前回、宝塚で展覧会と手塚治虫記念館へ行った記事を書きましたが、宝塚っぽさをあまり感じることなく帰って来たことに違和感を感じていました。
その宝塚っぽさというのは、宝塚歌劇団のイメージそのままに、
華やかであること。
優雅であること。
ところが展覧会へ行った日は、車で行ったこともあり、周辺道路の交通量の多さや、昼間だったので観光客も多かった点から、「ガチャガチャした」という印象が残りました。
しかし麗しの宝塚。本当はそういう町ではない筈です。
宝塚本来の姿を求めて、翌週、再び宝塚を訪れました。
今回は「朝一番」、「電車で」向かいました。
結果としてはこれが大正解。
先週とは打って変わって、イメージ通りの優雅な時間を満喫できました。
日曜日、早朝の阪急宝塚駅。
他の駅にはない華麗なる階段。
普段人が多い時は全体像がよくわかりませんが、休日の早朝ならこの通り。
早起き変態人間の特権です。
地面には至る所にこのような表示があり、気が付けば宝塚大劇場へと誘導されているという、恐るべき「洗脳ロード」になっています。
僕も知らず知らずのうちに背筋が伸び、いつしか腹式呼吸で声を出しているような気がしました。
この誘導に従って進むと、「ソリオ宝塚」というショッピングモールを通って大劇場へ連れていかれるという、町ぐるみの陰謀です。
駅前の広場に出ました。
うーんやっぱり他の駅とは違うなあ。
「池田泉州銀行」の文字までがお洒落に見えます。
駅前から宝塚色全開です。男役の足が長い。
それにしても人が少ない。
天気も良くて、めちゃめちゃ気持ちのいい朝です。
では、朝食前に優雅なお散歩を。
宝塚大劇場へと続く「花の道」を歩きます。
右にちらりと「ロッテリア」の看板が見えますが、
宝塚はロッテリアもひと味違います。
景観に配慮してか、「ヅカ」な雰囲気を醸し出しています。
ここを歩くとどうしても、頭の中で「すみれの花咲く頃」のメロディーが自然と流れ出しますね。
すみれの花 咲く頃~ ♩
フフフフ フフフフフフ~ ♩
んんんんんん んんんん んんんん~ ♩
歌詞知らんのかい!!
地面には名誉市民のサファイア姉さんとチンク君。
名誉市民なのに地面に埋められています。
そして遂に、
宝塚大劇場に到着です。
当然ながら早朝なので誰もいません。
アンドレ!!
と叫んでも今なら大丈夫です。(あかんあかん)
素敵な空間を独り占めです。
宝塚歌劇は観たことがありませんが、一度観ればほとんどの人がハマってしまうそうですよ。
「リボンの騎士」や「ラ・セーヌの星」を観ていた僕は素質があるかもしれません。
しかし今日の目的地はここではありません。
この優雅極まりない空気感の中で、
「朝メシ」
を食べに来たのです。
魅惑の朝食会場は、花の道の途中に見える、
宝塚ホテル
ううっ、また場違いな所へ来てしまった。
常連の「ヅカファン」のような顔をして潜入します。
おいおいおい、ここはタイタニック号か!?
おいおいおい、とりあえずトイレ借りるよ。
用を足しながら、何故か頭の中では「ラ・セーヌの星」の主題歌が流れていました。
「とべーとべー、流れ星~ ♩」
そんなベルサイユ的な雰囲気の素敵なトイレだったのです。
(あくまでもイメージです)
朝食会場は2階にあるので、宝塚のステージのような階段を登ります。
気分は男役トップスター。
「あの~お客様。足の長さが足りませんが。」
やかましいわっ!
この突き当りが朝食会場。
ドキドキドキ。
アンサンブル
あら、また素敵なお名前。
宝塚ホテル宿泊客の朝食会場ですが、一般の変人も入場出来ます。
食べ放題2500円。
朝食に2500円。高っ!と世間の人は言うでしょう。
ランチでも高いじゃないか、と。
でも何故かディナーで2500円というと、文句を言う人は少なくなります。
それはおかしい。朝食差別です。
朝、昼、夜、どれも同じ食事時間なのに、何故人間はディナーにばかりお金を使うのでしょうか?
朝食こそが、一番大事な食事の時間なのに。
昼と夜は粗食にして、たまには朝食にお金をかけるのもいいもんですよ!
と無理やり正当化したところで、
宝塚変組トップスター「早起トシ」華麗に入店!
ううっ、優雅だ。
ううっ、パンだ。
ううっ、デザートだ。
ううっ、お洒落な席だ。
さあ食うぞ、おらおらー!!
僕の苦手な取りに行くビュッフェスタイル。
しかし今日のお客さんはさすが宝塚。
後ろからの圧を感じることなく、ゆったりと取りに行くことが出来ました。
大阪のビュッフェではありえない話です。
では、いただきます。
ひじきの花 咲く頃~ ♩
アンドレ!!(何が??)
変組トップスターの勢いは誰にも止められません。
トシ閣下、ご乱心です。
ごちそうさまでした!
2500円、元は取りました(やらしいなあ)。
後ろからの圧がなかったことで、いつもよりも自由にビュッフェを楽しんだトシ閣下。
食後はホテル内をトップスターの威厳を放ちながらウロウロしました。
「私の為に造られた空間だな。」
「おお、我が同僚たちよ。」
「やはりいたか、オスカル!目力が強すぎる。」
「オスカルよ、君自身はどら焼きになる事に納得しているのか!?」
「私の為の衣装だ。」
いや、しかしこの男役のズボンをトシ閣下が穿いたとしたら・・・
一体どれだけの裾直しを余儀なくされるのでしょうか?
数日後、裾直し時に切った生地で作った短パンを穿く早起トシの姿が目撃された。
一世を風靡した宝塚変組トップスター「早起トシ」、足の長さが足らずに退団。
アンドレ!!(もうええわ)
今日の1曲:アレーヌ「ラ・セーヌの星」