かつて熊の「冬眠」に憧れたことがありました。
寒くて辛い間は部屋にこもって過ごし、気候が良くなったら出かけて過ごす。
う~ん。理想的だ。
そんな熊のライフスタイルが羨ましかったのです。
そして現在・・・
新型コロナによる非常事態宣言が出て、休日は嫌でも巣ごもりを余儀なくされる状況になりました。
僕は職務上、在宅勤務は不可能なので、あくまで週末だけの巣ごもりなのですが、それでもやはり「外に出るな!」と言われると、「待て!」と言われたワンちゃんのような気分になります。
しかしそこを我慢し、何とか楽しくおうち時間を過ごせないものかと考えましたが、何も浮かびません。
もうすぐやって来るGW5連休、このままではせっかくの冬眠生活、いや春眠生活を無駄に過ごしてしまうのでは?
との思いに駆られ、冬眠前に食料を求める熊のように家の中をうろうろ~と物色し始めること数十分。
部屋の隅に無造作に置いてあるズボンの下に、何やら黒い固形物が・・・。
むむっ!こ、これは・・・⁉
ぱかっ
ウクレレ!
ううっ、これは3年前に衝動買いし、レパートリー僅か3曲の時点で触らなくなり、ほったらかしになっていた悲劇のウクレレじゃないか!
完全に忘れてました。しかしこの時の僕の目には、自分が酷い扱いをしてしまったウクレレが、都合のよい事に救世主に見えたのです。
ここからしばらく不毛な言い訳をします。
ウクレレって本当に小さな楽器なんです。
ギターであれば部屋の片隅に置いてあっても、その大きさから来る「弾けよっ!」という圧を常に感じるのですが、ウクレレの場合、1度何かに隠れてしまうと全く気配を感じなくなるんです。
どれぐらい小さいかと言いますと、
僕のスマ・・・ガラケーと比べてもこんな感じです。
扇風機と並べると、更にその小ささがわかっていただけると思います。
だから1度見失うと忘れてしまうんです。
でもまあ、本当にウクレレを愛しているなら、探して弾きますよね。
本当に申し訳ございませんでした。
誠意を込めて謝罪をさせていただいた後、3年ぶりにチューニングをし、弾いてみました。
指1本で押さえられるCコードを鳴らしました。ポロロ~ン♩
気持ちいいーっっ!
ウクレレを最初に鳴らした時の感動がよみがえって来ました。
なんて癒される音色なんでしょう。
それからは1人で異常に興奮してしまい、教則本を探し出し、我を忘れて一番最初に覚えた「大きな古時計」を久々に弾きまくりました。
しかしここでウクレレからの厳しい返答がありました。
指痛っ!
すっかりマシュマロのように柔らかくなった指に対し、弦が容赦なくめり込んでくるのです。
それでも痛さよりも音を出す気持ちよさが勝ってしまい、演奏をやめることはありませんでした。
当然少しずつ思い出しながらのたどたどしい演奏ですが、
「この途中で止まってしまう所がかえって古時計感を醸し出している」
と悲しい言い訳をしながら自らを鼓舞し、夢中で弾いていました。
そしてふと時計をみると、3時間も過ぎていました。
こ、これはいける!これならいくら引きこもっても大丈夫だ!
教則本と一緒に買った「JAZZアレンジでたのしむソロ・ウクレレ映画音楽集」なる素敵な本も出てきました。
これでもう、退屈な時間を過ごす心配はなくなりました。
GWの春眠生活、今から楽しみです!
もう君を離さない。
こういうセリフを吐く男は信用してはならない。
今日の1曲:Simon&Garfunkel「雨に負けぬ花」