がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

苺の園よ、永遠に

梅、桜と並ぶ春のお楽しみがあります。

旬の「食」にして、スーパーマーケットの人気者。

 

です。

 

スーパー入ってすぐのポールポジションを常に独占し、入店した人の目を楽しませてくれます。

しかし苺は安価ではありません。

ここでの手の動きを見るだけでその人の生活水準がわかってしまいます。

セレブは「すっ」と自然に手を伸ばし、我々庶民はその場でフリーズします。

そしてしばらくその鮮やかな赤色を羨望のまなざしで見つめてから、次の売り場へ移動します。

 

気軽には買えん・・・。

 

いつも悩むのですが、諦めて次の目的地である納豆売り場へ移動します。

でもメロンのように圧倒される高値ではなく、ちょっと思い切れば買えてしまう辺りがもどかしく、迷う楽しみを庶民に与えてくれるのがまたニクイ所です。

そして食べれば美味しい。安定して美味しい。爽やかな風味も春らしさを感じさせてくれます。

そりゃ人気者になるでしょう。

僕の場合、見た目も好きなポイントです。

苺を1粒手に取り、じっとしばらく見つめてみて下さい。

するとだんだん、「へた」の部分が髪の毛に見えてきます。そして実が顔に見えてきます。イチゴ星人です。

面長な苺、デコボコの苺、メタボな苺、可愛らしい苺、と1つとして同じ表情の苺はありません。セサミストリートのキャラクターっぽい雰囲気もあります。

そんな所も人気の要因でしょうか。

 

いや、それはお前だけ。

 

さあ、今年の春は思い切って苺を食べるぞ。何度も繰り返すコロナ禍を吹き飛ばすためにも。

今年の僕はちょっと違います。

思い切った行動に出ました。

 

一流ホテルのイチゴビュッフェに行くことをここに宣言します!

 

検察「本日、がっち氏を『身分不相応罪』で起訴いたしました。」

 

そして裁判が行われた。

 

検察「がっち被告に対し、身分をわきまえず一流ホテルに出入りし社会に大いなる不安を与えた罪により、『パン屋への出入り禁止10年』を求刑します。」

 

「パン屋への出入り禁止」

それはパン狂のがっち被告にとっては極刑にも値する。

 

裁判長「被告人、最後に言いたいことは。」

 

がっち被告「確かに私は行ってはいけない所へ行ってしまいました。それは否定しようのない事実です。しかし私はただ、ただ苺をお腹いっぱいになるまで食べたかっただけなのです。」

 

裁判長「それでは判決を言い渡す。確かに被告人は身分違いの場所へ出入りし、その所業は調子に乗っている感が否めない。ただ被告人は私利私欲のためだけではなく、妻への誕生日プレゼントを兼ねてイチゴビュッフェに参加している。

以上の事を鑑みて、被告人を無罪とする!」

 

その日、「勝訴」と書かれた紙を掲げ、裁判所の前を1人で走り回るがっち氏の姿が目撃された。

 

ということなので、堂々と行って来ます!(早よ行け)

 

ずっと憧れていたイチゴビュッフェがありました。

ホテルニューオータニのビュッフェです。

今では色々なホテルで行われているイチゴビュッフェですが、そのパイオニアともいうべきニューオータニのビュッフェにずっと行きたかったのです。

何故今まで行けなかったのかというと、もちろん値段です。

何と6500円もするのです!ひえ~。

しかし今年は「誕生日プレゼント」という大義名分を掲げ、それに自分もあやかろうという狡猾な作戦に出ました。

 

出撃!

 

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向かったのは大阪城のすぐ近く、

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ホテルニューオータニ大阪

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イチゴヲタベニキタヨ、オータニサーン!

早よ入れ。

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ホテルのロビーに入る時は緊張します。意味もなく怒られるんじゃないか?という気分になります。

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落ち着かんな~。

場違いな空気感を全身で受け止めつつ、そろりそろりと歩を進めました。

 

f:id:gatthi:20220410111013j:plainおっ、ここっぽいぞ。

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「ホテルでいちご狩り」。調子乗ってんな~。

f:id:gatthi:20220410111242j:plainSATSUKI LOUNGE

ドキドキドキ。

「只今、挙動不審な男がイチゴビュッフェ会場へ侵入するのを確認いたしました。」

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うわ~イチゴだらけだ!

f:id:gatthi:20220410112101j:plainパイが残り一つですが、大丈夫。すぐに補充されます。さすが一流ホテル。

f:id:gatthi:20220410112235j:plainしかし凄い勢いでなくなっていきますな。皆さんほんまに苺好きなんですね。

f:id:gatthi:20220410112506j:plainこれが食品サンプルではなく、実物であるという事実に感動します。

とりあえず、着席。

f:id:gatthi:20220410112636j:plainここはタイタニック号の中か?こんなに天井の高い所で食事をするのは新婚旅行以来です。

さて、今日のビュッフェは90分制。

コロナ禍ということもあり、自分で取るのではなく、スタッフさんに声をかけてお皿に載せてもらうスタイルです。

これはありがたい!

僕は「椅子取りゲーム」「自分で取るビュッフェ」が大の苦手です。

人を押しのけてまで自分の目的を達成する、という行為に疑問を感じてしまうのです。

そしてビュッフェで料理を盛り付けている時に、後ろに女性が待っていた時の圧力。

生きた心地がしません。

今日はその心配がありません。

さあ心ゆくまでイチゴを食べまくるのだ。

とは言え、今日はお昼ご飯も兼ねています。イチゴばかり食べるというわけにもいきません。

綿密な戦略が必要です。

ところがいざ取りに行くと、その戦略は音を立てて崩れていきました。

 

第一陣。

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f:id:gatthi:20220410114005j:plain全部イチゴ。

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昼ご飯のスタートがこれ!?

スイーツまみれやん。

f:id:gatthi:20220410190316j:plain注文する時はちゃんと名前を言ってましたが、もはやどれが何なのか覚えていません。

もうそんな事はどうでもよくなりました。

美味っっっ!!!

あっという間に食べ終わり、

 

第二陣。

f:id:gatthi:20220410114420j:plain今度はジュレやプリン系。もちろん全部イチゴ。

 

第三陣

f:id:gatthi:20220410190652j:plain全部イチゴ。

 

そ、そろそろ休憩しないか!?

とばし過ぎやー。

 

第四陣

f:id:gatthi:20220410190928j:plainここでやっとおかず系に行きました。

これもさすがのクオリティ。贅沢過ぎます。

ここで更にいけないものに手を出してしまいました。

 

第五陣

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出たっ!ホテルのカレー。絶対大きな具がゴロっと入っているやつです。

小さい頃から金魚すくいは苦手だったのですが、カレーすくいは何故か得意でした。

大きな具がある場所を魚群探知機並みの精度で探し当て、一発ですくい上げる。

そういう世間ではあまり尊敬されない特技をがっち少年はたくさん持っていました。

この美味しいカレーが、再びイチゴへの意欲を掻き立ててくれました。

 

第六陣

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イチゴをもらいに行こうとした途中で目にとまったチラシ寿司と巻き寿司に手を出してしまいました。これも非常によくできた逸品でした。

ヤッパリスゴイヨ、オータニサーン!

もうかなりお腹がふくらんで来ました。

しかしもう一品、どうしても注文しなければならないものがありました。

 

第七陣

f:id:gatthi:20220410193050j:plainパンケーキです。

これはシェフがライブキッチンでシロップやホイップクリームをお洒落にかけてくれます。イチゴと珈琲も一緒にもらってきました。

f:id:gatthi:20220410193318j:plainこのパンケーキの上に、

f:id:gatthi:20220410193354j:plainイチゴが合体!うひゃひゃ~。

珈琲と合いますな~。

さあこれにて終了!・・・

と思わせておいての、

 

第八陣(千秋楽)

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まだいくか。

ショートケーキ、パイ、パフェ。

結局普段から目にしているスタンダードなものが一番美味しい、と本日悟りました。

 

ごちそうさまでした!

 

ついに参加できた夢のビュッフェ。

しかしいくらなんでも食べ過ぎました。お腹がスヌーピーです。

このまま電車で帰っては危険だと思い、梅田まで歩きました。

その道中、何度もイチゴ味のゲップが出ました。

高校球児なみの爽やかなゲップでした。

そして今日のビュッフェに思いを馳せながら、ふと思いました。

 

最近、ビュッフェ、ビュッフェと言ってるけど、

 

ついこないだまでバイキングって言ってなかった?

 

調子乗ってんな~。

 

今日の1曲:Earth & Fire「Seasons」