2024年の正月。
大阪に、あの男が帰郷しました。
我が親友にして孤高のふりかけ職人、ライターの炎を自らのおならで増幅させるという特技を持つ男。
毎度おなじみ、ちーちゃんです。
ちーちゃんが大阪へ帰った時、必ず行ういくつかのルーティーンの中に、
「がっちの愛車・白影号の屋根を開ける」
という項目があるらしく、今回も確実にそれを実行すべく、正月明けのある日に2人でお出かけをしました。
でも今回はいつもの池田市の焦げた餃子を食べに行くのではなく、船舶免許を持つちーちゃんが船を借りて大阪湾へ繰り出す、という壮大な計画でした。
僕は船酔いをするのでちょっとビビっていたのですが、関西空港へ渡る橋を船で下から見上げる、という稀有な体験が出来るというので、とても楽しみにしていました。
しかし前日、海上の風があまりにも強く吹いており、船がキャンセルになってしまいました。
残念ですが、大自然には逆らえません。
予定はなくなりましたが、とりあえず会うことにしました。
予定もないのに朝8時に堺市のローソンで合流し、2人共に海気分だったので、海の方へと向かいました。
堺市は山もあれば海もあり、それでいてまあまあ都会という、とても暮らしやすい所。
僕は20代前半の頃、堺で一人暮らしをしていました。
当時活動していたバンド「AFFECTION」のベーシスト、たけりんが堺在住だったので、その近所に居を構えていたのです。
その時は周りの人々にも恵まれ、僕にとっての堺は「第2の故郷」。
もう30年近く経つのに、今でも堺に対しては特別な思いがあります。
当時、ちーちゃんも堺に何度か遊びに来てくれました。
その時に、よく堺の海辺へとバイクを走らせ、2人でボーッとしていたのです。
今日は久しぶりに、その海辺へと繰り出すことにしました。
到着しましたが、しばらく来ない間に金網が張られていて、中へ入れなくなっていました。
あれれ??ここじゃなかったのかなあ・・・。
うーん、でもこの並んでいる車の人々は一体どこへ行ってるんだろうか!?
と周辺をウロウロしていると、不審なものが目に留まりました。
おい。
誰や勝手にこんなもん作って・・・。
これを登って中へ入れとでも言うのか。めちゃめちゃ怪しいです。
こらー!!
そこのケツ大きめのふりかけ職人、降りなさい!
・・・と言いつつ、
僕も侵入しました。
逆側もしっかりと足場が作られていました。
しかし横のベビーカーは一体・・・!?カオスです。
ま、まあとにかく、
海へ出ました!
うーん気持ちいいー!めちゃめちゃ寒いけど。
船がキャンセルになったのも頷ける、凄い風が吹いていました。
30年前の記憶が一気にフラッシュバックします。
あれから色々ありましたが、こうしてまた2人で同じ所で、同じようにテトラポットと海を眺めながらボーッと出来るというのは、とてもありがたい事だと感じました。
かけがえのないひと時。
とても良い時間が流れていきました。
ただ一つ、寒すぎることを除いては。
巨大な冷蔵庫の中で冷風を浴び続けたようなひと時を過ごし、体が芯から冷えた状態で車に戻った僕たちは、
車の屋根を開けました。
アホや~!!寒っっ!!
昨年の夏、酷暑の中でオープン走行して以来の屋根開け。
今回は極寒の中でのオープンです。
運転はコペン大好きなちーちゃんに任せましょう。
怪しい・・・。何か変なサングラスをしているぞ。
「駄目よ、そっちを見たら!」
通りがかりのお母さんの叫び声が聞こえてきそうです。
新世界で500円で売っているという大阪弁サングラス。
こんなものが妙に似合ってしまうちーちゃんに底知れぬ恐怖を感じました。
では、震えながらのオープンドライブ開幕!アホ~。
しかしこれが意外にも快適。
シートヒーターと暖房をつけると、頭ひんやり、体ぽかぽかでお風呂に入っているかのようです。
まさに走る露天風呂。
冬にオープンカーで走っている人を見てドMやな~と蔑んでいましたが、こういうことだったんですね。
そして、オープンカーならではの景色を見ることもできました。
もともと今日は船から関空連絡橋を見上げる予定だったので、その代わりに
絶景やな~(どこが?)。
海沿いを北上し、もう一つの思い出の場所へと向かいました。
堺に住んでいた20代前半、お金が無かった頃にとてもお世話になったお店。
U・K ワイルドキャッツ 堺大浜店
良かったー!潰れてなくて。
昔は夜に来ていたのでネオンギラギラなイメージでしたが、昼は全然印象が違います。
でも紛うことなきUKです。懐かしいー!
そうそう、あの頃はこんな感じのバイクで来てたなあ。
当時は24時間営業でしたが、今は8時~24時までの営業になってました。
「安くて量が多い」アメリカンフードを提供する、貧乏な若者にとってはとてもありがたい存在でしたが、今もそうなのかな?
30年の時を経て、遂に50代に突入したおっさんが普通に若者向けのパワーフードを食べることが出来るのか?
どうしても検証したかったのです。
30年振りの入店!嬉しいー!
変ってないな~。外観同様にガチャガチャとした店内。
でもこれが不思議と落ち着くんです。
テーブルもこんな感じです。
そこら中にアメ車のミニカーが飾られており、おもちゃ部屋で食事をしている気分になれます。
嬉しかったのが、メニュー表。
説明文がやたらと長い、30年前と変わらないメニュー表。
僕はいつも「ジャンバラヤ」と「フジヤマライス」を交互に注文していたのですが、まだあるのかな?
あった!ジャンバラヤ!
フジヤマライスもありました。我が青春の味。
ただ、30年の時を感じたのが、値段がかなり上がっていたこと。
もう1000円以内でたらふく食べれるお店ではないようです。
こればっかりは仕方ないですね。
読んでるだけで楽しいメニュー表。
僕がジャンバラヤを注文するようになったのも、このメニュー表の説明文がきっかけでした。
「ジョン・ウェインやウィリー・ネルソンも大好き」という一文。
敬愛する西部劇の大スター、ジョン・ウェインが好きだという、ただそれだけの理由で注文を繰り返していたのです。
今日ももちろんジャンバラヤを注文!
ちーちゃんは「フジヤマライス」。
そして久々の、
これこれー!一目でわかる超ハイカロリー。
デミグラスっぽいソースに大量のチーズ。
中には大量のポーク&ビーンズにイカ、ソーセージ、そしてレタスのシャキシャキ感が良いアクセントになっています。
見た目に反して意外と野菜が入っているのがお気に入りポイントです。
しかし50歳になった今、こんな物を食べれるのでしょうか?
ところが食べ始めると、懐かしさも相まって、凄い吸引力で食べ進んでいきました。
そして終盤、いつもジャンバラヤを食べる時に楽しみにしていたイベント。
いきなり巨大なソーセージがズルズルッと登場するはずだったのですが・・・。
短っっ!!
あ、あれ!?何この普通のソーセージ??
うーん、これは残念すぎる!やはり時代は変っているようです。
値段が上がっている上に内容も貧弱になっていました。
普通に完食しました。
ごちそうさまでした。
しかしこれでは、30年前との食欲の比較が出来ません。
再び海へ出て風に吹かれた後、
もう一軒。
このコッテリとしたラーメンを普通に食べることで、まだまだいけることを確認しました。
今年も美味しいものいっぱい食べるぞー!花の50代。
しかしさすがに濃い~食事を連発したことでそれなりのダメージを受けたおっさん2匹。
締めのカフェ休憩へ。
桜珈琲 泉北店
大阪南部でブイブイいわしている桜珈琲。
この泉北店には敷地内にチョコレート専門店やパン屋、セントラルキッチンなどもあり、一大テーマパークの様相を呈しています。
そして何よりここでは我が親友、たけりんが勤務しているのです。
仕事中のたけりんを無理やり呼び出してもらい、久しぶりの再会を果たしました。
ちーちゃんとたけりんは僕の結婚式やライブの時に少し面識がある程度なのですが、なんと桜珈琲の社長さんとちーちゃんの奥様が友達だという事実が発覚。
人ってどこで繋がっているのかわからないもんです。
桜珈琲はとても良いお店なので、大阪府南部へお越しの方は是非行ってみて下さいね。
中庭に本物の桜が植えられており、桜の季節には店内で花見をしながら美味しい珈琲を飲めますよ。
もしかしたらたけりんが作ったのかもしれない、可愛いケーキをお土産に購入し、今日のドライブは幕を閉じました。
今年に入ってあまりいいことがありませんでしたが、親友2人と会えて、とても良い一日を過ごすことが出来ました。
50代の始まりの年、これから良い一年になることを祈り、解散しました。
翌日、ちーちゃんは北海道へと帰って行きました。
変な物を僕の車に置き忘れたまま。
忘れてるでー、とLINEを送ると、「あげるわ」と返信が来ました。
いや、これは君にしか似合わない。
また大阪へ戻って来る日を白影号と待ってるよ!
友との思い出こそ、我が財産。
今日の1曲:Hank Williams「Jambalaya(On The Bayou)」