前回の続きです。
ほんたきさんでの絶景モーニングを終え、どうせここまで来たなら、とふらり立ち寄った「野間の大ケヤキ」。
樹齢1000年を越える、国指定の天然記念物です。恐るべき大きさです。
幹太っ!大きい上に躍動感まで感じます。「ロード・オブ・ザ・リング」のように木が歩き出しそうです。
いや~大きいなあ。今日はほんたきさんで上からの絶景を、こちらで下からの絶景を楽しめてもう十分満足したので、さあ帰ろうとした時、ふと遠くに人影が見えました。
地元の集会所でしょうか。何かイベント事でもやってるのかな。建物の入り口に向かって並んでいるようにも見えるぞ。そしてケヤキの辺りにいた人々も次々とそちらへ向かっていきます。
都会でありがちな怪しい健康食品ショップのオープニングイベントでしょうか?やたらと無料でいろんな物を配り、最後に高いものを買わせる、あれか!こんなのどかな所にまでその魔の手が伸びていようとは。とりあえず、近くまで行ってみました。
すると、
パン屋さん!(やっぱりかー、という声が聞こえてきました)
えらいもん見てもうたー。しかし凄く並んでいます。こんなもんに並べばめちゃめちゃ待たされるでしょう。でもやはり、
余裕で並びました。
磁石に吸い寄せられる砂鉄のように、列の最後尾にピタっとロックオンしました。抵抗などできるはずがありません。
どうやらコロナ対策で、1組ずつしか店内に入れないようです。それでもこの列の長さは凄いです。期待が膨らみますな~。そして待つこと約50分。
新郎新婦(旧朗旧婦)、入店!
「お二人での、初めての共同作業です。どうぞ、パンをお選び下さい。」
建物の中は、すごくお洒落ないい雰囲気で、パンが並んだショーケースに向かって少し歩いていきます。その時に右側に目をやると、店内を覗き込みながら並んでいる人々と目が合ってしまうので視線は真っすぐに保ちましょう。
「旧朗旧婦、パン人ロードを通り、ショーケースへ到着いたしました。では、誓いの注文を。」
今日は全くパン屋さんへ行く予定ではなかったので、「これはいつ食べるパンだろう」と思いながら、食パンとアンパンを買いました。
衝動的に並んで買ったのはいいが、つい先ほどカレーとロールケーキをいただいたばかりです。うーん、ほんまにこれ、いつ食べようか。
今でしょ。
またおあつらえ向きに、ケヤキの木のすぐ傍に「ありなし珈琲」というお店があります。パンを肴にこのコーヒーを飲め、と言わんばかりです。
兄ちゃん、ええのん煎れてや~。
それではこちらのコーヒーと共に、アンパンをいただきましょう。ケヤキの周辺にベンチがいくつかあるので、大きな木を見上げながらいただきます!
こちらのパンは、お店の裏にあった大きな薪窯で焼いているそうです。なので表面の質感が明らかに普通のパンとは違います。ピザのような感じです。かじってみると、カリッとした生地からやはりピザのような香りがホワッとして、その後に餡と共にモチっとした食感がやってきました。これは新しい!美味しい!
これは食パンも期待できるぞ!帰って食べてみよう。
新穂高ロープウェイのアルプスのパン屋さんで買ったりんごジャムをつけていただきました。
耳の部分は、やはりピザ感が出ていました。僕が驚いたのは、中の部分。よくパンの味を表現するのに、「外はカリッと、中はもっちもち」という言葉が使われますが、このパンほどそれが当てはまるものはありません。史上最強のもっちー感でした。これはもはやパンではなく餅なのでは?いや、それは言い過ぎでした。かなり酸味の強い生地なので好き嫌いは分かれそうですが、りんごジャムとの相性はサイモン&ガーファンクルです。
偶然遭遇したパン屋さんが大当たり。これはいい流れだ。この流れを確実なものにするために、後日再訪しました。
今度はビシバシ気合を入れて、開店30分前に到着。
さすがにまだ誰もいません。
前回は地元の集会所かと思ったこの建物、よく見るとなかなか洒落オツです。
建物の後ろ側にあるこの巨大な薪窯で、あのパンを焼いているんですね。
昨年のNHK朝の連続テレビ小説「スカーレット」を思い出しました。
「喜美子の焼いたパン、美味しいなあ。凄いなあ、喜美子。」(by十代田八郎)
僕らが店内に入った時、ちょうどおいしそうな「クロックムッシュ」が焼きあがったのですかさず買いました。店員さんが袋に入れる時に、「焼きたてで熱くなっていますので、口を全開にしておきます」とおっしゃりました。そして他のパンと一緒に、持参したパン専用エコバッグに入れてもらい意気揚々と店の外へ出たのですが、歩いていると
熱っっ!
クロックムッシュが入っている所に手が当たるとパンとは思えない熱さを感じました。いくら焼きたてでも、まあ普通のパンならほかッと温かい程度のはずなのですが、これが薪窯の威力でしょうか。なかなか冷めないようです。凄いなあ、喜美子。凄いなあ。
僕らが外へ出た時にはもう既にこの行列でした。凄いなあ、喜美子。
では、ケヤキの木の下で、歌いながらパンをいただきましょう。
「大きなケヤキの木の下でー♫ あーなーたーとーわーたーしー♩
なーかーよーくーパン食べよー(^^♪
大きなケヤキの木の下で~♫
このクロックムッシュ激うまっ!ごちそうさまでした。
他のパンは家でいただきました。
今回の食パンはレーズン食パン。
パルミジャーノ・ブレッド
ガーリックフランス
これは・・・何やったかなあ。チョコが入ってました。
どれもが陶芸作品のようです。「ほんまに喜美子の焼いたパンは・・・もうええわ!
ところでいつも僕のブログを見て下さっている方は、今回の記事を見て疑問に思われるでしょう。
この内容なのに、どうして「パンをたずねて三千里」じゃないの?
先週、もったいぶったエンディングにしてしまったが故に、ネタバレするのが怖かったのです。全然ばれなかったでしょ?
いえ、ほとんどの方にばれていたようです、ご主人様。
「パンをたずねて三千里」、幻の第8話でした。
今日の1曲:Superfly「フレア」