!これが大人の力だ、子供たちよ。コンビニの予備棚からこれを強引に取り出し、レジへ持って行った時の店員さんの困惑した表情が忘れられません。やっぱりこれが群を抜いて美味しい!
しばらくの間おぼれさせていただきます。
「もはや芋は関係ないな。」
至福の波におぼれながらつぶやく芋治郎であった。
今日の1曲:Led Zeppelin「幻惑されて」