がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

アレを祝して大阪を歩く

只今、会社で加入している健保組合が主催のウォーキングイベントに参加しています。

スマホに専用のアプリを入れて、歩数計と連動させて1ヶ月間の歩数を競います。

2~5人でチームを組み、上位のチームにはスタバカードが景品として進呈されるとあって、皆さん急に目をぎらつかせながら歩き始めました。

 

僕も自転車通勤を徒歩に切り替え、チームのリードオフマンとして、頑張って歩いています。

仕事が結構歩く仕事で、通勤と合わせれば1日平均2万歩弱ぐらいは普通にいくので、平日は特に意識して歩く必要はありません。

ただ、問題は休日。

お出かけの予定がない時に歩数を稼ぐのは至難の業。

しかも先日、平日に計画有給の消化日があり、最もお出かけが億劫になる、1人ぼっちの休日を迎えました。

チーム戦なので、僕1人が怠けたことで、順位を一気に下げてしまう恐れがあります。

 

「お前のせいでスタバカードが貰えなかった」

 

ごめんなさーい!

い、嫌だ、そんな展開は。

 

そこで思い切って、無理やりイベントを作り、歩くことにしました。

 

その驚愕のイベントとは、

 

阪神タイガース日本一記念ウォーキング大会」

 

この華々しいイベントを、

 

1人で開催いたします!

 

寂しい~。

 

さて、どこを歩きますかな。

家の近所では面白くないので、せっかくのタイガース優勝記念。

阪神タイガースにゆかりのある2か所の商業施設の間を歩くことにしました。

 

まずは、スタート地点の日本橋へ。

 

ジョーシン 日本橋

阪神タイガースの公式スポンサーである上新電機

この日は日本一になった直後だったので、セールをしていました。

ここでCDを漁ってからウォーキングスタート!(普通に歩き出せよ)

 

かなり長い滞在の後、やっと歩き始めました。

 

と、その2、3分後。

 

カレー屋さんにピットインしました。

マドラス 本店

 

「がっち監督、まだ歩き始めて数分ですが・・・。」

 

「腹が減ったら戦は出来へんよ。そらそうよ。お~ん。」

 

出た出たー!僕の中では世界一のカレーライス。

出だしは甘く、尻上がりに辛くなる「大阪カレー」の中でも群を抜く美味しさ。

超絶シンプルな見た目ながら、目には見えない、いろんなものが溶け込んだ特上のカレーライスです。

トッピングを一切しないのが通の食べ方です。

ウォーキングのルートをわざわざこれを食べるように設定したんじゃないのか?と疑われそうですが、その通りです。

ごちそうさまでした!

 

さあ、ハイオク満タンになったので、本格的に歩くぞー!

 

日本橋から南下し、西成区へ移動しました。

日雇い労働者の街、西成。

過去に暴動が起きたことから、とかくネガティブなイメージが強い街ですが、一生懸命に日々を生きる人々の熱い息吹を感じることができる、大好きな場所です。

街全体から何とも言えないオーラを感じます。

 

ただ、ツッコミどころが多い点は相変わらずでした。

当たり前や。

というか居酒屋以外でも売るなよ。

 

また、おじさんが路上のど真ん中で大の字になって倒れていたのですが、若者がそのおじさんを揺さぶりながら、「僕が助けますから!こないだみたいに!」と言っていました。

こ、こないだって何!?

何回も倒れてるのか??

 

そしてこの謎の救出劇が繰り広げられていたのが、

西成警察署のすぐ隣だった、という衝撃。

警察署の前で人が倒れていたら、警察署へ駆け込むやろ、普通は。

そんな世間の常識はここでは通用しません。

 

ある意味、非常に大阪らしいとも言えるこの街。

大阪ウォーキングには外せません。

ここからはひたすら北上し、ゴールの梅田を目指します。

 

大通りを渡り、「新世界」へと入ります。

ひと昔前の、ちょっと怖いイメージから一転、すっかり「観光地」になった新世界ですが、昔の面影がかろうじて残っているのが、ジャンジャン横丁

でも、ここにも観光客が押し寄せて串カツ屋さんに並んでいました。

しかし何度も言いますが、串カツは大阪名物では決してありません。

僕たちは普段、串カツを食べることはほとんどありません。

 

ジャンジャン横丁を通り抜けると見えてくるのが、

普段着を売っているお店。

 

誰の普段着?

 

大阪のおばちゃんの。

 

きてや こうて屋

「浪花オカンのユニクロ」の異名を取る名店(迷店?)。

芸術的な品ぞろえ。巨大な虎の頭は、はく製ではありません。

リュックサックです。

 

しかしアニマル柄を着るオカンも最近ではめっきりと数が減っているような気がします。

そろそろ絶滅危惧種に指定されるかもしれません。

地球温暖化の影響でしょうか?(そ、それは関係ないだろう)

若い子が着てもカッコいいと思うんやけどなあ。

残したい浪花の文化です。

 

このお店の前を通り抜けると、いよいよ新世界のメイン通りへと近づきます。

以前は500円で散髪してもらえる理容店があったのですが、今もあるのかな?

 

200円も値上がりしてました。

いや、待て!700円でも十分安いじゃないか。

しかしここにも世間の値上がりの波が来ているとは・・・。

ちなみにかつてこの辺りをいつもうろうろしていた、セーラー服を着たおじさんの姿はありませんでした。

 

では、通天閣へと向かうメイン通りへ。

 

平日なのに凄い人です。さっさと抜けてしまおう。

「日本一の串かつ」などと書いてありますが絶対ウソです。

またね~通天閣

 

ここから北上し、再び日本橋の電気街に戻ってきました。

五階百貨店

よく府外から来た人から「3階建てなのに何で5階って言うの?」と聞かれることが多いこのお店。

「五階」というのは、このお店のことではありません。

明治時代、この辺りに「五階建ての展望タワー」があったそうです。

そしてそれを見に来る観光客を狙ったお店が付近に乱立し、そのお店たちの総称として、五階百貨店とい言葉があったそうです。

5階建てではなく、「五階」にあるから五階百貨店

つまり「五階」というのはこの一帯の地域名なのです。

 

と、誰も興味がない豆知識をブッコんだ後、更に北上し、

黒門市場へと突入しました。

コロナ渦中の頃、このブログでも取り上げたことがありますが、一気に観光客の姿が消え、閑散としていました。

ところが今や完全に人通りが復活。

コロナ前の「日本語が聞こえてこない」状態に戻っていました。

地元の僕がアウェー感を感じるというおかしな空気感ですが、お店の人が必死に話している「関西弁が色濃く混じった片言の英語」を聞くと、うん、やっぱりここは大阪だ、と我に返ります。

今日も外国の方が、法外な値段の付いた果物スティックを買わされていました。

 

ここからは少し西へ向かいます。

 

なんばグランド花月

大阪人の心のふるさとにして、笑いの殿堂。

もう随分と中に入ってないなあ。

子供の頃、スイミングスクールで同じクラスだった、すっちーさん。

練習中も常に笑いを取ることに貪欲だった少年が、今や吉本新喜劇を代表する立派な座長さん。

久しぶりに会いたいなあ。

 

それから道具屋筋に入り、最新のタコ焼き器をチェックしてから、なんば駅へ。

 

南海なんば駅は、車が入って来れなくなりました。

只今工事中で、歩行者が寛げる広場になるそうです。

大阪の街も、徐々に様変わりしていきますね。

 

では、戎橋筋商店街に入り、「大阪で一番ベタな場所」へ。

 

戎橋

グリコの看板、生まれて初めて写真を撮りました。

なんか恥ずかしーっっ!!

タイガースの優勝が決まった日、警察の厳重な警備をかいくぐり、やはり何人かが道頓堀へ飛び込んだようです。

飛び込んだ人ってその後、どんな状態で家に帰るんでしょうか?

病気になってないのでしょうか?

気になります。

 

それから心斎橋商店街の人ごみの中を通り抜け、瀕死の状態で御堂筋へと出ました。

御堂筋へ出ると、急にシュッとしたビジネスマンの姿が増え、今までのコテコテ感が一気にリセットされます。

同じ大阪の街とは思えません。

でもなんか、つまらんなあ・・・。

 

西成が恋しい。

 

もうすぐ、ここで阪神タイガースの優勝パレードが行われます。

凄い人なんやろなあ。行かんとこ。

 

あとは御堂筋を北へ一直線。

遂にゴール地点が見えてきました。

ゴール地点では、僕のゴールを祝福する横断幕が掲げられていました。

栄光のゴール地点は、

阪神百貨店

では、阪神タイガース日本一記念セールへ!

入れるかあっ!!

凄い行列。今日って平日じゃなかったっけ!?

 

こうして無理やり実施されたウォーキング大会は幕を閉じました。

劇的なゴールと共に(どこが??)。

 

「がっち監督、栄光のゴールインおめでとうございます!」

 

「まあ出だしのカレーが良かったね。あれでアレに向って勢いづいたよ。お~ん。」

 

「今日はパインアメはいくつ食べましたか?」

 

「まあパインアメもアレなんやけど、これの方がもっと美味しいよ。」

 

「そらそうよ。お~ん。」

 

阪神タイガース日本一おめでとう!!

 

生きてる間にもう1回ぐらいあるのかな・・・!?

 

今日の1曲:中村鋭一六甲おろし