がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

神モーニングとジャズ喫茶、墨俣の桜を添えて(後編)

(前回の続き)

 

羽島市で遂に伝説のモーニングを経験し、モグリから脱却したがっち支部長。

 

ご機嫌な中、2週続けて岐阜の桜を愛でるという野望を抱き、大垣市墨俣城へとやって来ました。

広大な河川敷の駐車場へ車を停め、さっそく堤防の上へと登っていきました。

するとそこには息をのむ光景が広がっていました。

 

おおっ!こ、これは・・・!?

 

「お待たせしました。ご注文をどうぞ。」

 

「うーん、そうだなあ。桜と新緑のハーフ&ハーフでお願いします。」

 

「かしこまりました。ハーフ&ハーフですね。どうぞ。」

 

見事なハーフ&ハーフだ!

(何故素直に葉桜だったと言わない)

 

墨俣のハーフ&ハーフは一味違う。

 

どこまでも続くかのような圧巻の葉桜(あっ、認めた!)。

 

葉桜をまとった墨俣城は何とも言えない哀愁が漂っていました。

 

城の最上階から臨む葉桜もまた風流なり(も、もうやめてくれ)。

 

花見のピークはもう完全に過ぎていました。

しかし桜が咲いていようがなかろうが、この一帯の居心地の良さは同じです。

とても気持ちの良い春の風が吹き抜ける、極上の空間でした。

やっぱり来て良かった!

墨俣城

1566年、木下藤吉郎(のちの豊臣秀吉)が一夜にして築き、織田信長の美濃攻略に大きく貢献したことで出世の足がかりになったという有名な城。

しかし実際には一夜で建てられた訳ではなく、完成した日の朝に突然城が出現したように見えたことから、「墨俣一夜城」と呼ばれたという説が有力なのだとか。

どちらにせよ、極端に短い工期で建てられたのは間違いなく、自分が城を発注した立場なら、ちょっと嫌やな~と思いました。

絶対に壁紙とかずれてますよ。

現在の墨俣城は再建された鉄筋コンクリート造で、中が資料館になっている大阪城スタイルです。

すぐ傍の「さい川さくら公園」と共に、見事な桜の名所として美濃人の憩いの場になっています。

この日は見事にでしたが・・・。

 

あまりの気持ち良さにゆっくりしていると、お昼ご飯の時間になりました。

実は墨俣城のすぐ近くに、以前よりマーキングしていたお店があったので、向かいました。

 

堤防から住宅街の方へ降りてすぐ、

香笛 世界長

香笛 世界長(かふぇ せかいちょう)と読みます。

強引に全てを漢字で表記する、いわゆる「暴走族文字変換システム」を採用しています。

ところで世界長ってどういう意味なんでしょうか?

「がっち会長」みたいなもんかな?(絶対違う)

お酒の名前で見たことはありますね。

 

こちらのお店は普通の喫茶店ではなく、「ジャズ喫茶」です。

入口にお店のルールが明記してあります。

ゆっくりとジャズを聴きながら飲食をする所なので、小さなお子様は入店出来なかったり、大声で話してはいけなかったりと、色々制約がありますが、入店する前にルールをはっきりと提示しているのはとても良いことです。

そのおかげでルールに賛同できる人しか入って来ないので、お店のコンセプトが損なわれることなく、知らない人が途中で注意されたりすることもなく、お互いに嫌な思いをすることがありません。

 

では、全身にジャジーな雰囲気を漂わせながら(どこが?)、がっち支部長入店!

 

ガチャ。・・・ガチャガチャ。

 

鍵閉まっとる!

 

また臨時休業の憂き目にあったのか、と思った瞬間、お店の中から、

「ごめんなさーい!鍵開けるの忘れてました!」という女性の声がしました。

こちらのお店は、9時~11時までがモーニング営業。

11時から1時間の休憩時間を挟んで12時から営業再開するのですが、僕があまりにも12時ピッタリにドアを開けようとしたので、まだ鍵が開いていなかったのです。

開いてからも何度も「ごめんなさいね~」と仰られていましたが、こちらこそごめんなさい!

以前から来たかったお店だったので、気持ちが前へ前へと出てしまいました。

 

お店の中へ足を踏み入れると、そこは正に大人の隠れ家。

カウンターの向こうには大量のLPレコード。

そして高そうなスピーカーからは、かなり大きな音量でJAZZがかかっています。

めちゃめちゃいい音です。目の前で演奏しているかのようです。

最高やんけ!

非常に落ち着きのある、センスの良いシックな空間。

 

僕らは窓際の明るい席へ。

 

これを直訳すると、「大阪のおばちゃん入店禁止」という意味になります。

 

では、注文に入ります。

ご夫婦で営まれているお店のようですが、奥様の接客がとにかく見事でした。

こんなにも感じが良く、丁寧な接客をする喫茶店は見たことがありません。

その奥様いわく、こちらのランチメニューは、とても量が多いのだそうです。

その為、ハーフサイズも用意されており、その際レギュラーサイズと同じ値段でサラダとスープを付けたりも出来るそうです。

その説明も、非常にわかりやすく、とにかく丁寧でした。素晴らしい!

 

妻はハーフサイズに、僕はレギュラーサイズにしました。

色々なメニューがありましたが、僕は「オムライス」を注文。

おかわり用の水が巨大なサーバーに入っています。

これからの暑い季節、これはありがたいですね。

左のお洒落な冊子がメニュー表です。ジャジーやな~。

 

食事が出てくるのを待っている間に、次々とお客さんが入って来ました。

皆さん、音楽に浸りながら小声で会話をしています。

常連っぽい人はやはりカウンターへ。

 

そしてオムライスがやって来ました。

 

デカっっ!!

なるほど。少食の人は無理だわ。ハーフサイズ絶対必要。僕にはちょうど良さそうですが。

一体、卵を何個使っているのでしょうか?

この日はモーニングで茶碗蒸しとゆで卵を食べているので、卵過剰摂取です。

でもそんなの関係ねえ。

当然ながら米一粒も残しません。

中のチキンライスも美味しくて、大満足の一品でした。

 

食後は心地よいジャズを聴きながらのアイス珈琲。

ここには「冷コーちょうだい!」と言いながら大声で喋る人はいません。

落ち着くな~。

珈琲には華やかなデザートが付いています。

ひたすらジャジーな時間が流れて行きました。

 

ごちそうさまでした!

音楽好きにはたまらない、とても素敵なお店でした。

モーニングも充実しているそうなので、また訪れたいですね。

近所にこんなお店が欲しいなあ!

 

これにて、今年最後の花見を終えました。

いつの日か、桜満開の墨俣城を観てみたいもんです。

 

帰りはしばらく一般道を走行し、関ヶ原ICから高速に乗って帰路につきました。

何故か?

 

「その途中に池田町があるから」

 

最近ハマっている揖斐郡池田町

市長がセクハラを繰り返していたという情けない理由で、思わぬところで全国的に知名度が上がってしまった池田町。

しかし僕は池田町に、知名度よりも「あがっている」物があることを知っていました。

これです。

伊吹堂

人気和菓子店で何故か売られている「あげぱん」

しかもただ人気なだけではなく、池田町が認定する特産品にも選ばれています。

本日のお土産(自分への)はこれに決定です。

従来のコッペパン型ではなく、三角形のあげぱん。

自家製のつぶあんがたっぷり入った逸品です。

夜のおやつに食べようと思っていたのですが、お昼に食べた巨大なオムライスが異様に腹持ちがよく、

 

あげぱんが本日のディナーになりました。

 

ジャジーな展開やな~。

 

今日の1曲:Joe Pass「哀愁の花」