前回のブログでお伝えしました「ピッツェリア モリタ」さん。僕はここで大きな宿題を残して帰って来ました。以降、それが気になって仕方がなくなり、仕事も手につかない有様です。仕事中、車で何度もモリタさんの近くを通るのですが、その度に悶々とした気持ちになり、運転にも支障をきたしかねません。
もうダメだ、会いに行くなり、バンビーノ
と一句読んだところで、モリタさんへ予約の電話を入れました。前回から２週間もたたないうちの再訪です。
しかしまさかの事態が！大阪府独自の基準による新型コロナの「医療緊急事態宣言」が発令されました。「不要不急」の外出は控えなければなりません。
そこで考えました。僕が外食をすること。これは確かに不要不急の用事です。しかしお店の方の立場からするとどうでしょうか？お客さんが急に来なくなったら死活問題です。生活が成り立ちません。これを簡単に不要不急だと片付けてしまっていいのか？お店の方にとっては、こんな時こそお客さんに来てもらうのは「必要至急」じゃないかと思いました。いつも消毒や換気を徹底し、コロナ対策をしっかりとしているお店であれば、こちらも万全の対策をもって訪問すれば問題ないだろう、と僕は解釈しました。
だから行って来ました。もちろん、万全の対策をして。
前回は祝日だったのでランチメニューではなかったのですが、今日は土曜日なのでお得なランチセットがいただけます。しかし本日の目的はそこではありません。
前回同様、奥様が満面の笑みで注文を聞きに来てくれました。さあ、ここからが勝負です。この戦いに敗れると、今日という日が絶望の泡に帰してしまいます。
とりあえず、ランチメニューの注文をしました。心の中ではドキドキしながら、平静を装って。そして一通りの注文が終えると、当然奥様から「ご注文は以上でよろしいでしょうか？」
よろしくないです。
さあいくぞ、40代後半のおっさんが放つ、一世一代のアホな質問を！
「あの～、バンビーノは大人が注文してもいいんでしょうか？」
「えっ！？」
奥様の顔に明らかに動揺の色が広がっていくのがわかりました。そりゃそうだろう。
「い、一応あれはお子様用のメニューでして・・・」
「そこを何とかお願いします！どうしても見てみたいんです！バンビーノの姿を！」
アホやこのおっさん！自分が何を真剣に懇願してるのかわかっているのか？
しかし奥様は僕が「真剣」と書いて「マジ」なのを見て取ると、シェフに交渉に行ってくださいました。そして満面の笑み（失笑90％）で戻ってきて、「OKです！」
やったー！ありがとうございます！
もう既に２つのランチセットを注文していることで、了承していただけました。やっと君に会えるよ、バンビーノ。一途な思いはいつか必ず届くもの。絶対アホや。
デザインは、男の子に１番人気のライオンをチョイスしました（お前はおっさんだろうが）。
まずは、ランチセットをいただきます。新鮮なミニサラダの後に、メインのピッツァ登場。
ピッツァ ナターレ＆マリナーラ
半分はトマトソースをベースに、モッツアレラチーズ、上にほうれん草のソース、エビ、ブロッコリー、じゃがいも、プチトマト、ボイルエッグ、マスタードグリーンがのった華やかなエリアです。あと半分は質実剛健、トマトソースをベースにニンニク、オレガノのみのエリア。12月の新作だそうです。具がたくさんの方はエビのプリプリ感とほうれん草ソースがアクセントになってたまらなく美味しいですが、シンプルな方もこれぞピッツァ！という王道の味でいいですね～。やっぱりここのピッツァは美味しい！
もう１つは変わった物を注文しました。
ロトラータ
春巻きじゃないですよ。見た目は間違いなく春巻きですが、「巻きピザ」です。これは食べやすいです。生ハムとモッツアレラチーズがたっぷりと巻かれていて、一口でガバッといくと口中が生地と生ハムの絶妙な塩気とチーズで満たされてすごくリッチな食感です。
そしてこの２枚を食べ終えると、ついにその時がやって来ました。
バンビーノ選手の入場です！
ジャジャーン！
ピザ バンビーノ（ライオン）
ライオン丸、見参！なるほど。これは子供が喜ぶわ。プチトマトで目と鼻を、たてがみは生地で表現してあります。具もモッツアレラチーズにマッシュルーム、ツナ、ロースハムと子供が好きなものばかりです。そして僕も好きなものばかりです。普通にピザとして美味しかったです。しかしこれ、特にたてがみの部分を作るのが手間だったでしょうね。精神年齢が異常に低いおっさんの為にわざわざ作っていただいて、本当にありがとうございました。
最初にナイフを入れるのに勇気がいりました。ひよこ饅頭を食べる時と同じ感情が心の中で芽生えました。どこから食べようか。大人でもそう思うのですから、子供たちはもっとそう思うのでしょうね。でもそれを勇気を出して食べた時、「食物連鎖」という社会の厳しい仕組みを学ぶのでしょう（？）
本日も全てが美味しかったです。ごちそうさまでした！
森田シェフ、中年男のアホな注文を聞いていただき、ありがとうございました。
最後のコーヒーを飲む時、前回気に入ったデザート、「栗のセミフレッド」を注文しようかと思いましたが、ちょっと食べ過ぎなのでぐっと我慢しました。
セミフレッドといえば、前回思い切り脱線し、意味不明の物語を書いてしまいましたが、意外にもコアな読者の方から「あの続きを書いてくれ」というマニアックな要求が来ました。仕方ありません。不本意ながら続きを書きましょう。しばらく我慢してお付き合い下さい。
第２話（最終話）「夢の果てに」
セミフレッドが家を出て３年。母マロンの元へ１通の手紙が届きました。
「拝啓 親愛なる母さん、お元気ですか？早いもので、僕が旅に出てからもう３年になりました。
今日は報告があります。僕が夢にまで見たモンブラン。そのモンブランになる夢が遂にかないました。
ただ・・・普通のモンブランではないのです。だから母さんには言おうかどうか悩んでいたのですが、思い切って報告します。こんな僕をどうかお許し下さい。
親不孝者、セミフレッドより」
その手紙には、１枚の写真が添えられていました。
明治エッセルスーパーカップ・スイーツ「イタリア栗のモンブラン」
「まあやだ、セミフレッドったら！これアイスクリームじゃないの。でもいいのよ、セミフレッド。これも立派なモンブランだわ！何も恥じなくていいわ。胸を張って生きなさい。母さんもスーパーカップ大好きよ、特にスイーツシリーズは。ちょっと高いけれど。」
そうだ、泣くなセミフレッド！下を向くなセミフレッド！スーパーカップは一部上場企業の立派な主力商品だ！君の未来は希望に満ち溢れている！
その後、セミフレッドは大人気アイスクリームとして、たくさんの人々に笑顔と幸せを届けたのでした。めでたし、めでたし。
完
ご静読、ありがとうございました。
さて、念願のバンビーノの姿を拝謁し満足しきった痛い中年男は、更なる野望を抱いてある場所へ向かいました。この近所に、前から一度行きたかったチョコレート屋があるのです。お店を出て長堀通を西へ歩けばすぐに到着しますが、それではつまらないので、膝のリハビリも兼ねて少し回り道をしました。
この妙に気になるお店の横を通り、
かの有名な「空堀商店街」 を通って行きました。この商店街、これまた気になるお店のオンパレードです。昭和遺産のようなお店と、古い建物をリノベしたお洒落な新しいお店が渾然一体となった活気あふれる空間です。またじっくりと散策してみたいですね。
そして商店街を抜け、松屋町筋に出る寸前で右に曲がると、目的地へ到着です。
練
古屋敷を再生した複合商業施設です。この立派な門をくぐると食事処や雑貨店などが趣きのある雰囲気の中で軒を連ねています。パッと見は商業施設には見えません。
なんか落ち着く～。人も少なくていいです。
クリスマスツリーだ！これを見るだけでウキウキした気分になりますね～。
この中の、お屋敷の「蔵」の部分にお目当てのお店があります。
エクチュア からほり「蔵」本店
ミナミの百貨店にも入っている高級チョコレート店の本店です。
何っ！？高級チョコレートだと！お前が？
と思われたでしょうが、ちょっと背伸びしたい年頃なんです。中に入ると、左側にいい雰囲気のカフェスペースがありますが、今日は持ち帰りだけにしましょう。
色とりどりのチョコの宝石群。しかし値段を見てビックリ。１粒300円オーバー。
１粒でハーゲンダッツより高いのか！
いつも高いなーと思って手が出ないハーゲンダッツのアイスクリームが安く感じてきました。やはりこれは、身の丈に合っていないなあ。と困惑していたら、
妻が買ってくれました。４粒も。
そうとわかった途端、息を吹き返したバンビーノ野郎、
便乗してこんなものや、
こんなものまで買いやがりました。このサンタクロース、またまた「捨てられない空き箱」の匂いがプンプンするぞ。大丈夫か？
そして高級チョコレートを家で優雅に、貴族的にいただきました。
どうしても値段が頭をよぎってチョビリ、チョビリと食べてしまいますが、恐ろしく美味しかったです。しかしもう当分買えないでしょう。やはり私にはサク山チョコ次郎が身の丈に合っているようです。
今日は愛しのバンビーノに会えて、美味しいチョコも食べれて、いい１日でした。
しかし井上陽水も歌っているように、「果てしないもの、それが欲望」。
ウサギやクマも気になる・・・。
もうやめとけよ、おっさん！
今日の１曲：TVドラマ「快傑ライオン丸」より、ヒデ夕樹「風よ光よ」
