今年の6月、輪っかを首にかけて引っ張るだけの「ワンタッチネクタイ」を買いました。そのあまりの手軽さ、便利さについてはその時のブログ記事でお伝えいたしました。(インチキサラリーマン、「ぶどう亭」へ行く 参照)
その時はすぐにクールビズの時期に入った為、せっかく買ったネクタイはお蔵入りになりましたが、10月31日をもって遂にクールビズ期間が終了しました。
フッフッフ、やっと君たちの出番だぞ、インチキネクタイペッパーズ。行けっ!
変身~。
インチキサラリーマン出勤!
見て下さいこの凛々しい姿を! これを見て誰がインチキだと見抜けるのでしょうか?
意気揚々と出勤しました。
そして夜、帰宅。
すると首周りに違和感を感じました。なんかこう、「自由」を感じたのです。恐る恐る鏡を見ると・・・
はうあっ!!
何というだらしない姿!インチキがばれるー。いやもうばれてるよ、これを見られたら。どこかで引っ掛けたのでしょうか。ネクタイが思い切り下降してました。こ、この状態いつから?
やはりメッキは剥がれる運命にあるのでしょうか。まじめに毎朝本物のネクタイを巻くべきなのでしょうか。いやいやそんな時間はありません。うーん・・・・・
これからは下がって来ないように気を付けよう。
1度楽を覚えるともう戻れません。
そして週末、やっとネクタイの呪縛から解放されたインチキサラリーマン。
そのストレスから異様にパスタが食べたくなったので、会社の先輩であり「暴虐のハードロッカー」の異名をとるスコーピオンK氏に教えていただいたお店へ行くべく、京都へ飛びました。
石焼生パスタ 蔵ノ助
京都市西京区樫原、最寄り駅で言えば阪急電鉄京都線の桂駅になります。
イタリアンでありながら京都らしい和の建物で非常に趣きがあります。
結論をいきなり言わせていただくと、「素晴らしいお店」でした。
お味はもちろんですが、僕が一番感心したのが、接客のクオリティの高さ。
前日の寝る前からパスタの口になっていた僕。気持ちが前に前に出過ぎて、開店の30分以上前に到着してしまいました。
駐車場にポツンと白影号が1台。するとちょうど出勤されてきたスタッフの方が近づいて来て、「ご予約はされていますか?」と聞いてきたので、していないのを伝えると、いつも開店と同時に満席になるので、念のため席を確保して下さるとのこと。
これはありがたい配慮です。今からお店の前に並べば入れるのでしょうが、30分も立って待つことになります。席を確保していただけるのなら、開店まで悠々と車の中で待っていればいいのです。
少ししてから再びスタッフの方が車までやって来ました。「小上がりのお席でもよろしいでしょうか?」当日に無理やり席を取ってもらった上に席の希望まで聞いてくれるのか?と思いつつ、小上がり=座敷を想像してしまい、膝が悪いことを伝えると、テーブルにして下さるといいます。でもひょっとするとテーブルは予約で埋まっていたのではないかと思い、しばらくしてから小上がりで良いことを伝えると、開店前の店内に入れて下さり、小上がりの席を見せてくれました。見ると座敷ではなく、掘りごたつスタイルだったので、これなら膝にも大丈夫です、と言いました。すると今度は上がる時に膝が痛くならないか、と心配してくれます。な、なんて親切な。
もう僕の膝なんてどうなってもいいですよ、お嬢さん。
階段を1000段登った先に席があったとしても、そこでいいですよ。
この後、入店してから席に上がる時も気づかって下さり、帰るまで何度も大丈夫ですか?と声をかけていただきました。泣かせるぜ、ベイベー。
お店の中は、外観と同様に思いっ切り「和」の雰囲気です。見上げると立派な梁が通っており、飛騨の建物を思わせます。端に小上がりの席がいくつかあり、あとはたくさんのテーブル席があります。カウンターも少しだけあるのでおひとり様でも気兼ねなく来れそうです。落ち着いた、すごくいい雰囲気の店内です。格子窓から差し込む光が心地いいです。
そして席についてから、初めて来店する客に対してのお店の説明をしてくださったのですが、普通こういう場合、お店のマニュアルを丸覚えしたようなセリフを流れるように伝えて終わり、というパターンが多いです。しかしこちらのは違いました。ちゃんと自分の言葉でわかりやすく、ゆっくりと、手順を追って説明して下さいました。
ちなみにこちらのメニューは、チェーン店じゃないのに珍しくタッチパネルでの注文でした。これが見てるだけで楽しいんです。
パスタが自分好みにカスタムできるようです。ベースとなるパスタソースを選び、その上に自分の好きなトッピングの雨を降らしまくるという夢の世界が展開できます。
しかし僕は自分のカスタムのセンスに自信がなかったのと、過剰なトッピングで周りを引かせてしまうのではないかという心配があったのでやめておきました。メニューにある完成品を注文しました。
まずメインとなるパスタを選び、そこにホリデーランチセットというのをプラスしました。「石焼パスタ」というのはどういう物なんでしょうか?楽しみです。
そう言えばお店の看板に、英訳された店名が書かれていました。
「Rock'n Pasta Kuranosuke]
石焼パスタを英語で言うと「Rock'n Pasta」!ほんまか?70年代ハードロックの曲名みたいでカッコいいですね。
おしぼりも京都らしいデザインの袋に入っていて素敵です。
まずはランチセットのコーンスープが運ばれてきました。なんか器がいい感じー!大きめのクルトンが入っていて美味しいです。無類のコーンスープ好きである吾輩も大満足でした。
次に、ワンちゃんの大好きな骨が運ばれてきました。ワンワン!吾輩もまっしぐら!
違うぞー。
これはグリッシーニですね。居酒屋の付け出しで出てくる乾パンのようなものとはクオリティが違いました。サクッとしながらもしっとりしており、塩加減も絶妙で美味しいです。
サラダです。なんかドレッシングが変わってて美味しいぞ。もっと大量に食べたくなります。
そしてついに、ジューっっ!という凄まじい音とともに、石焼パスタ降臨!
イタリア産ポルチーニ茸と牛ホホ肉のペペロンチーノ
食欲を激しく刺激する匂いとともに、ぐつぐつと煮えたぎったパスタがやって来ました。このジュージューサウンド。ステーキ屋さんよりも激しい音がしています。まさにRock'n Pasta!いやHard Rock'n Pastaと言った方がいいでしょう。これはゆっくりといただいても冷めなさそうです。
太めの黄色い麺はもちもちです。黄色いのは卵の色でしょうか。ペペロンチーノソースのお味もよろしく、たまに口に飛び込んでくる牛ホホ肉がボディーブローのように効いています。予想通り全然冷めてきません。最後のニンニクのひとかけらまで美味しくいただきました。石焼パスタ、気に入りました。もう普通のお皿では食べれなくなりそうです。
そしてメインが終わると、僕のワクワク脳みそは食後のデザートへと移っていきます。すると恐らくその気持ちが僕の顔面全体にほとばしっていたのでしょう。すかさず店員さんが、「食後のデザートをお持ちしましょうか?」と聞いて下さいました。本当によくできた店員さんですなあ。
ジュレの上にジェラートが載ったお洒落デザートとコーヒー。こちらもランチセットに入っています。パスタが少し濃いめなのでジェラートは正解ですね。さっぱりとして美味しいです。コーヒーも好きな感じです。
以上で終わり、のはずだったのですが・・・。
タッチパネルを子供のようにいじって遊んでいたら、デザートの所で手が止まりました。そしてこれまた子供のように我慢ができなくなり、デザート追加注文!しかし厨房内がまさかの出来事にパニックを起こしてしまったのか、なかなか出て来ませんでした。でもこちらの店員さんはその状況もそのままにはしておきません。「すいません。追加のデザートの方は只今お作りいたしておりますので、もう少しお待ちください」ときちんと説明して下さいました。迷惑な客やなー。すいませんでした。
とろ~りクレームブリュレふわふわホイップ・バニラアイス添え
もう美味しくないわけがないこの見た目。もう何も感想は言うまい。至福の時間でした。
お味、サービス、雰囲気、全てにおいて大満足のホリデーランチでした!ごちそうさまでした。そして数々のお気遣い、ありがとうございました。
唯一の欠点といえば、ランチとしては少し値段が高めなところでしょうか。パスタが平均2000円ぐらい。ランチセットをつければ3000円近くになるので、気楽に頻繁には行けません。でも内容を見れば納得できますし、ちょっと特別な日に行くには最高のお店だと思いますよ。僕は間違いなくリピートするでしょう。次はカスタムしちゃおうかな(大丈夫か?お前のセンスで)。
さて、休日に美味しいものを食べることで日頃のストレスを解消したインチキサラリーマン。とある平日、いつものように息も絶え絶えに家に帰り、ソファに腰をおろしてネクタイを外そうと紐を引っ張りました。すると、
ぶちっっ!!
うわわ~っ!
「事件です!令和始まって以来の残酷な事件が起きてしまいました。紐が見事なまでに引きちぎられています。もうこのネクタイが首にまかれることはないでしょう。」
「生前、ネクタイと仲の良かったらいよんチャンが、ショックのあまりうつ伏せになり起き上がれないようです。この状況がこの事件の悲惨さを物語っています。見ていられないので、起こしてみましょう。大丈夫ですか?らいよんチャン。」
「そっとしといてくれや。」
「目がうつろです。そっとしておきましょう。とにかく私の記者人生の中で、これほどまでに陰惨な事件を見たことがありません。これは恐らく、正直に生きろ、インチキはいけないんだという地球から人類へのメッセージではないでしょうか。私にはそんな気がしてなりません。以上、事件現場からのレポートでした。」
でも確か、まだあと4本あったなあ。
懲りないインチキサラリーマンは今日も行く!
今日の1曲:Scorpions「Steamrock Fever」