がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

お昼ごはん改革法施行、のちピッツァ

 

少し前のブログで平日のお昼ご飯が乱れていることをお伝えしましたが、そろそろ危機感を感じてきました。サッと手軽に食べれても栄養はちゃんと取れる。そんな都合の良すぎる食べ物を探していました。

ある日、会社の若い子と同行する機会があったのですが、車内でコンビニパンをむさぼり食う僕の横で、彼も食事を始めました。それが何とシリアルバー1本。そんな物で足りるのか?と聞くと十分に空腹は満たせます、と言います。しかも1食150円ぐらいで済み、サッと食べれて栄養も取れると言うのです。

本当なのか?何か悪い宗教にでも騙されてないか?本当であるならこんなに条件を満たしてくれるものは他にありません。彼によると、中でもオススメなのはクリーム玄米ブランだそうです。これなら一袋でお腹いっぱいになるらしいです。半信半疑、いや完全に疑いながら、ドラッグストアへ向かいました。

f:id:gatthi:20201128155330j:plain150円のが100円で売っていました。本当にこれだけで済むのなら、夢の100円ランチが実現します。とりあえず、どんな物なのか食べてみよう。

f:id:gatthi:20201128155700j:plainふむふむ。見た目はお菓子だぞ。食べてみると、やっぱりお菓子じゃないか。でも確かに2つ食べるだけでもお腹はふくらんできました。4つ食べるとなかなかの満腹感。こ、これはいける!ような気がする。

それでは、お昼ごはん改革法の仮施行を行います。

月曜日は玄米ブランー♫

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火曜日も玄米ブランー♩

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水曜日はカロリーメイトー♫

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チュラチュラチュラチューラーラー♩

 

木曜日はバランスパワー♫

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金曜日はカロリーメイトー♩

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土曜日はリバリバウンドー♫リバリバリバウーンードー♩

・・・・・

やってられるかっこんな食生活!そらリバウンドするわ。

 

お昼ごはん改革法案は、反対多数により否決されました。

 

確かに空腹は満たせるが、なんかこう、体が温まらない感じ。この煮え切らない気分の隙をついて、週末、カロリーの悪魔が僕に憑依しました。

「ぐわっははは!思い切りハイカロリーな物を食べてやるわ~。ピッツァや!ピッツァを持って来い!」

誰も持って来てくれるはずがないので、食べに行きました。

f:id:gatthi:20201128231440j:plainピッツェリア モリタ

大阪市中央区谷町6丁目。大阪メトロ谷町六丁目駅から徒歩2分の所です。

以前の職場での得意先の方に教えていただきました。

ホームページを見ると、どうやら凄いピッツァ職人の方のお店のようです。2001年にイタリアで行われたピッツァの世界大会で、イタリア人以外で初めて優勝したというレジェンドです。そんな本場で認められたピッツァが大阪でいただけるなんて、飛行機代が得した気分です。

そしてプロフィールを読んでいると、シェフの生年月日に目が留まりました。

僕と同い年やん!

歩んだ人生によってこんなにも違いが出るんですね。かたや一流の凄腕ピッツァ職人。かたや・・・・・。

祝日のランチに予約して行きました。開店時間すぐなのでまだ誰も来ていませんでした。その隙に店内を撮影させていただきました。

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細長い店内にテーブル席が4~5つほどの小さなお店ですが、随所にセンスの良さを感じさせます。ご夫婦お二人で切り盛りされているようです。

f:id:gatthi:20201128233657j:plain燦然と輝くトロフィー。これが例の世界大会のものかな?拝んでおこう。ありがたや~。

では、世界レベルの注文をしましょう。

f:id:gatthi:20201128235752j:plainミックスサラダ

目にも鮮やかなサラダです。あまりの鮮やかさに見ているだけで視力が上がっていきそうです。スライスされたチーズが贅沢に乗っています。早くもこの時点で心を奪われました。いかにも新鮮な感じでお味も抜群です。

では、世界を獲ったピッツァに行きますよ~。

ところで僕はしきりにピッツァピッツァと言っていますが、僕はずっとピザピッツァは同じものだと思っていました。ピッツァと言う人はただ気取っているだけなんだろうと。でも全然別物らしいですね。イタリアで生まれたピッツァを、アメリカに移住したイタリア人が持ち込んで独自の進化を遂げたのがピザらしいです。ピッツァは石窯で焼きますが、ピザは鉄製のオーブンで焼きます。食べ方もピッツァは1人1枚ずつ注文してナイフとフォークでエレガントに食べるのに対し、ピザはカッターで切り分けてみんなで手でつかんで豪快に食べる、といった違いがあるそうです。パーティー好きなアメリカ人がアレンジして変わっていったんでしょうね。日本のナポリタンも思い切り独自の進化ですもんね。どちらが正しいとかではなく、美味しかったらどちらも好きです。

本日いただくのは正真正銘のピッツァです。

ピッツァは2枚注文しました。

f:id:gatthi:20201129000828j:plainTAKESHI

これが世界大会で優勝したピッツァだそうです。ご主人のお名前を冠した逸品です。トマトソース、パンチェッタ(生ベーコン)、そしてモッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、水牛モッツァレラの各チーズにトレビスという紫キャベツのような野菜(チコリの1種だそうです)がふんだんに載っています。

実は僕、ゴルゴンゾーラが凄く苦手なんです。以前に行った別のお店で買ったゴルゴンゾーラのチーズケーキの匂いで、完全KOをくらいました。以来トラウマになっていました。ゴルゴンゾーラという名前もなんか怖いですしね。ところが今日は違いました。この恐怖のゴルゴンさんが、このピッツァのレベルを一段引き上げているような気がしたのです。すごく美味しくいただきました。思い切って注文して良かった~。ゴルゴン克服!これが本場で認められた味なのか。やっぱり何か違いますなあ。下の濃い~チーズ群と対照的な上のトレビスのシャキシャキとした食感が見事なコントラストを描いています。美味い!

そしてもう1枚。

f:id:gatthi:20201129103511j:plainロマーニャ ミーア

おおっ!アンディ・ウォーホルの作品みたいな見た目です。芸術的だ。

この緑色の部分はホウレン草です。それにリコッタチーズとグラーナという2種類のチーズが使われているそうです。チーズの種類のことはあまり詳しくないので、美味しいとしか言いようがありませんが、このピッツァはTAKESHIとは全く違う印象です。まろやかで優しいんですが、味はしっかりしています。気は優しくて力持ち、みたいな感じです。

ホウレン草といえば子供の頃、嫌いで嫌いでしょうがなかったんです。母は絶対に食べ物を残すことを許さなかったので、泣きながら時間をかけて食べていました。あの時の自分に言ってあげたいです。「大丈夫だ少年。40年後の君は立派にホウレン草のピッツァを美味しく食べているぞ。」

いや~どちらのピッツァもめちゃめちゃ美味しかったです!O先生、素晴らしいお店をご紹介いただき、ありがとうございました。

ところで僕らがピッツァを美味しくいただいていた時、他のテーブルで気になる動きがありました。5、6歳ぐらいのお子さんを連れた3人家族が来て、「バンビーノ」というピッツァを注文しました。このバンビーノが何者かというと、子供向けのメニューで、なんとウサギ、クマ、ライオン、パンダなどの動物やハート、星などをピッツァで作ってくれるらしいのです。お子さんはライオンをセレクトしていました。そして実際にピッツァが運ばれてくると、そのテーブルから「わあーっ!」という歓声が上がりました。

み、見たい!

しかし僕らのテーブルは一番奥、家族連れのテーブルは一番外側。どうしても見えません。立って見に行くわけにもいかないので、悶々としてしまいました。ライオンのピッツァ・・・気になる・・・。

そんな僕の気持ちを察してか(?)デザートが運ばれてきました。デザートも2種類注文していました。

f:id:gatthi:20201129191039j:plainピザティラミス

ピザ生地の上にティラミスが載っている斬新な一品。意外と無かったですよねこの組み合わせ。合わない訳がありません。激うまです。これは手で取り分けて食べるのでピザなんですね。

そしてもう1品。

f:id:gatthi:20201129191511j:plain栗のセミフレッド

セミフレッド?何それ?と思い注文してみました。全く耳に馴染みがありません。見た目からも何者なのかわかりません。ただ一つ思ったのは、

なんかこの名前、物語っぽいな。

 

世界名作劇場「栗のセミフレッド」

第1話「旅立ち」

「どうしても行くのかい?セミフレッド。」

「ごめんよ、母さん。僕はただの栗で終わりたくないんだ。華やかなモンブランになりたいんだ。」

「でも普通の栗が好きだって言う人もいっぱいいるのよ。」

「うん、わかってる。でも僕は、栗としての可能性を広げたいんだ。栗の魅力を世の中に発信したいんだよ。」

「わかったわ。そこまで言うなら、心配だけど行きなさい。くれぐれも、栗拾いの敷地内には入ったらダメよ。」

「ごめんよ、母さん。今まで育ててくれて、ありがとう!」

こうしてセミフレッドは旅立つのであった。まだ見ぬ広い世界へ・・・。

行け、セミフレッド!泣くな、セミフレッド!どこかで必ず、立派なモンブランにしてくれるパティシエが君を待っている!

(第2話へ続く)

 

・・・続いてたまるかっ!

史上最大の振り幅で脱線してしまいました。すいません。

このセミフレッド、一口食べてびっくり。

冷たっ!

しっとりしたケーキかなんかだと思っていたので、その冷たさにびっくりしました。アイスクリーム?でもちょっと違うぞ。アイスにしてはサクサクしています。食べてもわからん。しかし何者かはわからんが、彼、美味しいぞ!

後で調べてみると、イタリアではメジャーな半解凍状態のお菓子だそうです。へえ~。世界は広い。凄いぞ森田シェフ!同い年なのに。

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最初のサラダから最後のデザートまで全く隙がありませんでした。ヤバいぐらいの美味しさでした。ごちそうさまでした!リピートするお店がまた1件・・・お金と時間が足りませんわ。

最後、会計を済ませて出て行く時に、奥様が満面の笑みで見送ってくださいました。こういう対応がまた更にお店のレベルを1段引き上げますよね。大事なお店になりそうです。

しかし何故かお店を出てからずっと、悶々とした気持ちが晴れて来ませんでした。美味しいものをたらふくいただいて、幸せの絶頂なはずなのに。何故だ、何なのだこの気持ち・・・そうだ、あれだ、あいつのせいだ。

 

バンビーノのせいだ。

今度来た時、大人が注文してもいいか聞いてみよう。

今日の1曲:TVアニメ「ロミオの青い空」より「アルフレド~決意を胸に~」