あれからもう1年たったのですね。
1年前、会社の同僚「チョコマスターもっくん」の影響を受け、華々しく乗り込んだ
「サロン・デュ・ショコラ」。
世界中の高級チョコレートが集うこの祭典に、今年も行ってしまいました。
昨年はこのイベントで大きなカルチャーショックを受けました。
僕は平日のお昼ご飯に380円のお弁当を食べています。
毎日毎日、美味しく、ありがたくいただいております。
しかし昨年、サロン・デュ・ショコラで購入したチョコの値段を見て腰が抜け、いや全身が抜けてしまいました。
チョコ1粒がいつものお弁当よりも高いのです!
嘘やろ!?ドバイのセレブですか貴方?
こういう比較をするのは野暮だというのはわかっています。
それだけの手間暇がかかったチョコだというのもわかっています。
しかし僕のようなしがない労働者は、どうしてもそんな事を考えてしまうのです。
そしてそんな労働者が口にした世界の高級チョコレート。
これまた衝撃でした。普段食べているチョコとは全くの別物です。
人生の新しい扉が開いた瞬間でした。もっくん、ありがとう!
あれから早や1年。今年も行きます。
コロナ禍の経済を回す為に!
こう言うとなんか気が楽になったぞ。
まるでいい事をしているみたいだ。
ただ、このイベントで経済を回すには相当な戦力が必要になります。
福沢先生!今年もよろしくお願いいたします!
「私はあと2年で定年退職するのが決まっているのだが・・・最後までこき使うね。」
2024年からは渋沢栄一という人が壱万円札に就任するようだ。
最後にひとチョコ咲かせましょう、先生!
今日はどうしても貴方のお力が必要です。
いつもは使い勝手の悪い樋口姉さんも今日は本領発揮です。心なしかいつもより眉毛が決まっているような気がします。
そして普段僕の財布を支配している英ちゃんにも後方支援をお願いしました。相変わらずのハード系天然パーマです。
いつもは内気な僕の財布ですが、今日は目力が違います。
いざ、京都伊勢丹へ討ち入り!
天気悪っ!昨年も同じような曇天でした。晴天の時には気にならない京都タワーの微妙なデザインが、天気が悪いと妙に気になるのは僕だけでしょうか。そろばんの玉みたいだ。
この大階段で10階に上がれば、サロン・デュ・ショコラ会場です。
ところでエスカレーターに乗った時、皆さんは左右どちらに立ちますか?
一般的には、関東人は「左」に、関西人は「右」に立つと言われています。
しかしバリバリの関西であるはずの京都の人は、何故か「左」に立つのです。
何故だ!?大阪と同じというのが嫌なのか??関西最大のミステリーです。
だから京都のエスカレーターで「右」に立っていると、大阪から来たんじゃないかという疑惑が真っ先にかかります。それでも右に立ち続ける大阪人。さすがだ。
さあ、近づいてきましたよ。
到着~!昨年は初めての経験で浮足立っていましたが、今年は違います。
会場入りしてまず何をすべきか、はっきりとわかっています。
まずなすべきこと、それは
イートインです。
昨年は「エスコヤマ」のスムージーでしたが、今年は「パレ・ド・オール」のソフトクリームです。
ロケットランチャー点火!これを食べた勢いで売り場に繰り出します。
今日ははっきりとした目的がありました。
昨年、もっくんに勧められて購入した、京都・福知山「洋菓子マウンテン」の「杏と塩」。
これが心にしみる美味しさだったので、今年も絶対にこれを買おうと思っていました。
そして売り場を1周してみたのですが、見落としたのか、目に入って来ません。
パンフレットには載っていたのでそんなはずはないと思い、もう1周。
・・・やっぱりない。
不安になり、パンフレットをよく見ると、
「1月26日からの販売」と書いてありました。
・・・4日後じゃないか。
しまったぁぁぁぁぁ!
来週に来ればよかった。その時僕はこの日の前日にスーパーへ行った時の出来事を思い出していました。
スーパーで売り場をウロウロしていると、3歳ぐらいの男の子が泣き叫びながら親に何かを訴えていました。まあ、よく見かける光景です。しかしこれがなかなか泣き止みません。ずっと絶叫しながら何かを言っています。何度もすれ違ったのですが、泣きの強さがエスカレートする一方です。一体何を欲しがっているんだ?と耳を傾けてみると、
どうやら「アンパンマンの何か」を要求しているようです。
しかし母親はこの要求に屈しません。当然です。それが教育です。
しかし子供も負けていません。全身をフルに駆使してアンパンマンを要求し続けます。
そしてこの戦いは平行線のまま、買い物が終了。僕の買い物も同時に終了したので、しばらく観察していました。
すると母親が、ギャン泣きする子供に無理やりヘルメットを「ズボッ」と被せ、自転車の後ろに乗せて帰って行きました。僕は車だったのでその後すぐに追いついたのですが、
その時、衝撃の映像が。
何と後ろに乗っていた子供が、走行中の自転車からダイブしたのです!
ええっ!?危ない!僕は目を疑いました。
すると子供は地面でゴロゴロっと転がった後に立ち上がり、そのままギャン泣きを続けながらスーパーの方へ走り出したのです。
この子、倉田アクションクラブ所属か!?
僕の車の横を瞬く間に走り抜け、スーパーへまっしぐらに戻ろうとするアンパンマン狂の子供。それを必死に追いかける母親。狭い一方通行の道なので後続の車両は動けなくなり、トラックが立ち往生しているのが見えました。まさにハリウッド製アクション映画のワンシーンのようでした。
何というアンパンマンへの執着心!
・・・・・まさに今の僕の心境は、この子供と同じでした。
心の中ではギャン泣きしていました。今にも泣きながら福知山へ向かって走り出しそうでした。しかし悲しいかな、僕は3歳児ではありません。
48歳児です。
ググッと悲しみをこらえ、何もなかったように売り場を回り続けました。
しかし精神的支柱を失った僕は、虚ろな目で売り場を徘徊し始めたのです。
今年のサロン・デュ・ショコラは終わった。
そして冷たい雨が降りしきる中、大阪へと帰って行きました。
昨年もこんな雨が降っていたなあ。
福沢先生、樋口姉さん、英ちゃん、今日は本当にありがとう。
それでは今日の戦利品をご覧ください。
・・・結構買ったね、君。
はい、失意の中でしたがそれなりに買いました。
「南国の鳥」、また今年も買いました。チョコ界のXジャパン。右がボーカルのトシ君です。しかしやっぱり「杏と塩」が食べたかった。
チョコ色に染まったこの俺を 引き留める奴はもういない。
も、もう1回行こうかな・・・。
だが福沢先生はもういない。
今日の1曲:よしだたくろう「たどり着いたらいつも雨降り」