がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

梅雨の宮島(上)

久しぶりに大阪から西へと旅行に行きました。

向かったのは広島

 

今から38年前、小学校の修学旅行以来の訪問です。

子供心に大きなインパクトを与えた原爆ドーム平和資料館

華麗で荘厳な佇まいが心に焼き付いた厳島神社の大鳥居

舞台裏の過酷な環境を勝手に想像して勝手に心配していた宮島水族館のアシカショー

 

もう随分と昔の話なのに、今日の出来事のように思い出されるあの修学旅行に、もう一度行きたくなったのです。

 

あの時は新幹線で行きましたが、今回は自分が運転する車での旅行。

大人になったなあ、としみじみすると同時に、あの頃からほとんど成長していない精神年齢に対して疑問を感じながら、思い出の広島へ向かいました。

 

6月中旬という梅雨真っ只中での旅行。

そういえば修学旅行の時も6月でした。何故わざわざ天気の悪い時に行くんだろうと思っていましたが、宿泊費が安いんでしょうね。

いつの時代も大人の事情に翻弄される子供たち。

今回、週間予報では絶望的な雨予報が出ていました。

まあこの時期に行くんだから仕方がない、と諦めていました。

ところが奇跡が起きました。

 

2泊3日の行程中、一切雨は降りませんでした。

 

こ、これはきっと・・・

 

宮島水族館のアシカのおかげに違いない。

 

自分たちが置かれた過酷な環境(※子供の思い込みです)を、壁新聞という媒体で世に暴いた大阪の少年。

この記事が出た後、アシカたちの労働環境が改善されたのかもしれません(※個人の想像です)。

38年も前の出来事をアシカたちは覚えていてくれたのです。

ありがとう、アシカさん!

(※個人の思い込みです。)

 

さて、雨が降っていないことに気を良くし、意気揚々と広島へ向かったのですが、新幹線だと一瞬で着いたイメージに反し、車だとまあ遠いこと。

兵庫県ってこんなに長かったっけ?」

「まだ岡山なん?」

なかなか辿り着けませんでした。

広島に到着したのはちょうどお昼時。

しかもちょうどこの日に「フラワーフェスティバル」という大規模なイベントが大通りで行われており、交通規制も相まっての大渋滞。

息切れぎれで辿り着いたコインパーキング。

 

しかしまたここで奇跡が起きました。

 

駐車場のすぐ目の前が、目指していたお好み焼き屋さんだったのです。

こんな事あります?

みっちゃん 総本店

広島のお好み焼き発祥のお店だと聞いたので、やって来ました。

地元の方からすれば、大阪で言うところの「千房」や「風月」ぐらいベタなお店なのかもしれませんが、どうしても王道のものが食べたかったのです。

大阪で食べ慣れているお好み焼き。

広島のお好み焼きはどうなのでしょうか?

大行列に並びましたが、意外と回転が早かったです。

入店。

着席。

すると・・・

出てくんの早っっ!!

並んでいる時に注文を聞いていたとはいえ、着席後すぐに運ばれてきたのでビックリしました。

インデアンカレーを凌ぐ早さです。

広島はっさくサイダーでご当地気分を無理やり上げていきます。

キンキンに冷えたスーパードライのジョッキで飲むはっさくサイダーは極上の一杯。

では、お好み焼きをいただきます。

特製スペシャ

イカ天、生イカ、生エビ、餅、そばが入った贅沢な一皿。

 

美味い!!

 

なるほど。これが広島のお好み焼き。

生地が主役の大阪のお好み焼きとは違い、具全体が混然一体となって主張してくる感じ。

美味しいなあ!

よく大阪と広島のお好み焼きを比較しているのを見かけますが、愚かですね~。

全く別の食べ物です。

大阪には大阪の、広島には広島の良さがあり、どちらも素晴らしい文化です。

マヨネーズまでもが広島カープファンだというのも素晴らしい文化です。

 

ごちそうさまでした!

他のお店も行きたくなりますね。

 

さてそれからは、車を駐車場に停めたままにして、広島市内をブラガッチです。

修学旅行を思い出しながら。

修学旅行でも乗った広島電鉄

あの時、乗り合わせた地元のおばあちゃんに対してゴリゴリの大阪弁で話しかけてしまいましたが、おばあちゃんは優しく受け止めてくれました。

ご存命であれば100歳をゆうに超えておられる筈です。

 

そして修学旅行といえばやはり、

原爆ドーム

あの時、この建物を一目見た瞬間に、ググッと迫るようなものを感じ、涙腺がうるっとしましたが、今回も全く同じ反応を起こしました。

どんな反戦のメッセージよりも強烈に、静かに訴えかけてきます。

この建物を見てもまだなお、争いを続けるようであれば、もう人間は救いようがありません。

 

原爆の子の像

ここには世界中から平和への祈りが込められた折り鶴が集まってきます。

その中で、ひと際目を引く、折り鶴で描かれたアート作品がありました。

この絵、折り鶴を敷き詰めて描かれています。凄いなあ。

一体誰が作ったんだろうと下の名前を見ると、

なんと岐阜県の中学生。

広島へ来ても岐阜との縁が続いているようで不思議な気持ちになりました。

羽島郡岐南町か・・・。

 

モーニングの聖地じゃないか。

 

こらー、こんな所でモーニングへ思いを馳せてる場合やないで、おっさん!

しかしそんな事を思えるのも平和だからこそ。

平和あってこそのモーニング。

だからこんな僕をお許しください。

 

そして岐南町の若者たち!

この作品を作った時の気持ちをずっと忘れずに、平和な世の中を築いてくれよ!

これからは君たちの時代です。

 

この後、平和資料館へ行こうとしましたが、「フラワーフェスティバル」の影響で凄い人だかりになっていたので行くのを諦めました。

それから修学旅行では行かなかった広島城に立ち寄ってから、

本日の宿へ移動しました。

 

今回の宿は、

安芸グランドホテル

宮島の対岸に位置し、部屋のバルコニーから厳島神社の大鳥居が見えるというので楽しみにしていました。

どれどれ。

うん、確かに大鳥居が見えたぞ。

 

豆粒サイズで。

 

カメラでズームしてみます。

おおっ!

おおーっ!!

ありがたや~。

そして少し右の方を見ると、

カキの養殖場ビュー。

そ、そういえば広島は牡蠣の一大産地だった・・・。

このシチュエーションで非常に言いにくいのですが・・・

 

僕は牡蠣が苦手です。

 

やっぱり夕食では牡蠣が出て来るのかな~。

出て来なかったらいいのにな~。

と思いながらお食事処へ。

 

その名も厳島

 

 

素敵な瀬戸内海ビューでいただきます。

牡蠣が出て来ませんように。

 

 

そら出るやろ。

 

食事前、スタッフの方が苦手な食材の有無を聞いてくれましたが、わざわざ広島へ来て

「牡蠣が嫌いです」と言う勇気はありませんでした。

そんな事を言えば安芸グランドホテルの伝説になりそうです。

 

でも僕は頑張って食べました。

 

出された食事を残すことは万死に値する

 

という亡き母の教育方針に従い、一切残すことなく、いただきました。

牡蠣が好きな人からしたら、もったいない話ですよね。

 

他の料理は全て美味しくいただきました。

煮物に入っていた、人参で作られた大鳥居がめっちゃキュートでした。

これを見て、明日の宮島行きがめちゃめちゃ楽しみになってきました。

38年振りに訪れる厳島神社へ思いを馳せていると、テンションが爆上がりです。

きっと今夜はいい夢を見るに違いない。

 

そしてその日の夜、

 

大阪環状線で酔っ払いに説教される夢を見ました。

 

何でやねん。

とりあえず宮島へGO!!

 

(次回へ続く)

 

今日の1曲:原田真二「タイム・トラベル」