40歳を超えてから、毎年夏の風物詩となった「人間ドック」。
日頃の生活習慣に対する審判が下る恐怖の日。
いきなり余談ですが、僕は人間ドックの事をずっと「人間ドッグ」だと思っていました。
何故、犬なんだろうか?
わからないけど、まあ犬なんだろう。
もういいよ、犬で。
と調べもせず、犬だと納得していました。
今思えば、あまりにも間抜けな話なのですが、人間そうだと思い込んでいるとなかなかそこから抜け出せず、それが自分の中では常識になってしまうのです。
怪しい宗教やネズミ講等に騙される人は、恐らくこの「ゾーン」に入ってしまっているのでしょう。
そういう思い込みは他にもありました。
珈琲の「深煎り(ふかいり)」という言葉がありますが、僕はずっと「ふかぞり」と読んでいたのです。
でもこれには深~い理由があります。
「煎」という漢字をよく見て下さい。
下の4つのチョンチョンが「ひげ」っぽく見えませんか?
だから「ふかぞり」と読んでしまったのです。
アホや。
しかもこれは子供の時のエピソードではありません。
大人になってもそう読んでいたのです。
この間違いが発覚したのはもうすぐ30歳になろうかという年頃。
7つも年下の会社の後輩からの指摘で明るみに出てしまったのでした。
「いつもお世話になってるので、缶コーヒーでも奢らせてください。」
「ありがとう!ほんなら、そっちの『ふかぞり』のやつにしよかな。」
「えっ!??ふ、ふかぞり・・・??」
あの時の後輩の戸惑い100%の表情を、僕は生涯忘れることはないでしょう。
後輩に奢らせた上に自分のアホさ加減を露呈するという痛恨の1コマ。
人は心から戸惑うとこういう顔になるのか、という戸惑い顔のお手本がそこにはありました。
俳優の卵の人に是非見せてあげたかったです。
のっけから話が大きく逸れましたが、今年の人間ドックでショックな結果が出てしまいました。
ある検査で「要精密検査」の結果が出ました。
でもこれは毎年のように出ているので、それほどショックではありませんでした。
もちろん精密検査の結果次第では恐ろしいことになるかもしれませんが、現時点ではまだ何もない可能性もあります。
それよりも一番ショックだったのは、
「メタボ検診」でした。
今までずっと変わらない「腹囲73cm」という数値を維持してきました。
若い頃に長い間、水泳をしていたので、自分の体は脂肪が燃えやすいと思い込んでいました。
実際、普段から太りそうな物を食べまくっているのに、全然腹囲に変化がなかったのです。
でも今年はいつもと様子が違いました。
今年の腹囲を測ってくれたのは、ヒッチコックの映画に出て来そうな、眼鏡をかけたサスペンスフルな雰囲気のある女性。
この時点で既にいつもとは違うぞ、という空気が流れていました。
そして測り終えた時、彼女は「ニヤッ」と不気味な笑顔を浮かべながらこちらを見て、
「増えてますよ。6cmも。」
何いっっ!?
ということは79cm!
ガガーン!!
やはりもう、寄る年波には逆らえないようです。
このままではスヌーピーのようなお腹になってしまう。
生まれて初めて、「太る」という恐怖に襲われました。
しかしスヌーピーぐらいならまだしも、くまのプーさんみたいにパンツも履けないぐらいに太ってしまってはもう大変です。
それからは夏の暑さのせいにして中断していた筋トレを再開。
エレベーターの使用も極力抑え、階段を多用するようになりました。
そして頭の中ではライザップのCMに出ている自分を想像していました。
「ボッ!ボッ!」という圧の強いBGMをバックに台に乗せられ、ゆっくり回転している自分の姿を思うと、悲しくなってきました。
ライザップ後の不自然に日焼けした体にはならなくてもいいが、せめて腹筋ぐらいはEXILE並みになってやろうと固く決意したのでした。
そしてその決意は、さっそく休日の外食先選びに顕著に現れました。
今回のランチ先に選んだのは、
「蒸し料理の専門店」。
普段は油ギッシュなパンチのある食事を好む僕にとっては、かなりレアな展開です。
それ程までに危機感を感じていたのです。
向かったのは大阪梅田の大人気店、
MUS(ムス)
このドストレートな店名。
蒸し料理への深い愛情と強い意志を感じます。
この屋号を眺めているだけで、僕の体まで蒸されている気分になってきました。
ホテル阪急インターナショナルから道路を挟んだ向かいにあるのですが、梅田の中心部からは少し離れているにも関わらず、開店すぐに満席になる人気店。
特にヘルシー志向の女子たちから絶大な支持を受けるお店です。
店内はとても明るくお洒落で、野郎だけで来ると異物が混入したようになってしまうので、必ず女性の方と一緒に行きましょう。
この写真ではまだ店内ガラガラのように見えますが、ほんの数分後には満席になっていました。
色々なランチメニューがありますが、どれも健康志向全開です。
これを見ているだけで腹筋が割れてきたような気がしてきます。
一番スタンダードな「MUSランチ」を注文しました。
MUSランチ
うーむ・・・。
油もの一切なし!!
さらばスヌーピー!
そしてこのお店が大人気な理由は、ただヘルシーなだけではなく、ちゃんと食べ応えがあり、美味しいという点。
その中でもメインである「特選銘柄豚のせいろ蒸し」は至高の逸品。
毎日食べても飽きないと思います。
豚の下にはたくさんの野菜が敷かれており、ポン酢でさっぱりと食べれます。
ご飯は黒米と麦ご飯を選べます。
おかわり自由なので、おかわりして両方食べるのが一般常識です。
しかしおかわりし過ぎると元も子もないので、1回のおかわりで我慢しました。
たまにはこういったヘルシーなランチもいいものですね。
ごちそうさまでした!
この後、梅田をブラブラと歩き回ったのですが、なんかこう、体の中が浄化されたような気がして、いつもとは違う軽やかなステップで颯爽と駆け抜けて行きました。
健康的な食事をし、しっかりと歩いてカロリー消費もしたことですっかり満足した僕は、人間ドックのショックを完全に忘れてしまいました。
夜ご飯は阪神百貨店で食べました。
ごちそうさまでした。
あれ!??
な、何してるの君・・・!?
人は常にその時にないものを求める生き物である。
あっさりに満たされると、こってりを求める。
やっぱり美味しいね、ハンバーガーは💛
SNOOPY or EXILE ?
それは来年の人間ドックのお楽しみ。
今日の1曲:Beck,Bogert & Appice「Sweet Sweet Surrender」