がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

飛水峡のイワオ先輩

8月の飛騨旅行の模様を2週に渡り、異常なまでの愛情を込めてお送りしました。

今回は時系列が逆になりますが、1日目の事を書こうと思います。

初日、大阪を出発して高山へ行くまでの途中に、以前から立ち寄りたかった所があったので、行って来ました。

 

岐阜県はとても大きく、地域によって全く文化も異なるのですが、ざっくり分けると、

織田信長ゆかりの岐阜城があり、モーニング大国でもある南部の「美濃地方」と、

一大観光地「飛騨高山」「白川郷」を擁する自然豊かな北部の「飛騨地方」に分けられます。

 

今回立ち寄ったのは「美濃の国」

岐阜の中心部から下呂を経て高山へと続く国道41号線沿いにある景勝地

 

「飛水峡」です。

 

岐阜県加茂郡七宗町から白川町までの約12kmに渡る峡谷で、川の両岸には水が何億年もの時間をかけて削って出来た巨石や奇岩が露わになっており、とんでもない迫力のある絶景スポットなのです。

 

しかし僕は景勝地の魅力だけで動くような軽い男ではありません。

そこに「食」がないと動かない、慎重な男(?)なのです。

 

でもここは「美濃の国」。そう、

 

魅惑のモーニング大国です。

 

「飛水峡を眺めながらモーニングがいただけるお店がある」

 

という贅沢な情報を、いつもの情報源から仕入れていました。

ただそのお店は、美濃の常識「1日中モーニング」というのはやっておらず、モーニングは11時まで。

なので何としても大阪を出発して11時までに到着する必要がありました。

 

ダーッシュ!勝平。

 

10時45分に到着!!

バンホーテン号、小さな体でよく走ってくれました。

 

珈琲茶屋 ゆうゆう

スタイリッシュな外観。しかし建っている場所はスタイリッシュではありません。

とんでもない場所に建っています。

入ります。

明るくて清潔感のある店内。

窓際に座りました。

すると・・・

 

ほんまや!飛水峡が見えとる!!

・・・この建物、どこに建ってるの!?かなりヤバい場所に建ってる気がします。

外の景色に目を奪われていると、モーニング到着。

うん、いいねえ!茶碗蒸しがないのは寂しいですが、非常にバランスの良いセットです。もちろん、ドリンク代のみです。

いただきます!

店内は地元民100%の感じです。それがまた心地いい。

優しさが滲み出ているお母さんがお一人で切り盛りされています。

絶景を眺めながら、朝食なのか昼食なのかわからないモーニングをいただく大阪府民。

静かで、とても落ち着いた時間を過ごせました。

ごちそうさまでした!

外へ出て、駐車場から飛水峡を覗きました。

 

こりゃ凄い!!

一体どれだけの時間をかけてこの景色が出来上がったのでしょうか!?

観光客が一人もいないのがまたいいです。

(お、お前は観光客じゃないのか?)

 

それから車に乗り、さらに飛水峡を味わうべく、近くにある道の駅へ移動しました。

道の駅自体は、特筆すべきものはなく、普通でした。

でも裏手に、飛水峡をじっくり鑑賞できる場所があります。

おお~。

いかついな~。地球が途方もなく長~い年月をかけて創りあげた芸術作品。
思わず見とれてしまいます。

あ~。

う~。

 

暑いわっっ!!

 

見とれるのは危険です。Go To 熱中症です。

その時、道の駅の隣に、気になる施設を見つけました。

何あれ!?碁石の入れ物??

日本最古の石博物館

ほほう。日本最古の石はこの辺りで発見されたのか。

飛水峡を見ていると、なんかわかるような気がします。

しかし石の博物館なんて初めて見ました。

うーん、石かあ・・・・・。

中はクーラー効いてるやろな・・・。

 

行こう!石の勉強をしに!!

(クーラー当たりに)

 

入場料は300円。安い!

彼がこの博物館を支配しているようです。

地下が展示室になっているのですが、地下へ降りるエレベーターに、遊び心あふれる、

とても楽しい仕掛けが施されていました。

エレベーターに乗ると、上部のパネルに階数ではなく、今の西暦が表示してあります。

下へ向かって動き出すと、西暦がどんどん若い数字になっていき、エレベーター内の光の演出と相まって、

 

まるでタイムマシーンに乗っている気分になれるのです!

 

子供たちが喜ぶ(おっさんも喜ぶ)粋な演出です。

そしてタイムマシーン(エレベーター)を降りると、

そこには何億年も前の石たちがずらりと並ぶ世界。

このニクい演出には、同乗していた子供たちも大喜びでした(大阪から来たおっさんが一番喜んでいたという説もあり)。

 

石マニアの人にはたまらない、はずです。

恐竜がいた時代の石もあり、太古のロマンを感じますなあ。

ぼーっと普通に見ていますが、この石たち、人間が誕生する遥か前から存在しているんですねえ。大先輩です。

その中でも大大先輩なのが、

出た!この辺りで発見された20億年前の石

これが日本最古の石か・・・と感慨にふけっていると、その傍らに・・・

 

んん!??

25億年前の石が!

これが日本最古の石のようです。

発見されたのは、あれれ??

島根県津和野町。

この辺で見つかったのではないようです。

しかしまあ、25億年前って・・・。恐竜が生まれたのが2億3000万年前といわれていますから、もう訳が分からんぐらいの大先輩です。

ただの石として扱うのは余りにも失礼なので、敬意を込めて、

 

「イワオ先輩」

 

と呼ばせていただきます。

とんでもない長い時間、地球上の栄枯盛衰を見てきたイワオ先輩。

先輩に聞いてみたい事は山ほどあります。

 

「後輩である生物が進化していくのを見て、ほんまはどんな気持ちやった?」

 

「恐竜の時代って何が流行ってたの?」

 

織田信長って実際はどんな人やった?」

 

その全てを見てきた先輩。

その先輩が今、自分の目の前にいる。なんだか不思議で、恐れ多い気分です。

イワオ先輩から見れば、人間の一生なんて、映画1本を見る程度の時間なんでしょうね。

いや、朝ドラ1回分ぐらいかもしれません(もうわからんわ)。

イワオ先輩、ありがとうございました!

 

石の事を勉強できたのかどうかはともかく、太古のロマンに思いを寄せる良い時間を過ごせました。

じゃあそろそろ帰るか、現代に!

もちろん帰りもタイムマシーンで!!

 

帰りは階段かい!!

完膚なきまでに普通の階段でした。

うーん、もう一声!帰りも乗せてよ、タイムマシーンに。

でも入場料300円ですからね。

タイムマシーン往復乗車券は望み過ぎですね。

ありがとう、日本最古の石博物館!(この子たちだーれ?)

 

さて、もう十分飛水峡を満喫しましたが、もう1カ所、飛水峡の凄まじい姿を拝める場所があるというので、車で向かいました。

 

飛水峡甌穴群(ひすいきょう おうけつぐん)

詳しい説明はこの写真をズームしてご覧ください。

 

激流が長い年月をかけて岩をえぐり、そこら中に穴が開いているという衝撃の光景です。

 

例によって僕の写真では非常に伝わりにくいですが、実際に目にすると圧巻の光景です。
人間なんて儚い生き物なんだな~と改めて感じる瞬間です。

 

こうして2泊3日の飛騨旅行は、最高のスタートダッシュを切っていたのでした。

 

岐阜県には太古の昔から残る大自然が数多く存在しており、来るたびに圧倒されますが、今回ほどそれを強く感じたことはありませんでした。

 

飛水峡、そして五色ヶ原の森。

 

知名度こそ全国的には低いかもしれませんが、行かずに人生を終えるのはもったいないぐらいの素晴らしい所でした。

これからも、岐阜へは何度も訪れるでしょう。

 

そういえば昨日、阪神タイガースが18年振りのリーグ優勝を決めました!

18年もかかったのか。長いな・・・と今までは思っていましたが、イワオ先輩から見れば18年なんて昨日のような感覚なんでしょうね。

 

「こないだも優勝したやん。」

 

我々もイワオ先輩のように、大きな時間感覚でタイガースを温かく見守りましょう。

 

次はタイガース優勝記念の飛騨旅行だ!!

いや、何もなくてもどうせ行くだろうが。

 

今日の1曲:Wishbone Ash「時は昔」