がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

屋根なし焦げ餃子の会

 

北海道へ移住した小学生時代からの親友ちーちゃんが、お盆休みに大阪へ帰郷しました。

その少し前にLINEで、帰郷時の要望事項が届いていました。

 

「屋根なし焦げ餃子の会、希望」

 

ううっ、やはりか。

これだけを聞くと何の事かわからないと思いますので、まずはこちらをご覧ください。

     ↓

 

 

つまり、

 

屋根なし = オープンカーで、

焦げ餃子 = 珉珉池田店の餃子を食べに行こう。

 

というちーちゃんからのメッセージなのです。

 

20代前半の頃、よく仕事終わりに立ち寄った思い出の珉珉。

2年前、ちーちゃんが北海道へ旅立つ前にどうしても珉珉へ行きたい、と2人で思い出に浸りながら焦げた餃子を味わいました。

 

そして今回、ちーちゃんが帰郷するならまた珉珉へ行こうというのは自然な流れでした。

僕も行きたい。

しかし「屋根なし」というのは・・・・・

 

暑いで!!!

 

連日の猛暑日。体温を超える暑さの中、オープンカーに乗るなんて・・・。

そういえばついこないだ、この暑さの中でオープンカーに乗っている人を見て、

 

「こいつ、アホやな。」

 

と思ったばかりです。

今度は自らが「アホ」になるのか。

いや、でもさすがにこの暑さでは屋根を開けようとは言わないだろう。

ただコペンに乗って珉珉へ行きたい、とちーちゃんは言っているだけなのだ。

と言い聞かせながら当日を迎えました。

 

その日の大阪の最高気温は38度。殺人的な暑さです。

ドキドキしながらちーちゃんを迎えに行きました。

約2年振りの再会。

もともとガタイがいいちーちゃんですが、更にプロレスラーのように巨大化していました。

北海道で巨大なマグロを釣っているというのもうなずけます。

しかし2年も会ってないとは思えないほど、いつもの感じです。

気心の知れた友とは、時間など関係ないですね。

 

そして懸念された「屋根開け問題」ですが、特に何も起こらず、普通に屋根を閉めたままで乗ってくれました。

ほっと胸をなでおろし、クーラーのよく効いた白影号で池田へと向かいました。

 

北海道へ渡ってから昆布の会社に就職し、今や立派な「ふりかけ職人」となったちーちゃんですが、やはり苦労は絶えなかったようで、おみやげグランプリで賞を獲るまでには様々な紆余曲折があったそうです。

特に何もなく、のぺーっと暮らしている自分が恥ずかしくなってきました。

 

池田に到着。駐車場に車を停めました。

暑っっ!!

車から出た瞬間、アイスのように体が溶けていきそうです。

屋根が閉まっていてよかった。ありがとう、エアコンさん!

 

そして思い出の地、珉珉へ。

 

この看板が大通りに出てなかったら辿り着くのは困難です。

 

変らんなあ、ここは。

 

珉珉池田店

風で暖簾が暴れるのをちーちゃんが押さえてくれようとしましたが、無理でした。

では、入店。

しかしここで問題発生!

 

「ケンちゃんがいない!!」

 

絶妙な焦げ加減で餃子を提供してくれる伝説の男の姿が、厨房にありません。

 

「帰る?」

「いや、注文が入ったら登場するかもやで。」

うろたえるおっさん2人。

 

するとこの純粋な切なる願いが届いたのか、一人の男が厨房に現れました。

 

「焦がし屋ケンちゃん降臨」

 

歓喜の声を上げるおっさん2人。

お店の方は何故僕らがこんなに喜んでいるかを理解できなかったことでしょう。

 

注文。もちろん餃子を。

 

水ですら愛おしい、思い出の珉珉。

 

チャーハン、天津飯が粛々と登場した後、伝説の焦がし餃子入場。

 

今日も焦げてるなあ!ええ感じに。

ケンちゃんにしか出来ないこの絶妙な焦げ加減。

美しい。

いただきます。

 

これやこれやー!

めちゃめちゃ美味しいというわけではない、ちょうどいい美味しさ。

この等身大の安心感がリピートを生むのです。

ちーちゃんとの思い出話にも花が咲き、あっという間に食べ終わったのですが、

最後の1個をちーちゃんが食べた時に、焦がし屋ケンちゃんの恐るべき実力が露わになりました。

 

その1個は、あまり焦げていませんでした。

 

「焦げが足らんなー」

 

と不満そうに口に運んだちーちゃんの顔が、驚きと喜びの色に満ちてきました。

 

「がっち、これ凄いで!」

 

「何が?」

 

「見た目は焦げてないのに、食べると焦げの味がするで。」

 

神技!?

 

凄いぞケンちゃん!焦がし屋の称号は誰の手にも渡らないでしょう。

というか、このおっさん2人組、焦げに執着し過ぎやろ(笑)。

 

ごちそうさまでした!

ここへはちーちゃんが帰郷する度に来てしまいそうです。

 

珉珉でお腹も心も満たされたおっさん2人は、次はカフェに向かいました。

それにしても今日は暑い。暑すぎる。

車のクーラーをガンガンに効かせて向かいます。

 

「開けるやろ?」

 

「え!?」

 

「屋根。」

 

「・・・・・。」

 

開け、屋根!アホや~。

カフェに向って走れ!アホ2匹!

午後2時半。1日で最も暑い時間にフルオープン。

もうやけくそです。

運転は白影号大好きなちーちゃんにしてもらいます。

 

これが走り出すと・・・

 

やっぱり暑い!!

クーラーが空しくボーボーいってますが、涼しくありません。

でも日陰に入ると涼しくなり、何と言っても天気がいいので頭上に青空が広がっているのは気持ちのいいもんです。

暑さと気持ちよさが交互にやって来る感じです。

 

そこで僕は、少しでも暑さを和らげるべく、出来るだけ山沿いの道を走行するように誘導しました。

すると狙い通り日陰が多く、快適指数が上がって来ました。

それで気分が良くなってきたのか、箕面に入った辺りで、ちーちゃんが「音楽聴こか」スマホを取り出しました。

 

ちーちゃんのスマホ + 音楽 + オープンカー + 箕面 =

 

嫌な予感・・・。

 

前回、全く同じシチュエーションで月亭可朝「ボインの歌」を大音量で鳴らし、

箕面の風紀を乱したのは記憶に新しいところです。

 

嫌な予感は的中。

 

今度はどぶろっくの・・・いや、この曲のタイトルを書いてしまうとこのブログの風紀が乱れてしまうので書けません!

 

そんなタイトルも書けないような曲をかけ始めました。

歌詞の内容は「ボインの歌」を遥かに凌ぐ過激な内容です。

しかし今日は幸運にも、なかなか赤信号にはつかまらず、スムーズに進んでいきました。

ところがホッとしたのもつかの間、阪急箕面駅付近の、最も人が多いエリアで赤信号になってしまいました!

しかもその時にヤバい内容のサビの部分を迎えるという運の悪さ。

 

そろそろ実刑くらうでちーちゃん!

 

またしても高級住宅街・箕面の風紀を乱してしまった白いオープンカー。

いつか探偵ナイトスクープに投稿されるような気がしてきました。

 

こうした鉄板のくだりを経て、白影号は箕面の山道へと入って行きました。

ここからは一気に涼しくなり、オープンカーの面目躍如でした。

そして目的のカフェに到着!

以前にもこのブログでご紹介したお店です。

 

風の杜

大阪平野を一望出来る箕面の高台に佇む名旅館。

この中の絶景カフェ山帰来に行きました。

 

主にカップルが座るであろう窓際のカウンター席で、普通はカップルが注文するのであろう、「青空サイダー」を注文しました。

上に載っているのは「わたがし」です。

これがこの季節にはピッタリの逸品。

見た目も映え映え人間なら大喜びでしょう。

 

ここではついさっきまで箕面の風紀を乱していた人間とは思えないほど真面目な話をしました。

最後にテラス席へ出て暑っっ!と言ってから帰路につきました。

もちろん屋根は全開で。

帰りのBGMはまともな曲でした。

 

久しぶりの親友とのドライブ。楽しかったー!

近くに居た時よりも、遠く離れてしまった今の方が、友の存在のありがたさが身に染みています。

また帰阪した時は屋根開けて走りに行こな。

またバンドも一緒にやりたいね。

 

ちーちゃんを送り届けた後は、屋根を閉めて家に帰りました。

 

そしてこの地獄の暑さの中、長時間にわたり白影号のトランク内に放置されていた、ちーちゃんからのお土産を救い出しました。

 

あんバタサン

 

「暑いねん。」

 

あんバタサンごめんなさーーい!!

冷やして美味しくいただきました。

 

またな、ちーちゃん!我が永遠の友よ!

 

今日の1曲:どぶろっく「きぇんたま」