がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

識盧の滝にて時を待つ

一体何がゴールデンなのかがわからないゴールデンウィークが幕を閉じました。

今年はコロナが5類に移行してから初めてのGWということで、各地でかなりの人出が予想されていたので、遠出はしないように決めていました。

しかし1件だけ、それでも遠出したいと思わせる用件が舞い込んできました。

GWの前半に滋賀県東近江市で行われるビッグイベント、

 

「東近江ジャズフェスティバル」

 

それにバンド仲間であるジュナちゃんが出演することになったのです。

「琵琶の国の歌姫」の異名を取るジュナが、正にその琵琶の国のイベントに出演するという歴史的な瞬間に立ち会うべく、滋賀県東近江市八日市へと向かいました。

 

ただ、大阪~滋賀の高速道路といえば、間に天下の観光地である京都を挟んでいるので、渋滞多発地帯として有名な所。

GW中に最も近づいてはいけない区間の一つです。

というわけで、渋滞が発生する前に早朝スタート!

すると目論見通り、全く渋滞に遭遇することなく八日市インターを降りました。

 

朝7時過ぎに到着。

ジュナの出番は15時30分。

 

8時間半もあるやん!

1日の労働時間やん。それまで一体何を・・・?

 

モーニングでしょ。

しかしここも8時オープンなので、駐車場で30分待ちました。

そうそう、余談ですがモーニングといえば、岐阜モーニング協会の村井会長から、先日驚きの発表がありました。

なんと、僕を岐阜モーニング協会の

関西エリアマネージャーに任命してくださるというのです!

大阪支部長からエリアマネージャーへの華麗なる昇進を果たしました。

会社では全く出世しないのに、よくわからないところで出世してゆく、嗚呼、素晴らしき我が人生。

これからも肩書きに恥じぬよう、岐阜モーニングの布教に心血を注ぐ所存であります!

(仕事は?)

お店の横にある、めちゃめちゃ停めにくい角度の駐車場。

最初からバックで入れないと厳しいですが、この時はまだ誰も来てなかったので、縦横無尽に切り返しました。早起き星人の特権です。

サロン ド テ ラクルール

ややこしい名前のケーキ屋さん。

ケーキ屋さんですが、朝はモーニングをしていると聞いてやって来ました。

開店!30分待ってからの怒涛の入店です。

お店へ入ると、お洒落な今風のケーキ屋さんの風景が見えますが、朝はケーキは販売していません。横の階段で2階へ。

とても明るく、カラフルな空間ですが、妙に落ち着きます。

端っこ好きで窓際好きな、僕の要求を満たす席へ着席。

しばらく寛いでいると、モーニング到着。

お洒落~。値段は岐阜モーニングの倍ぐらいしますが、岐阜が異常なだけなので気にしないでください。

クロワッサンもデニッシュもとても美味しくて、そのうちパン屋さんも開業しそうなクオリティでした。

野菜も美味しくて、さすが滋賀県です。

次々とお客さんがやって来ましたが、皆さんとても上品で、優雅な近江の朝を満喫出来ました。ごちそうさまでした!

さて・・・・・・

 

あと6時間半!(長っ!)

 

とりあえず道の駅「あいとうマーガレットステーション」でトマトや苺を買いましたが、大した時間つぶしにはなりません。

しかし僕は前日、グーグルマップ上に気になる「滝」があるのを見つけていました。

 

「識盧の滝」

(しきろのたき)です。

 

え?何それ??聞いたことないぞ、そんな滝。

東近江市の観光案内を見ても、紹介されていません。

かなり嫌な予感はしますが、他に特にすることもないので、行ってみることにしました。

まあまあ近くまで車で行ける、という情報をネットで見たので駐車場を目指しましたが、どこなのか全然わかりませんでした。

地図を見ると有名なお寺永源寺の近くのようなので、お寺に車を停めて歩いて行くことにしました。

この建物のすぐ前が無料駐車場なのですが、関係者用だと勘違いして、有料の駐車場に停めてしまいました。しまったー!

岐阜モーニング1回分が・・・(やらしいなあ)。

気を取り直して参道へ。

参道はなかなかの登りです。

この日は4月とは思えないほどの暑い日だったので堪えます。

途中に鎮座されている十六羅漢様が応援団のように見えました。

でも木陰に入ればとても涼しく、何と言ってもこの季節は新緑の美しさが格別です。

個人的には桜や紅葉よりも好きです。

気持ちいいなあ。人も全然いないし。今頃、全国の観光地ではとんでもない人ごみが発生しているはずですが、そんな事がウソのような静けさです。

そしてがっちエリアマネージャー、遂にお寺にたどり着きました。

 

永源寺

臨済宗永源寺派大本山にして、紅葉の一大名所。

紅葉の時期には人で溢れているそうですが、他の季節は静寂に包まれていて、とても心が落ち着く場所です。

門をくぐって左の所で岐阜モーニング1回分の拝観料を払って(も、もうやめろその換算)、入場!

立派な山門だなあ。

見事な本堂でお参りを済ませ、奥へと進みます。

どこまでも静かな空間。

お寺をあげて僕のエリアマネージャー昇進を祝ってくれているかのようです。

ありがとうございます。

お寺の方に聞くと、お寺を抜けて真っ直ぐに行くと「識盧の滝」へ行けるようです。

 

しかしここからが大変な道のりでした。

 

歩いても歩いても、それらしい所には行き当たりません。

だんだん日陰の場所も少なくなってきました。

やっと看板が出て来ました。

さらにズンズン進むと、ここが駐車場だったのかな?という空間が出て来ました。

どうやらここが本当のスタート地点のようです。

無料で杖を貸していただけるようです。

それほどこの先はハードだということでしょう。

いきなり急な勾配の下り坂です。ここからは完全な山道。

途中、交差点を通るトラックのようにトカゲやら蛇やらが横切っていきます。
観光地化されていない、ワイルドな雰囲気がたまりません。

と、渓流に行き当たりました。

この橋、頼りなさそう~!

ん??

よくよく橋の先を見ると、その先が行けるような気がしません。

 

しかしよく周りを見ると、

正規の橋は左へ行ったところにあるようです。まぎらわしっ!この看板を見逃して手前で渡ってしまった人が絶対いてそうです。

あった!やっぱり橋はこれぐらいしっかりしていないと。

意気揚々と渡ろうとした瞬間、

 

ガタン!!

 

と傾きました。ヤバっ!

ジェットコースターや吊り橋など、スリルを味わうものには大前提として、

「恐いけど安全は担保されているだろう」というのがありますが、ここの橋は違うようです。

全く安全が保証されていない感じです。

今度はどんどん登っていきます。

字が消えそうな看板が出て来ました。あと150m!

 

むむっ!?あれはもしかして・・・。

 

いやもうええて橋は!

しかしさっきの橋は怖かったな~。

 

ガタン!

 

また!?

 

基本、ぐらつくようです。なんでやねん。

 

もうええて!!

今度は橋というより通路です。

 

ガタン!

 

うん、もうわかってた。

初めからぐらつくとわかっていれば、大丈夫です。

と何度も現れるグラツキ橋にツッコミを入れているうちに、轟音が聞こえてきました。

 

おおっ!

 

おおーっ!!

 

識盧の滝

着いたーっ!!

 

例によって僕の写真では全く伝わりませんが、二段構えになっている、なかなか凄い滝です。

何故これほどの滝が無名なんでしょうか?

これはわざわざ訪れる価値がありますね~。

道中の苦労が報われる瞬間です。

しかも人がほとんどいないので、ゆっくりと鑑賞できました。

本当に来てよかったです。いつまでも観ていたくなる滝でしたが、そろそろいい時間になって来たので、ライブ会場へ向かうことにしました。

最高の時間つぶしになりました。ありがとう、識盧の滝!

 

再び永源寺の中を通り、車で会場である八日市駅前へと急ぎました。

そして八日市に着いた頃、ライブ前のジュナからLINEが入りました。

出番を目前に控え、緊張感のある決意表明のLINEかと思いきや、

 

「サク山チョコ次郎、今安く売ってるで。」

 

緊張感ゼロ。

 

さすがジュナ。全く緊張などしていないようです。

しかしライブ会場の近くで安売りをしているという、この情報は有益だ。

滋賀といえばの「平和堂」でご飯を食べてから、ライブ会場である駅前のカフェに向かいました。

そしてライブがスタート。

 

今回ジュナが出るのは、「じゅまみん」というボーカル、ハーモニカ、ピアノのトリオ。

ジュナは僕と同い年なので、もう若くはありませんが(生まれて半世紀)、20代の頃から変わらぬパワフルな歌声はまだまだ健在で、とても素晴らしいライブとなりました。

 

1曲だけですが、ライブ映像を貼っておきます。

 

youtu.be

バンドでのジュナは凄まじいまでの破壊力ですが、こういうアコースティックな編成でしっとりと歌い上げるのもまた、いつもと違った魅力がありましたよ~。

 

ところで僕はライブ会場のカフェの端っこで、連れて帰って欲しそうにしている「象」を見つけ、突発的に購入してしまいました。

 

 

「よろしく頼むで。」

やる気なさそう~!

そのお腹!!

 

本日の戦利品:トマト、苺、サク山チョコ次郎、日曜日のゾウさん

 

今日の1曲:笠置シヅ子「ラッパと娘」