先日、パリーネさんで田んぼモーニングを味わってから、緑を見ながらボーっと食事をすることにはまっています。特に今は、１年でトップクラスの気持ちよさを誇る秋です。しかし近年、春と秋の期間がすごく短かくなったように感じます。どうせすぐに上から下まで全身ヒートテックで身を包む季節がやって来るのです。
そうなる前に、もう１度外でボーっと食事がしたい！できれば朝に。そうして調べたところ、大阪の最北部、能勢町にお寺がありました。
「うん、そりゃあるだろう、お寺ぐらい。それより、食事処を探してくれたまえ。」
「はい、このお寺こそが今回のお食事処でございます、ご主人様。」
「何いっ！？正気か貴様っ！」
「はい、どうやらお店の方は正気のようでございます。お寺の中にカフェがあるようで、絶景を眺めながら美味しいカレーがいただけるようです。」
「お寺にカフェ？カレー？全く意味がわからないのだが。」
「はい、しかし本当のようで、かなり評判もよろしいです。ただ気になるのは、このお寺の住職さんがハーレーダビッドソンを乗り回しているそうで、こちらは正気ではないな、と。」
「お寺の住職でありながらハーレーに乗り、お寺の中でカフェを経営している・・・
出たな、少数派民族。嫌いではない。会いに行くぞ。すぐに出発の準備を致せ。」
「ハーレーダビッドソン」このキーワードを聞くだけで気分が高揚します。かつてこのバイクに乗る為に大型二輪免許を取り、貯金も始めていました。その夢は「結婚」という大型二輪どころではない超大型イベントにより潰えてしまいましたが、いまだにこの乗り物への憧れの気持ちは消えていません。ハーレーに乗る住職さんなんて、めちゃめちゃ素敵じゃないですか。しかもそこで絶景グルメをいただけるなんて。
大阪とは思えないのどかな里山風景が広がる能勢町。車で少し足を伸ばすだけで非日常空間へワープできる、大好きな場所です。
本日向かうのは、霊場として有名な妙見山の中腹にある「本瀧寺」です。
お寺へは、国道477号線から少し東へ逸れた峠道を走れば到着です。峠道の途中に突然お寺の看板が現れるので、見落とし注意です。看板に従い右へ下っていき、しばらく木々に囲まれた小道を走ると、駐車場が見えてきました。
車から降りると、寒っっ！
本当にここは大阪なのか？家の辺りとは全然気温が違います。しかし空気が澄んでいてすごく気持ちがいいです。
バ、バイク寺？お寺にそんなジャンルがあるのか？大丈夫なのか？何となく色物の匂いがしてきたぞ。
しかし案内図の看板を見ると、「妙見宗総本山」と書いてありました。めちゃめちゃ由緒あるお寺やん！どっちのキャラを信じたらいいの？？
今日の人生に迷いが生じたまま、とりあえず本堂へ向かいました。
現在、膝を痛めている僕。負担をかけないようにそろりそろりと石段を登っていきました。こんなにゆっくりと階段を登ったのは初めてですが、横の灯篭や巨木の圧を感じて厳かな気分になります。これはどう見ても色物ではないぞ。相当立派なお寺に違いない。
本当にこの中にカフェなどあるのか？あっていいのか？いやもうなくてもいいじゃないか。こんな静かな気持ちになれただけで満足です。お参りだけして帰りましょう。膝の痛みと闘いながら、一段一段、慎重に、慎重に登りました。そしてやっとの思いで無事登りきると、
おや。
やっぱりあるみたいです。
本堂へ到着する前にこの看板。やる気満々です。さすが少数派民族。しかし本来お寺にはそぐわないはずのこの看板、妙に周りの風景と溶け込んでいました。
この看板を通過した直後、突然本堂が現れます。
めちゃめちゃご立派！
明治時代に行われた「神仏分離」よりも前の時代の名残が残っているので、神社の雰囲気もあります。だからお寺なのに鳥居があったんですね。昔は神も仏も同じだったんですね。それでは、本堂でお参りをしてから、いざ、絶景カフェへ！
めっちゃ軽い感じの看板に誘われて奥へ進むと、
ほんたき 山のカフェ
ついに到着！左の人は幽霊ではありません。店員さんです。少しマスクが大きいだけです。さっそくテラス席をチェック！
おお、なかなか良いぞ！山の方へせり出していていい感じです。まだ開店直後で誰もいないので、席を選びたい放題です。というか僕らの後に来た方々はあまりの寒さに中の席へそそくさと入って行かれました。僕らは意地でも外で食べるという無駄に強い信念を持って来ているので、テラス席へ行きました。信念だけではありません。ウルトラライトダウンも持って来ました。席ごとに膝掛け用の毛布も置いてあるので、万全です。
一番角の特等席へ。山が綺麗です。
２席に１つぐらいの割合で、双眼鏡が置いてあります。どれどれ。何が見えるのかな？
わくわく、ドキドキ。まず正面を見ると、生い茂った木々が見えました。次に右の方へ動かすと、鮮やかな色の木が見えます。そしてグーンと左の方へ動かすと、何と・・・・・木が見えました。
木しか見えん！
運が良ければ鳥が見えるかもしれませんね。
さあ、注文しましょう！
素敵な布の表紙のメニューをめくりましょう。
のぼりも立っていた「薬膳カレー」がこちらの名物です。
食後のドリンクや
デザートもチェックしましょう。
むむっ！？
「ハーレー和尚のロールケーキ」！何じゃそりゃあ！注文しよう。
まずは薬膳カレーをいただきましょう。３種類から選べますが、僕は「山菜」にしました。
薬膳カレー山菜
お寺らしく上に湯葉がのっています。
さらさらのスパイスカレーです。少し塩辛さを感じましたが、独特の風味で美味しかったです。お寺なのでお肉は入ってませんよ。根拠はありませんが、肌がつるつるになりそうな気がしてきます。結構お口がファイヤーします。冷えた体が温まりました。
では、食後のデザートへ。
ハーレー和尚の黒巻菓子（ロールケーキ）
住職さんの愛車のタイヤを再現したというキワモノデザート。タイヤの溝がちゃんと描いてありますね。味の方はオーソドックスな、美味しいロールケーキでした。
あとはコーヒーをいただきながら、ぼーっと山々を眺めましょう。
あ～いい気持ち。ありがとう、ウルトラライトダウン。君のおかげで快適でした。
かなり長い時間、ぼーっとしていました。そしてガヤガヤとした声に振り返ると、
いつの間にやらすごい人。
待ちが出ている状態だったので、出ることにしました。やはり人気店へ行く時は、「開店時間、もしくはそれよりも早く」が鉄則ですね。
レジで住職さんのことを尋ねると、残念ながらご不在でした。ハーレーにも乗って来ていないそうです。お会いしたかったな～ハーレー和尚さん。そして愛車のハーレーが見たかった。そういえば、僕はてっきりお客さんもこんな感じの人が集まるお店だと思っていました。
でも実際来られていたバイカーの方は、こんな感じでした。
うーん。イメージが違う。ハーレー軍団が見たかった。まあでも絶景カフェで緑を眺めながらぼーっとするというミッションは果たせました。
ちなみにこちらのカフェに来るには、本堂を通らずに、カフェのすぐ横の駐車場まで車で上がって来ることもできます。でもやっぱりせっかくお寺の中にあるお店なので、健康な方は厳かな気持ちで階段を登り、本堂でお参りをしてからカフェへ向かう方が、ありがたみを感じられていいと思いますよ。それに上の駐車場まではすごい急な坂で道幅も狭いので、運転の苦手な方は迷わず下の駐車場に停めて下さいね。
ごちそうさまでした！和尚さん、またいつかお会いしましょう！
この後、お寺から近い所にある観光名所、「野間の大ケヤキ」へ向かったのですが、
ここで本日最大の収穫がありました。
どんな収穫があったのか、それは次回へ続く。
そんなもったいつけても誰も楽しみになんかしてないぞー！やめとけー。
今日の１曲：Roger Mcguinn「イージー・ライダーのバラード」
