がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

倒せ!怪物ゴルゴン

食べることが生きがいである僕にも、苦手な食べ物があります。

食わず嫌いではなく、食べて嫌いになりました。

子供の頃に食べて嫌いになり、大人になってから何度もチャレンジしたものの、

ことごとく返り討ちにあっています。

それは「カキ」です。

え?どっちの?

 

両方です。

 

果物の「柿」、海の「牡蠣」。どちらも苦手です。

近年「牡蠣」の方はカキフライ限定で食べれるようになりましたが、「柿」の方は

いまだに「おえっ」となります。

えーっ!?両方ともあんなに美味しいのに!

とよく言われます。

 

知らんがな!わしかて好きで嫌いになったわけちゃうねん!優しく見守ってあげて。

 

そしてもう一品。

これは大人になってから食べて嫌いになりました。

 

ゴルゴンゾーラという恐ろしい名前の怪物です。

いや、チーズです。

 

とあるフレンチ料理屋さんがやっているチーズ専門店で購入したゴルゴンゾーラのチーズケーキ。

これに完膚なきまでにぶちのめされました。

他のチーズで嫌いなものはありません。しかしこのゴルゴンゾーラだけはどうしても駄目でした。

 

くさっっっ!!!

 

としか思いませんでした。こ、これの何が美味しいの?

「あほやな~。この匂いがええねんで」という方が大勢います。

 

耳鼻科に行った方がいいよ。

 

絶対鼻がおかしくなっている。

僕はこの時、心に誓いました。

外国人に納豆を勧めるのはやめておこう。

逆に僕が外国でゴルゴンゾーラを勧められたら、その国を嫌いになるだろうからです。

 

また名前が怖い。ギリシャ神話に出て来る怪物みたいです。マイナスイメージしかありません。

 

でも1年前、谷町六丁目「ピッツェリア モリタさんでいただいたピッツァに、このゴルゴンゾーラが密かに入っていたのです!

ところが・・・・・

「あれ!?美味しいな・・・。」

臭いがほとんど気にならず、最後まで美味しくいただけました。

 

鼻がおかしかったのかな?

 

いや、恐らく歳を重ねて大人になり、ゴルゴンゾーラの良さがわかる男になったのです。

ふふん。違いのわかる男、がっち48歳の春。

 

・・・信用できんなあ。

 

ほんまにゴルゴンゾーラを克服できたのか?

その真偽を確かめる為に行ったのではありませんが、とにかくピッツァを食べたくて向かった1軒のお店に、いたのです。

 

奴が・・・。日替わりのピッツァとして。

 

f:id:gatthi:20220314193729j:plainピッツェリア カローレ

大阪府吹田市佐竹台。阪急北千里線の南千里駅から徒歩10分ぐらいの所にある、人気のお店です。予約は必須です。

この辺りは住みたい町ランキングで常に上位に来る千里ニュータウンの一角で、他県の方々が抱く大阪のイメージとはかけ離れた閑静な住宅街です。

f:id:gatthi:20220314194413j:plainお店の目の前も思いっ切り公園です。春になると桜がそこら中に咲き誇ります。

f:id:gatthi:20220314194551j:plain店内も陽光が差し込み、明るくて気持ちがいいです。小さなお店ですが、寛げます。

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f:id:gatthi:20220314194740j:plain階段の上には2階席もあるようですが、人が上り下りする度にもの凄い高低差でたわんでいました。もうすぐ崩れるぞ、この階段。

 

そして黒板に書いてある「本日のピッツァ」を見ると、さっそく奴の名前が・・・。

f:id:gatthi:20220314195356j:plain「2名様セット」にして、2種類のピッツァをシェアして食べることにしました。

 

まずは戦いの前の一杯。

f:id:gatthi:20220314195745j:plain能勢ジンジャーエール

地元・北摂のご当地ソフトドリンク。これは生姜がビシバシと効いていて美味しかったです。戦勝祈願の盃として申し分ない逸品でした。

 

f:id:gatthi:20220314200116j:plain前菜の盛り合わせ

彩り鮮やかな贅沢一皿。店員さんが一品ずつ丁寧に説明してくれますが、食べ始める頃にはほとんど覚えていません。覚えていたのは「猪肉のプロシュート」だけでした。手前のスライスされた人参が異様に美味しかったです。

 

この後、いよいよピッツァの入場です。

f:id:gatthi:20220314200849j:plain取り分け用の素敵なお皿を見つめながら選手入場を待ちます。

まずは、1枚目。

f:id:gatthi:20220315193531j:plainアンチョビと春キャベツのビアンカ

こっちが先に来たか。これは最高に好きなやつです。アンチョビの塩辛さと春キャベツの甘みがお互いを高め合っていて、おしどり夫婦ぶりを見せつけています。

ピッツァ生地も香ばしくモチっとしていて美味しいです。人気のお店なのがうなずけます。

f:id:gatthi:20220315194027j:plainこりゃ美味いわ~。

しかし問題はこの後です。最後の一切れを食べ終わろうとした時、背後に奴の気配がしました。

 

ジャンカ、ジャンカ、ジャンカ、ジャンカ ♫

 

頭の中で往年の悪役レスラー、タイガー・ジェット・シンの入場テーマ曲が鳴り始めました。

 

そして僕を恐怖の世界へと誘う怪物が遂に降り立ちました。

 

f:id:gatthi:20220315194702j:plainゴルゴンゾーラキンカンのコンポスタのクリームピッツァ

 

出たな、怪物ゴルゴン!今日こそは完全に克服してやるぞ!

 

とその時、ピッツァの表面にある物の姿を確認しました。

敵はゴルゴンだけではなかったのです。

 

果物が載っている・・・。

 

そういえばキンカンと書いてあった。

決してキンカンが嫌いなわけではありません。

 

僕はこの時、小学校の給食の事を思い出していました。

 

その日の小さなおかずは、大好きなポテトサラダでした。

嬉々として口に入れた瞬間、「シャリッ」とした食感が。

「ん!?」

リ、リンゴが入っている。リンゴは大好きです。

そしてもう一口食べると今度は、「ムニュッ」とした食感が。

「むむっ!?」

み、みかんが入っている。みかんも大好きです。

しかし両方とも、ポテトサラダに合っているとは思いませんでした。

 

入れるなあっっ!!

 

別々に食べさせてくれ~。

何故そこにフルーツを入れようとする。

 

ついでに言わせてもらうと、

「生ハムメロン」も納得がいきません。

生ハムもメロンも大好きです。でも一緒になると・・・

 

巻くなあっっ!!

 

生ハムよ、メロンは君に巻かれたいとは決して思っていない。

高級フルーツのメロンに高級な生ハムを組み合わせ、

「どや、高級やろ?美味いやろ?」

と上から目線な感じも気に入らない。

果物は果物として、そのまま食べたいんです。

 

また今日もその感じなのか・・・!?

と思いながら食べてみると、

f:id:gatthi:20220315201226j:plainその感じでした。

ピッツァの生地にキンカンが合っているとは思えない。

うなだれながら食べていると、

 

くさっっっ!!!

 

キンカンでメンタルが弱っているところへ怪物ゴルゴンが急襲!

うわーっ!きっついわーこれ!!

やっぱり無理。

 

私はここに、敗北を宣言する。

 

モリタさんで食べたピッツァにはそれほど入っていなかったのでしょう。

完全な勘違いでした。

しかし僕は「自分が注文した食べ物を残すのは極刑に値する」というルールを自分に科しているので、残さずに平らげました。必死のパッチで。昔、ホウレン草を全部食べるまで席を立ってはいけない、と母に言われ、泣きながら食べていたことを思い出しながら。

 

もう今後一切、ゴルゴンゾーラには近づきません。

 

しかしゴルゴンゾーラが好きな方には今日のピッツァはたまらない一品でしょうね。

是非、食べに行ってみて下さい。そして速やかに耳鼻科へ行って下さい。

 

がっち48歳の春は幻に帰す。

 

今日の1曲:Pink Floyd「吹けよ風、呼べよ嵐」