がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

楽聖のメリークリスマス

昨日終わってしまいましたが、キリスト教ではない人もみんな大好き、クリスマス

バタバタと忙しいだけの年末に、つかの間の安堵の気持ちとワクワク感を与えてくれる重要なイベントです。

そもそもこの12月25日という日は、一体誰の誕生日なのか?誰でも知っています。

僕の誕生日です。(知るかー!帰れー!金返せー!)

この日に生まれたばかりに、僕は世間の子供たちが誕生日プレゼントとは別に「クリスマスプレゼント」などというものをもらっていることを知らずに育ちました。僕はこの日に生まれたから特別にサンタさんから誕生日プレゼントがもらえるのだ、と間違いだらけの優越感に浸っていました。親にしてみれば年2回のプレゼントが1回で済むわけですから、大幅なコストダウンです。まあなんて親孝行な息子なんでしょう!

しかしその巻き添えをもろに受けた人物がいます。僕の1つ上の兄です。

兄は6月に生まれたので誕生日プレゼントは6月にもらいます。そして12月24日には他の子供たちと同様、クリスマスプレゼントをもらう権利を有していたはずです。

ところが弟がクリスマスの日に世へ出てきたばかりに、その日は弟のみが祝福を受ける日となってしまい、クリスマスプレゼントをもらうことができなかったのです。まさかの二次災害です。すまねえ、兄貴!辛い思いをさせたね。

しかし今年は、そんな暗い過去を吹き飛ばしてくれるクリスマスプレゼントが届きました。それもすごい人から。

送り主の名は、

ポール・マッカートニー

言わずと知れた世界で一番有名なロックバンド、ザ・ビートルズの中心メンバーにして、今なお現役で活躍する音楽界のレジェンド中のレジェンドです。

僕の一番の趣味である音楽。幼きがっち少年をその世界へ引きずり込んだのが、このアルバムでした。

f:id:gatthi:20201213095942j:plainビートルズが解散後に出したベストアルバム。通称「赤盤」「青盤」と呼ばれるものです。これを兄の同級生がLPレコードからカセットテープ4本にダビングしてくれました。それからというもの、このテープを狂ったように聴きまくりました。自分が移動する所へどこへでもラジカセを運んで聴いていました。その当時は僕の仕事として「お風呂掃除」を親から命じられていたのですが、その時もラジカセをお風呂の入り口にセッティングし、聴きながら掃除していました。すると何ということでしょう。リズミカルに長い時間をかけて楽しく作業していたのが功を奏したのか、掃除の仕上がりに対する親の評価が高くなったではありませんか!劇的なビフォーアフターです。嫌だったお風呂掃除までも楽しい時間に変えてしまう。これが音楽の力です。とにかくこのアルバムは、その当時何事にも無気力だったがっち少年に生きる活力を与えてくれたのでした。

f:id:gatthi:20201215200624j:plainThe Beatles / 1962~1966

「赤盤」と呼ばれるのがこちら。デビューから世界制覇を果たしていく過程の、初期の代表曲が収められています。「抱きしめたい」「ヘルプ!」「イエスタデイ」などはこれに入っています。特に前半の部分はお風呂掃除の時に聴きすぎてしまい、いち早くテープが伸びてしまいました。ジャケットはデビューアルバムと同じ写真が使われています。右端のジョン・レノンが丸々と太っているような気がするのですが、キットカットの食べ過ぎでしょうか。

f:id:gatthi:20201215202206j:plain The Beatles / 1967~1970

そして「青盤」。急激な成功の反動でライブをしなくなり、スタジオに籠って怪しげなことをやっていた頃から解散に至るまでの後期の代表曲が収録されています。「ヘイ・ジュード」や「レット・イット・ビー」などはこれに入っています。

ジャケット写真はデビューアルバムと同じ場所で、同じ画角で数年後に撮られています。もしくは、玉手箱を開けてしまったのでしょう。左から2番目のポール・マッカートニーはほとんど年を取っていないように見えますが、右端のジョン・レノンの変貌ぶりは凄いです。恐らく玉手箱の煙が彼に集中したのでしょう。

本来、僕の青春時代は1980年代~90年代なのですが、入口がビートルズだったせいで1960年代~70年代の曲ばかりを聴くようになり、「若年寄」の名をほしいままにしました。いや、見た目は少年だが本当は30代後半なのでは?20年前からタイムスリップしてきたのでは?という疑惑までかかったほどです。当時同級生でそんな昔の音楽を聴いている友達はおらず、寂しい思いをしました。しかしそんな事は気にも留めず、僕のビートルズ熱は高まる一方で、デビューアルバムから順番に全アルバムを買う為に全ての財産(お小遣い)を投じ、もう誰にも止められない勢いで「若年寄の帝王」の座に上り詰めたのでした(?)。

しかし僕はこの時、「過去の偉人の音楽」としてビートルズを聴いていました。実際、僕らの時代の小・中学校の教科書には、ポピュラー音楽の流れを変えた偉人としてビートルズが載っていたのです。でも、そうではないことに気づかされる出来事が高1の初夏に訪れました。

ポール・マッカートニーのニューアルバム「フラワーズ・イン・ザ・ダート」発売。

そうだった。ジョン・レノンはもういないが他のメンバーはまだ生きている。自分はビートルズのメンバーと同じ時代を今、生きているんだ。彼らは過去の人ではなく、現役のミュージシャンなのだ。このニュースは僕にその事を気づかせてくれました。

そしてそれから約30年後の今年、2020年12月18日。

ポール・マッカートニーのニューアルバム「マッカートニー Ⅲ」発売。

まだ現役ですか、先生!

あの時はティーンエイジャーだった僕が今や40代後半のナイスミドル(?)です。

じゃあポール先生は一体何歳なんでしょうか?調べてみると1942年生まれ。

御年78歳!!

ニューアルバムとか無理でしょ普通この歳で!しかも作詞作曲と歌だけではなく、今回は全ての楽器を自分で演奏し、プロデュースまでしてるらしいです。凄いな~。

ん?待てよ。78歳?

そう、私は知っている。同じ年齢の男を。

僕の父です。

父は1月生まれなのでもうすぐ78歳になるのですが、ポールとは同学年です。そう思うと、父が急に神々しく見えてきました。

そして12月18日、父の同級生からのクリスマスプレゼントが遂に届きました。

この日は金曜日でレコード屋へ買いに行く時間はないので、ネットで注文していました。本当はお店へ行って手に取る方が喜びが大きいのですが、仕方ありませんね。

僕が仕事へ行っている間に到着していました。目撃者の話では、トナカイさんではなく黒猫さんが運んで来てくれたようです。意識もうろうとしながら帰って来ましたが、届いているクリスマスプレゼントを目にした途端、10代の頃にビートルズのアルバムを買いに行った時の興奮がよみがえり、会社に行く前よりも元気になりました。

f:id:gatthi:20201220094702j:plainMcCartney Ⅲ 

何故「Ⅲ」なのか?ポール先生は今まで時代時代の節目に、今回と同じような「一人録音」の作品を発表しているのです。

1970年、ビートルズ解散を前に「一人になった」時に発表された「McCartney」

1980年、ウイングスを解散させた時に「一人になって」作られた「McCartney Ⅱ」

そして今回2020年、新型コロナでロックダウンしている中で「一人で」作られた「Ⅲ」

というわけです。

さて、聴いてみた第一印象ですが、地味です。

いつものような、一聴しただけで耳にいつまでも残るような飛びぬけた曲や、大ヒットを予感させるポップな曲、お得意の屈託のないラブソングなどの要素はありません。ポールマッカートニーを初めて聴く、という方にはお薦めできません。しかし不思議と何度も聴きたくなります。もう何回も聴きましたが、聴く毎にはまっていく感じです。

曲をヒットさせることなんて考えず、ただただ自分のやりたいことを楽しみながらやっている彼の姿が浮かんできました。最近の音楽業界はネットでの配信が主流になり、アルバムの中から好きな曲だけを買う人が増えています。それがダメだなんて言いません。でもこのアルバムを聴いていると、改めてアルバム全体を1つの作品として楽しむことの素晴らしさをポール先生が教えてくれているような気がします。まだまだこれから先、聴けば聴くほど好きになりそうです。

ポール先生、素敵なクリスマスプレゼントをありがとうございました!

しかしこの方、いつまで現役を続けるつもりなのでしょうか?ひょっとしたら22年後、こんなニュースが流れているかもしれません。

ポールマッカートニーのニューアルバム、100歳の誕生日に発売決定!

ありえるぞ~十分。その時の僕はシルバー人材センターに登録していることでしょう。

ところで、クリスマスの日は今年も平日です。当日は何もできないだろうと思い、少し早めにクリスマスパーティーを催しました。

会場はスーパーでの買い物の帰りに立ち寄ったファミリーマートの駐車場。最近美味しくなったファミマのコーヒーとメインディッシュをいただきながら、車の中でクリスマスソングのCDを聴いて過ごしました。

コーヒー2杯で200円。メインディッシュ100円。合計300円のささやか過ぎるパーティーでしたが、十分にクリスマス気分を満喫できましたよ。

その時のメインディッシュが美味しかったので、家用に買って帰りました。

f:id:gatthi:20201221205332j:plainブラックサンダー / 至福のバター発酵バターにおぼれたい

フランス産発酵バターを使用したプレミアムな一品。高級な味がしました。最近のブラックサンダーは色々な種類が出ており、中には白い色をしたもはやブラックではないものまで登場していますが、これは最高傑作といっていいでしょう。

あまりにも気に入ったので、陳列用の箱までもらいました。

f:id:gatthi:20201221210122j:plainおぼれさせていただきました。 

そして僕が尊敬してやまないドラムスの師匠、K先生からもクリスマスプレゼントが届きました!

f:id:gatthi:20201223203137j:plain大量のハンドメイドマスク

凄い数のお洒落な布マスクが入っていました。これだけあれば一切コロナの侵入を受け付けないでしょう。これが何と、先生の奥様の手作りだそうです。K先生ご夫婦は凄くユニークでチャーミングなお二人なので、ご本人の許可が下りればいつかこのブログでご紹介したいです。先生、そして奥様、ありがとうございます!ちなみにK先生、日本でトップクラスのめちゃめちゃ凄いドラマーなんですよ。早くコロナが終息してライブが見たい~。

やっぱりクリスマスは楽しいですね!こんなに温かい気持ちになれるイベントは他にないです。

うんうん、楽しいね。それはいいけどがっち君、

そろそろ年賀状書けよ。

現実の刃が容赦なく突き刺さる、素敵なクリスマスでした。今週末は年賀状に全集中!(おっ、流行りに乗っかったな貴様)

f:id:gatthi:20201223204048j:plainメリークリスマス!(現実逃避ー)

今日の1曲:Paul McCartneyWonderful Christmastime」

次回は臨時増刊号!12月31日(木)に更新予定です。