がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

安満遺跡公園に早起きして行くと何かいい事あるってよ

誇り高き考古学者ガッチー・ジョーンズ。彼のもとに、ある調査依頼が舞い込んだ。その内容は、最近秘書になった柴犬のうめちゃんが持ってきた1通の手紙に記されていた。

f:id:gatthi:20210313161812j:plainうめちゃん「先生、調査依頼が来てよ。」

ジョーンズ「どれどれ、見せてちょ。」

それを見たジョーンズはハッと息をのんだ。そして彼の顔は見る見るうちに青ざめていった。

うめちゃん「先生、顔色が悪くてよ。どうかして?」

ジョーンズ「うめちゃん、この案件はやばいぞ。ここには大阪府高槻市にある安満遺跡(あまいせき)を調査してほしい、などと書いてあるぞ。こんなもの、ガチの考古学じゃないか。私の専門はあくまでも古いレコードや映画の発掘調査、及び美味しい食事処の探索だ。本物の遺跡なんて調べてられるか。冗談じゃないぞベイベー。」

うめちゃん「どうするの先生?」

ジョーンズ「夜逃げしよう。」

うめちゃん「ええっ!?」

ジョーンズ「私がパチモンだとばれる前に姿をくらまそう。」

うめちゃん「でも先生、あたい聞いたんだけど、安満遺跡は最近広大な公園になって、中にはレストランやカフェがあるとのことよ。そちらをお調べになれば?」

ジョーンズ「あ、そう。じゃあ行こ行こ。」

すっかり安心したジョーンズは、さっそく高槻へ向かった。

 

大阪府高槻市大阪の中心部と京都の中心部のちょうど真ん中に位置し、どちらへも特急1本であっという間に行けてしまうという、非常に便利な街である。たくさんの人々が暮らす人気のベッドタウンであり、JR、阪急どちらの駅前も大変栄えている。それでいて山が近く、河川も豊富にあり、都会と田舎の風景が絶妙なバランスで共存している所でもある。

また、最近世界遺産に登録された堺市の陰に隠れているが、古墳が数多く現存する歴史の街でもある。市の公式キャラクターも「はにたん」という埴輪のキャラクターである。

今日訪れた「安満遺跡公園」も、弥生時代の石器や土器が大量に出土した場所であり、国の史跡に指定されている。またこの辺りは元々、京都大学大学院の農学研究科附属農場があった場所で、その跡地と安満遺跡を含めて市が開発を進め、今年3月、「安満遺跡公園」としてオープンしたのだった。

f:id:gatthi:20210417210209j:plain公園には有料だが広々とした駐車場がある。駐車場からも山々が見渡せ、実に気持ちが良い。

「むむっ。早くもカフェっぽい建物が見えているではないか。」

ジョーンズはそんな風景よりもそちらが気になるようだ。さすがパチモン考古学者。

f:id:gatthi:20210417210813j:plain正面入り口も広々としている。 

f:id:gatthi:20210417210935j:plain遠くから子供たちの歓喜の声が聞こえて来た。高槻の新スポットとして既に認知されているようだ。そして入ってすぐに、先程見えていたカフェが現れた。

f:id:gatthi:20210418154411j:plainSUNDAY'S BAKE 569

駐車場からすぐというアクセスの良さもあり、既に人だかりができている。とりあえず、潜入調査だ。

f:id:gatthi:20210418154902j:plainジョーンズはお店の売りだというピッツァを食べた。モリタさんには敵わないが、なかなか美味しかった。店内は天井が高く、明るくて気持ちいい。ただ、結構な音量で今風な音楽が流れており、ちょっと落ち着かなかったようだ。

f:id:gatthi:20210418155926j:plainジョーンズは次の調査へ向かった。公園の中枢部にメインとなるレストランがあるらしい。考古学者としての血が騒ぐ。いや、それは考古学とは関係ないだろう、というツッコミは気にも留めないジョーンズであった。

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途中、ボーネルンドが運営する施設があり、大勢の家族連れが集まっていたが、食べる所ではないと知るや、速攻でスルーしたジョーンズであった。それにしてもこの辺りは凄い数の人々が密集していた。野外とはいえこのコロナ禍中、気をつけなければいけない。

f:id:gatthi:20210418161915j:plain少し奥へ進むと、メインのレストランらしき建物が遠くに見えてきた。この辺りまで来ると人が激減し、広々とした視界が開け、清々しい気分で散歩ができる。

f:id:gatthi:20210418162023j:plainFARMERS CLUB(レストラン ファーマーズクラブ)

京都大学付属農場の建物をリノベーションしたお洒落な洋食レストラン。この公園内でのメインのレストランはここになるだろう。

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歴史ある建物の中で、窓から見える公園の景色を眺めながら、陽の光が差し込む明るい店内で優雅なお食事ができると聞いていたので、ジョーンズの期待ははち切れんばかりに膨らんでいた。ところが・・・

f:id:gatthi:20210420195713j:plain通されたのは窓からは隣の建物しか見えない壁際の席だった。しかもすぐ隣は厨房だ。

食事中ずっと「週替わり2ついけますかー?」という舞台裏の会話が延々と聞こえていた。前向きにとらえれば「臨場感あふれるライブキッチン」と言えなくもないのだが・・・

落ち着かんわっ!

と言いつつさすがジョーンズ。食後のデザートまで抜け目なく注文するのだった。

まずは週替わりランチ(メイン、サラダ、スープのセット)をいただいた。

f:id:gatthi:20210420200631j:plain豚肩肉といんげんの煮込み 春キャベツのオーブン焼き添え

名前長っ!でもどういう料理か想像しやすいとも言えるだろう。このメイン料理は美味しかった。味付けも濃くなく、ヘルシーな感じだ。ただ、ライスがセットに入っていないのは痛かった。どうしても割高感を感じてしまう。

デザートはこちら。

f:id:gatthi:20210420201440j:plainエンゼルフードケーキ バニラ

シフォンケーキですな。これはまあまあ美味しかったが、コーヒーが美味しくなかった。

調査報告:ランチとしてはちょっと高いが、まあ雰囲気込みのお値段だろう。窓側の席であればかなり印象が違ったはずだ。2階席もあるようなので、次は是非予約をしてそちらで食事をしたい。前日の16時までに予約すれば、外で食べれる「ピクニックセット」というのもあるみたいだ。この公園はとにかく気持ちいいので、それもいいかもしれない。

この後、ジョーンズは公園をぐるりと1周散歩してみた。途中、大きな屋根のある広場があり、向かいにはスターバックスコーヒーがあったのだが・・・

凄い人の数だ!

スタバにも凄い行列が出来ていた。新しいiPhoneでも発売されたかのような勢いだ。大阪市内ど真ん中でもここまでの行列はできないだろう。なんか嫌だ。人が多すぎる。

そして帰り、駐車場の空きを待つ大渋滞の車列が見えた。

ジョーンズは思った。「この公園、朝早くに来た方がよいのでは?」

何かを思いついた時の行動だけは異常に早いパチモン考古学者。翌週の朝、再び安満遺跡公園に姿を現した。スタバの開店時間8時ちょうどに到着する用意周到ぶりだ。

すると・・・・・

f:id:gatthi:20210422202710j:plain駐車場ガラガラ!気持ちいい~!

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この日はスタバの横にある東駐車場に車を停めたジョーンズ。スタバで優雅な朝の時間を過ごそうとしているのがバレバレである。さあ、そのスタバはどうだ?空いているのか?ドキドキドキ・・・。

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f:id:gatthi:20210422203418j:plain前に来た時はここで凄い行列を見たが、今日は人の気配を感じないぞ。
ジョーンズ、突入します!

f:id:gatthi:20210422203725j:plain「おはよう、皆の衆。私こそがここの主、スタバーン伯爵であるぞ。」

あまりのガラ空き加減にジョーンズは浮足立った。

「さあ、私の為に窓際の席を用意せよ。」

「はっ。どちらのお席でもご自由に。」

f:id:gatthi:20210422204847j:plainやはりこの公園、朝に訪れるのが良さそうだ。 

f:id:gatthi:20210422205112j:plain予定通りの優雅なモーニングを味わった。しかしスタバにはモーニングセットなど存在しない。割高だ。

f:id:gatthi:20210424164242j:plainその後、公園内を散歩した。ここはちょうどJRと阪急の線路に挟まれた位置にあるので、両方の電車を見ることができる。新たな鉄道マニアスポットの誕生かもしれない。

f:id:gatthi:20210424164707j:plain園内にはベンチも結構ある。中にはテーブル付きの物もあるので、今度はパンをパン屋さんで仕入れ、コーヒーだけスタバで買って外で食べよう、と想像しただけで夢見心地になったジョーンズであった。

「安満遺跡、朝に来たれば、あら素敵」

クオリティの低い俳句を1句読み、ジョーンズは満足げに公園を後にしたのだった。

 

うめちゃん「先生、どうだったの?」

ジョーンズ「狙い通りだ。やはり朝がノンストレスだったよ。素晴らしい時間を過ごして来たぜベイベー。」

うめちゃん「遺跡も見て来て?」

ジョーンズ「え?あ、ああ遺跡ね。・・・まあ遺跡は遺跡だな。」

ジョーンズは心の中でつぶやいた。

「遺跡なんかあったっけ?」

公園内に点在する遺跡に全く気付かずに帰ってきたジョーンズであった。

誇り高きパチモン考古学者、ガッチー・ジョーンズに乾杯!

今日の1曲:Chicago「Saturday In The Park」