今年の花見を岐阜県の静かな名所で満喫し、「桜」という年に一度のビッグイベントは幕を閉じました。
と思っていました。
しかし人間の「欲」というのは果てしないもの。
僕の中にも、ある「欲」が生まれてきました。
今年の桜はとても我慢強く、長い間咲き誇っています。
「もう1回、花見が出来るのでは・・・?」
満開になってから1週間。普通に考えれば既に散っている筈ですが、今年の桜の忍耐力を考えれば、ひょっとするとまだ咲いているんじゃないか、という欲が出て来たのです。
今年の花見スポットをどこにするか、実は前回の記事でお伝えしました池田町の他に、もう1カ所どっちにするか最後まで悩んでいた所がありました。
池田町と同じ岐阜県、大垣市にある「墨俣城」(すのまたじょう)です。
いつも見ているブログで、墨俣城が満開になっている写真を見て、居ても立っても居られなくなり、今年の桜の強さに賭けてみようと思ったのでした。
そうと決まれば、早朝ロケットスタート!
もう花見のピークを過ぎて静まり返る大阪を出発し、2週連続で岐阜県へと向かいました。
あ、あれ!?大垣インターは過ぎましたけど・・・。
墨俣城へ行くのは「安八スマートIC」で降りるのがベストですが、それも過ぎています。
しかしこの謎の行動にはちゃんとした理由があったのです。
皆さま、私がっちは本日、遂に「モグリ」から卒業しました。
「岐阜モーニング協会 大阪支部長」という立派な肩書きを自分で勝手に名乗っておきながら、僕は未だに「ここへ行かずして岐阜モーニングは語れない」と言われている伝説的な喫茶店へ行ってなかったのです。
いや、正確には一度行ったのですが、臨時休業の日に行ってしまうという憂き目にあっていたのでした。
今回、せっかく大垣市へ行くのなら、隣の羽島市まで行ってこのお店へ向かうというのは実に自然な流れだったのです。
羽島市といえば、日本一のモーニング王国岐阜の中にあっても、個性的なクセの強いお店が群雄割拠する「変態モーニング」の聖地。
その中で頂点に君臨するという噂なのが本日向かったお店。
今日こそは、という強い思いを抱いて羽島で降りた僕を迎えてくれたのは、岐阜県で「開いているお店の証し」であるクルクルが回っている、感動的な光景でした。
ついに、ついにモグリを卒業する日がやって来ました!
喫茶 花水木
やったー!念願の花水木だあっ!さすが名店!既に満車だあっ!
・・・。
しかし周りを観察すると、うまく路駐している車が数台あったので、僕もその車列に並んで停めました。
今日は開いてるぞ~!
入店!からの・・・
満席!
うーんさすが人気店!まだ開店直後ですが、岐阜の人々のモーニングに対する意識の高さを感じました。
お店の方が「相席ならいけますよ~」と言って下さり、お客さんも「ここいいよ~」と言って下さったのですが、なんか申し訳ないので、外で待つことにしました。
いきなり岐阜の人の優しさに触れ、ほっこりとした気分で席が空くのを待ちました。
この日はとてもいい天気で気温もちょうどよく、敷地内で咲いていた「ハナミズキ」を観ながら気持ちよく待つことが出来ました。
その後、それほど待ったというわけでもなく、入店!
岐阜ではモーニングを食べ終わると、待っている人の為にさっさと席を空けるという習慣があるようで、この辺りもモーニング先進国と言われる所以ですね。
某府民のように、元を取ろうとして粘るようないやらしい考えを持つ人はいないのです(府って2つしかないぞー)。
遂に夢にまで・・・は見てないが念願の花水木モーニングの瞬間がやって来ました!
メニューを見ると、ドリンクの名前しか書かれていません。
ドリンクを注文すれば当然一緒にいろんな物が出てくるよ、という行間を読ませるスタイルは正に美濃モーニングの王道。
僕はホットコーヒーを注文。
するとまずテーブルに運ばれてきたのは・・・
蓋付きの格調高いお椀。
初めて岐阜へ来た人はこれを見て「珈琲の砂糖が来たのかな?」と思うでしょう。
しかし僕にはわかっていました。
これは美濃モーニングのシンボルとも言える、アレです。
茶碗蒸しです。
出たっ!岐阜へ来たことを最も実感するこの瞬間に、体中に喜びの血流が駆け巡ります。
まるでコース料理の一品目のように登場する茶碗蒸し。最高の演出です。
朝の胃袋を一瞬で温めてくれます。こんなに理の叶った一品目は他にないでしょう。
そして主役の珈琲。サイフォンで丁寧に淹れてくれます。
珈琲の味を表現するのによく「木の香りのような」とか「果実のような」とかいう言葉が使われますが、あれが未だに全くわかりません。
とにかく「良い香りがして美味い」コーヒーでした。
そしてこの後、問題のプレートが降臨。
ボッカーン!!
品数多っ!目の焦点が定まりません。
異様に目を引くソーセージ入りのカレーに、
シャキシャキのレタスが入ったポテトサラダ、
もっといっぱい食べたかったおかずの小鉢、
さっき茶碗蒸しを食べたところなのに、ゆで卵も完備。
そしてこのゆで卵、
むきやす~い💛
モーニングにおいて、ゆで卵の殻が剝きやすいのかどうかは、その日の気分を左右する重要なポイント。
めちゃめちゃ剝きやすい、理想のゆで卵でした。
更にはおにぎりの横に、
パンが当たり前のように居座るという違和感。
はちみつが塗ってあって、浪花のプーさんの異名を取る僕は狂喜乱舞です。
デザートはコーヒーゼリーと、
おまけの甘納豆。
以上、コーヒー+9品目。
これがドリンク代のみで提供されるという驚愕の世界(コーヒーは500円)。
知らずに県外から来てドリンクだけを飲もうとした人はひっくり返ることでしょう。
一見カオスのように見えるモーニングですが、よくプレートを見ると、まず前列をおにぎりと一緒に食べ、後列をコーヒーと一緒に食べるという、計算された配置になっていることに気づきます。
品数が多いだけでなく、それぞれのクオリティが非常に高い、噂に違わぬ特上のモーニングでした。
ごちそうさまでした!
本日をもちまして、モグリ卒業!!
え?私の肩書きですか?
岐阜モーニング協会
大阪支部長
です。
そらそうよ。お~ん。
さあ、すっきりしたところで墨俣城で花見だあっ!
広大な河川敷の駐車場に車を停めました。
もう終わっているはずの桜まつりの看板がまだ掲げられています。
ということはもしかして、まだ桜が・・・。
そして堤防へ登った僕を待っていたのは、圧巻の光景でした。
(次回へと続く)