がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

はぐれ奇人ひとり旅 「飛騨高山編」

(前回「富山編」の続き)

 

遂に大使さんの待つ「飛騨レトロミュージアムが近づいてきました。

 

受付で声をかけ、「大阪から怪しい男が会いに来ました」という旨を伝えようと思っていたのですが、とりあえず建物の裏を通ることにしました。

というのも、レトロミュージアムの裏には、大好きな2台の車が停めてあるのを以前訪れた時に知っていたので、それを見てから表に回ることにしました。

その2台とは、

ダイハツ ミゼット」

「スバル 360」

いずれも日本の高度経済成長期を支えた、歴史に名を残す名車たちです。

スーパーカーではなく、庶民の生活を支えた車というのが好きなポイントです。

ミゼット可愛いなあ。ボンカレーの広告が似合っている。

「てんとう虫」の異名を取るスバル360

ちゃんとナンバーが付いた、現役の車です。眠たそうな瞳がチャーミング💛。
この見た目のまま、中身を最新にした車を今出せば、売れると思うんだけどなあ。

 

と、その時!

 

裏口の扉がギイーッと開きました。

バイオハザードのゾンビが出てくるかのように。

でもゾンビではなく、バケツを抱えた男性が出て来ました。

そしてその男性の顔に見覚えがありました。

 

大使さんや!!

 

いつもブログで見ていた写真の人が目の前で動いている感動。

あまりの嬉しさに、僕は思わず間違った行動を取ってしまいました。

思い切り手を振りながら近づいて行ったのです。

しかしよく考えれば、僕は大使さんのお顔をブログで見て知っていますが、僕はブログで自分の顔を出していないので、あちらは僕の顔を全く知りません。

 

裏口に現れた、ただの不審者です。

 

大使さんの表情に明らかな戸惑いの色を確認した時、やっと僕はその事に気づきました。

そして慌てて名乗りました。

 

「がっちです!」

 

すると大使さんの表情から警戒の色がなくなり、お互い笑顔で挨拶をしました。

この時はたまたま仕事が暇だったので、裏の車を洗車しようと裏口へ出て来たのだそうです。

めったにそんな事はないらしく、たまたまそのタイミングで僕が裏口に到着していたのです。

これが後に言う、

 

「レトロ裏口の奇跡」です。

 

だ、誰が後に言うのだ!?

僕が言い続けます。

 

少し話をしてから、大使さんはお仕事中なので仕事場へ戻り、僕はレトロミュージアムを見学することにしました。

レトロミュージアムの中へ入るのは初めてですが、そこは昭和アナログ化石人間の僕にはたまらない世界が広がっていました。

この中のいくつかは、子供の頃に所有していました。懐かしー!

昭和の日本人のカレーのイメージって・・・。インドの方、ほんまにすいません。

 

大好きな古い映画のポスターがいっぱい貼ってあり、ちむどんどんしました。

 

懐かしのゲームも、現役で稼働しています。

時代のカリスマ、パックマン

ゲーセンに行くと必ず達人がいて、なかなか席を譲ってくれなかったスペースインベーダー
そして切ない記憶が呼び起こされたのが・・・

大脱走

ソーラー電池で稼働するという当時は画期的だったゲームウォッチ

これが欲しくて欲しくてたまらなかったのですが買ってもらえず、これを持っていた「中川君」にこれをやりたいが為だけに接近し、強引に友達になったという黒歴史を思い出してしまいました。ごめんね、中川君。でもゲームを抜きにしても、君は良い友達だった。

そうそう、こんな教室の中で中川君に接近したな~。も、もういいだろうその話は。

ダダ先生も、その話にはもう触れないで、と言っている。

 

そして更に切ない記憶を呼び覚ますものが目に入りました。

ううっ!この自転車は・・・!?

当時のスーパーカーブームに乗って一大ブームになった、スポーツ自転車。

ダブルヘッドライトで、自動車のようなシフトレバーが付いた超豪華な憧れの自転車でした。

1つ年上の兄がこれを買ってもらったので、てっきり僕も買ってもらえると思っていたのですが、僕に買い与えられたのは、今思えば味のある、巨大なベルの付いたもっさりとしたダサーい自転車。

どうしても納得がいかず、うさ晴らしにその巨大なベルを鳴らしまくっていたら色々な所で大人たちに怒られたという、これもまた黒歴史です。

今からでもいい。この自転車に乗りたい!

 

とまあ、家族連れやカップルでにぎわっているミュージアム内をうろうろし、おっさん一人で懐かしの世界を満喫しました。

そして大使さんに声をかけ、また後ほど合流するのを約束し、レトロミュージアムを後にしました。

大使さん、館長だったのか!

 

それから車に乗り、本日の宿に向かいました。

到着!いい感じのゲストハウスです。

ゲストハウスとまる

大使さんの知り合いのご夫婦が経営しているゲストハウス。

何度もブログで見ていて、一度泊まりたいと思っていました。

ゲストハウスなので、食事なしの素泊まり。簡素なひとり旅にはうってつけの宿です。

ドミトリーと呼ばれる相部屋なら3000円で泊まれます。

今回僕は贅沢をして、個室を予約しました。4人まで泊まれる部屋を1人で占有するという、王様滞在です。ちなみに個室は7000円です。

ここが最高に居心地の良い、素敵なゲストハウスでした。

清潔感のある、落ち着ける部屋でした。1人ではもったいないなあ。

あまりの心地よさに、さっそく気を失ってしまいました。

大使さんが思いのほか感じの良い人だったので、ホッとしたというのもあったのでしょう。

ブログを観ていていい人だと思っていても、実際会ってみればどうかはわかりません。

だからこの日もドキドキしていたのですが、そんな心配は少し言葉を交わした時点で吹き飛んでいました。良かった~!

 

目が覚めたのは、大使さんからのLINEの音でした。

夜、飲みに行く約束をしていたので、仕事帰りに迎えに来てくれたのです。

そして合流した時、僕の目の前で大使さんがいつものようにブログを更新しました。

すぐにそれを読み、本人の目の前でコメントを投稿する僕。

 

なんか不思議な感じ。

 

それでは、「大使さんと行く夜の高山ミステリーツアー」出発です!

 

1軒目は、よくブログで見ていた「かる食堂」

めちゃめちゃアットホームな良いお店でした。

驚いたのが、お客さんのほとんどが大使さんの知り合いだったこと。

アットホームというより、ほぼ家です。

飛騨の郷土料理「こも豆腐」

これ、大好物なんです。噛むと「ジュワ~ッ」と旨味がやさしく全身に染みわたる逸品です。

郷土料理ではないものも実にいい味付けで、どれも美味しかったです。

ここで大使さんとゆっくりとお話ができました。

ブログの裏話など、いろいろと聞けてとても楽しい時間でした。

 

このお店に、これまた大使さんブログの読者だという「ハルキ君」がたまたま来ており、この後の行動を共にすることになりました。

ハルキ君は岐阜県下呂市出身で現在は東京在住なのですが、地元・岐阜の魅力をたくさんの人に知って欲しいという熱い気持ちを持っており、実際この日も東京のお友達を連れて来ていました。

まだ20代の若者ですが、非常に好青年で、彼を見ていると自分の若い頃を見ているような・・・

 

いや、全然違うよー。

 

お前と一緒にすな!というハルキ君の心の叫びが聞こえる。

 

4人で次の会場に移動しました。

そして次の会場こそが僕が一番行ってみたかった所。

弓道

その名の通り、本物の弓矢を射れるという、裏高山名物。

高山の飲み屋街に突然現れた本格的な「和」のオーラを放つお店。

もう他にこれだけ本格的な弓を射れる所は残っていないようで、超貴重な体験です。

もちろん僕は初体験です。

ここからは、大使さんが撮ってくれた写真でどうぞ。

弓の扱い方の説明を受けてから、いざ射的!

ゆけ!浪花のジョン・ウェイン

オラオラオラァーっ!!

 

1本も的に当たらず・・・。

 

浪花のジョン・ウェインぶっちぎりの最下位!

センスなさすぎー!

割りばし鉄砲では百発百中を誇った名うてのガンマンも、弓は全然ダメでした。

 

でもめちゃめちゃ楽しかったー!!

また来たいな。

 

そしてツアーラストの会場へ。

この大阪の天満っぽい通路の奥にあるパラダイス。

一茶

大使さんいきつけの食事処。

キャラ濃いめの大将が切り盛りする、最高のお店でした。

一品一品がほんとに美味しいんですよ~。

やはり岐阜へ来たら茶碗蒸しは外せない。

でも色々と食べ過ぎて、お店の売りである「お茶漬け」を忘れていました。

また今度来る時の楽しみにしておきます。

ごちそうさまでした!

 

これにてツアーは終了しましたが、時間はもうすぐ日付が変わろうとしていました。

楽しくて、あっという間の時間でした。

思えば、いつもは奥飛騨で宿泊しているので、夜の高山は初めてでしたが、また昼とは違う魅力に溢れていました。

特に人が良かった!!

3軒共、観光客が普通は行かないような所ばかりで、大使さんなしでは来れなかったでしょう。

大使さん、そして今回出会った全ての高山の皆さん、本当にありがとうございました!

 

またお会いしましょう。

 

余韻に浸りながら居心地の良いとまるさんでぐっすりと眠り、翌朝、大阪への帰路に着きました。

渋滞情報を調べると、大阪方面の渋滞はなかったので、帰りはいつものルートで帰りました。

この時、僕はいい事を思いつきました。

途中、美濃エリアで高速道路を降り、「1日中モーニング」のお店でお昼ご飯を食べようという見事なプランです。

この最高のひとり旅を締めくくる、最高のプランにちむどんどんし、荒井由実モーターヘッドをBGMに高速道路を激走しました。

 

「大垣インターで降りるぞ!!」

 

しかしさすがに昨日から運転ばかりしていたので疲れが出て来たのか、頭がボーッとしてきました。

そして気が付いた時には・・・・・

 

滋賀県に入っていました。

 

うあああぁぁぁーーっ!

行き過ぎた。なんという失態。やはり僕の人生、そんなもんです。

いや、でも待てよ。

これはひょっとすると・・・・・

 

またすぐに岐阜へ行けという天からの啓示に違いない。

 

ポジティブシンキング、遂に世界王者へ。

 

今日の1曲:荒井由実やさしさに包まれたなら