先日、初の試みである、岐阜県でのレコード発掘調査に確かな手応えを感じた考古学者ガッチー・ジョーンズ。
気を良くした彼は早くも次の発掘調査へと出発しました。
相棒はもちろんポール・ウェダー卿。
しかも今回はレコードの発掘のみならず、「ある街に隠された遺跡」を探しに行くという、微妙に考古学っぽいミッションを抱えていました。
「フッフッフッ、私に見つけられない遺跡(お食事処)などあるものか。」
前日の夜に飲み会があり、無謀にも2杯もアルコールを摂取したというバッドコンディションの中、無理やり早起きしたジョーンズは、ウェダー卿を迎えに箕面のアジトへ向かいました。
街中に隠されているという、謎に包まれた遺跡への夢とロマンが彼を突き動かしていたのでしょう。
ウェダー卿と合流し、過酷な発掘調査を行うに当たっての英気を養うべく、まずは兵庫県・宝塚にあるモーニング処へ。
むさしの森珈琲 宝塚中筋店
すかいらーくが手がけるお洒落カフェ。
すかいらーくだとは気づかずにたくさんの人が押し寄せているという、もっぱらの噂です。
どう見てもおっさん2匹で訪れるようなお店ではありませんが、そんなの関係ねえ。
彼らがそんな事を気にするはずがありませんでした。
店内は広々としており、ゆっくりと寛げましたが、ジョーンズ一行は値段の高さに驚きました。
「岐阜モーニング3回分じゃないか。」
最近モーニングに対する目線が完全に岐阜県民になっているジョーンズは、どうしてもこのお店の値段に納得がいきませんでしたが、席がゆったりとしていてラグジュアリーな時間を過ごせたので、それなりに満足したようでした。
「茶碗蒸しが付いてないなあ。」
ここは関西なのだよ、ジョーンズ君。
さて、一行はこの後、発掘調査の為に芦屋へと向かいました。
関西きってのセレブな街、芦屋。
ウェダー夫人がこの機会を逃すはずがありません。
夫人は今日もウェダー卿に対して、ミッションを与えていました。
「ここでスコーンを買ってこい。」
手際よく芦屋の中古レコード屋さんで発掘調査をこなした2人は、すぐにこのミッションに取りかかりました。
そのスコーンのお店は、レコード屋さんのすぐ近くだったのです。
恐るべしウェダー夫人。
ジョーンズたちの行動を完全に把握しているかのようです。
THE BUTTER & SCONE
名前のまんま、バターとスコーンを売っているお店です。
芦屋オーラ全開です。
しかしジョーンズ一行は恥じらいという言葉を知りませんでした。
常連のような足取りで堂々と入店し、心中では値段にビビりながらスコーンを買いました。
このスコーンが、なかなかの逸品だったのです。
左が外はカリッ、中はしっとりのプレーン。
右は全体がしっとりしていて中にハチミツやナッツの入ったナッツ&ハニーカレンツ。
ジョーンズは今までスコーンというものを誤解していました。
「スコーンなんてパサパサしていて、砂漠を食べてるようなもんじゃないか」
という偏った思想を抱いていたジョーンズでしたが、このスコーンの美味しさには大変満足したようでした。
さすがウェダー夫人です。また今回もやってくれました。
さて、ミッションを次々とこなしたジョーンズ一行は、遂に本日の最大のミッションである、遺跡(お食事処)発掘に取りかかりました。
目指すは尼崎市。
兵庫県なのに電話の市外局番が大阪市内と同じ「06」であるという謎の街であり、
プロ野球が開幕した直後に阪神タイガースにマジックが点灯するという、異常なまでのタイガース愛に溢れた街であり、
お笑いのスター、ダウンタウンを生んだ街でもあります。
ナビに住所を入れ、何かに隠されているという、遺跡に向かいました。
そしてそのお店があるはずの場所へ到着したのですが、見えてきたのは・・・
山!??
山に円盤が突き刺さっています。な、何だこれは??
しかしよく見るとこの円盤、
お店の看板でした。
もうすぐ木に埋もれるな。
グリル一平
同じ兵庫県内、新開地に本店を構える同名の超有名店がありますが、どうやら全く別のお店のようです。
しかし同じ県内で同じ洋食屋さんで同じ名前というのは本当に偶然なんでしょうか?
ひょっとしたら何か関係があるのかもしれませんが、それはこのお店の外観と同じで謎に包まれています。
ズームしてみて下さい。何かの実がなっているのが見えます。
木のトンネルの先に入口が見えます。
森の妖精にどこかへ連れていかれそうな雰囲気が漂っています。
ジョーンズたちが着いた時はちょうどお昼時だったので、行列が出来ていました。
山に向かって並ぶ人の列。とても不思議な光景でした。
ここで注意点!
ただ並ぶだけでは順番は回ってきません。まず店内で名前を書いてから並ぶというシステムなので要注意です。
回転が早いのか、それほど待たずに順番が回って来ました。
森の妖精に導かれ、調査隊入店!
2階席へ。
ええ雰囲気や~💛
チェック柄のテーブルクロスがたまらない、いかにも洋食屋さんの空気感。
水も趣のあるボトルに入っています。
良い意味で薄暗い店内は昭和の匂いが充満しており、ゴリゴリの昭和世代であるジョーンズたちにはとても居心地のいいお店です。
毎週、金・土・日のディナータイムには、ピアノやギターの生演奏をしているそうです。
2人共、「一平ランチ」を注文。
完璧な洋食ランチです。
エビフリャー、ハンバーグ、白身魚のフリャーの超強力トリオ。
エビフリャーにかかったソースがタルタルソースではなく、少し甘みのあるクリーミーなソースで、これが驚愕の美味しさでした。
「これが今朝食べたモーニングよりも安いとはな。」
ジョーンズもウェダー卿も恍惚の表情でこの特上の洋食ランチを楽しみました。
「ごちそうさまでした!今日も凄い遺跡を発掘したぞ!」
現役のお店なのだから遺跡ではないだろう、というツッコミには聞く耳持たず、ジョーンズ一行はお店を出ました。
尼崎にある、木に隠された洋食屋
「噂に違わぬ素晴らしいお店だったな。次はディナーで訪れてみよう。」
ジョーンズはそうつぶやくと、お店の方を振り返り、その時に気づきました。
「全然隠れてないな。」
隠れるどころか、むしろ目立ちまくっていたグリル一平さんでした。
今日の1曲:The Kinks「Sunny Afternoon」