がっちの航海日誌

日々の些細な出来事を、無理やり掘り下げます。

新穂高ロープウェイ ~ 天空の箱舟

またまた飛騨へ旅行。何度でも行ってやるー!そこに槍見館がある限り。

しかし今回、2泊のうち初日は槍見館の予約が取れませんでした。そこで他の旅館を探してみると、昔から「とある伝説」が噂になっていた施設に空き室があり、即予約しました。

f:id:gatthi:20201013072821j:plain穂高荘 山のホテル

奥飛騨温泉郷新穂高温泉にある山間のリゾートホテルです。僕の常宿「槍見館」からも近い所にあります。ここから臨む北アルプスの山々は絵画のような美しさです。

f:id:gatthi:20201013073307j:plain槍ヶ岳がはっきり見えます。あんなとんがった所へ登山に行く人がいるんですね。すごいな~。

さてこちらのホテルには、温泉にまつわる都市伝説、いや秘境伝説が存在します。それは、「露天風呂へ行く為だけのケーブルカーがある」という伝説です。いやいや、そんなアホな。ケーブルカーみたいな維持費用のかかりそうな乗り物をお風呂に入る為だけに所有するなんて、ドバイのセレブなホテルでもない限り無理だろう。ないない。絶対ただの伝説。

f:id:gatthi:20201013074701j:plainん?駅があるぞ。これはもしや・・・

f:id:gatthi:20201013074808j:plain確かに何かの駅っぽいぞ。恐る恐るお風呂のある下の河原の方を覗いてみると、

f:id:gatthi:20201013075552j:plain出た!ケーブルカー!!伝説は本当だったのか!「アイアンマン」のような顔をしています。そして駅の中にある説明書きに従い、昔の扇風機に付いてそうな赤いボタンをぽちっと押すと、

ブーン!ゴゴゴゴゴゴゴー!!

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「カフェマタン」のエレベーターのような凄まじい轟音と共に、このアイアンケーブルカーが突進してきました。怖~っ!

上に到着すると自動で扉が開き、「さあ乗りな、ベイビー」とアイアンマンが言っているようです。しかし注意事項を見ると、ここから先はカメラの持ち込みが禁止されているようなので、一度部屋へカメラを置きに行ってから再びやって来ました。改めて乗車!ブーン!ゴゴゴゴゴゴゴー!!来た時と同じ轟音を響かせながら、下の世界へと降りていきました。写真を撮らせないためなのか、外が見えないようになっており、それがより恐怖をあおります。そしてついに到着!

「ゆっくり疲れを癒しな、ベイビー。」アイアンマンに見送られ、露天風呂へ。ここには3つの風呂があり、手前から女性専用、貸し切り、混浴の巨大風呂と並んでいます。僕らは混浴の巨大露天風呂へ。湯浴み着を300円で貸してくれるので、女性でも安心して入れます。このお風呂が素晴らしい温泉でした。写真を撮れないのが残念ですが、岩に囲まれた泳げるぐらいの広い露天風呂からは、先程の写真と同じく北アルプスの壮大な山々が臨めます。広いので他の入浴客の存在が気にならず、ゆっくりと疲れを癒すことができました。すごく温まるいい温泉です。帰りもまたアイアンマンに乗車し、楽しい温泉アドベンチャーを満喫できました。こちらのホテル、館内に足湯があったり、水車のある素敵なテラスで無料コーヒーが飲めたりと、建物は少し古いですが、なかなか良い時間を過ごせました。

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f:id:gatthi:20201013144655j:plainさあ、明日も天気が良さそうなのでロープウェイに行くぞ~。

そして翌日、快晴!

f:id:gatthi:20201013145935j:plain白影号で新穂高ロープウェイに向かいました。

新穂高ロープウェイ

奥飛騨を代表する観光地で、日本で唯一の2階建てゴンドラが2000mを超える高さまで連れて行ってくれます。一番上の展望台では、ミシュラン二つ星の360度絶景パノラマを体感できます。ただし、天気と視界が良ければですが。

第1ロープウェイと第2ロープウェイを乗り継いで頂上を目指すのですが、僕は第1ロープウェイには乗りません。いきなり第2ロープウェイから乗ります。これがオススメの乗り方です。それにはいくつか理由があります。

理由①:駐車場のキャパシティ

多くの方が利用する、第1ロープウェイの始発駅がある新穂高温泉駐車場は230台分の駐車スペースがありますが、すぐに満車になることが多く、ロープウェイのチケットを買う前に駐車場待ちの列に並ぶはめになります。やっと車を停めた後、チケット売り場に並び、ロープウェイの乗車待ちの列に並び、第2ロープウェイへ乗り換える時にまた並び、と何回並ぶねん!という苦労いっぱいの人生を歩むことになります。それに対して第2ロープウェイの鍋平高原駐車場は790台ものキャパに加えて、少し場所がわかりにくいこともあり、

f:id:gatthi:20201013152824j:plain余裕で停めれます。特に下の方は。

ここから第2ロープウェイのしらかば平駅まで少し歩くのですが、これがまた気持ちのいい道。

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理由②:森林浴を楽しみながら駅へ向かうことができる

f:id:gatthi:20201013153221j:plainノンストレスです。いやむしろここを歩くことでストレスが消えていきます。

そしてチケットを買い、ロープウェイに乗れば乗り換えなしで頂上到着です。

ここである疑問を感じた方がおられるでしょう。

それでは第1ロープウェイの景色が楽しめないじゃないか。

確かにその通り。でも、第1ロープウェイはまだ下の方で距離も短いので、そんなに壮大な景色は臨めません。それよりも・・・

理由③:第2駐車場の近くに絶景スポットがある

中尾温泉の方から鍋平高原駐車場へ車で向かう途中に防災用のヘリポートがあるのですが、ここが隠れた絶景スポットなんです。

f:id:gatthi:20201013155548j:plain鍋平ヘリポート

災害時にはヘリコプターがやって来るので立ち入り禁止ですが、普段は大丈夫です。ここを登ると、

f:id:gatthi:20201013155818j:plainロープウェイに乗る前から360度の大パノラマです。

f:id:gatthi:20201013160031j:plainこれで満足して帰ってしまいそうになるぐらいの素晴らしさです。もう少しで紅葉の季節ですが、超絶キレイですよ。その時の写真はありませんが、冬はこんな感じです。

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f:id:gatthi:20201013160410j:plain眼下に見えるのは北アルプス大橋」です。ここからの紅葉の季節の眺めは気絶するほど悩ましいですよ。ああ~もうちょっと後に来ればよかった!

f:id:gatthi:20201013160801j:plain途中に山岳救助隊の小屋があります。山の安全を命がけで守ってくださっています。感謝!

車に戻ると、横にセレブなオープンカーが停まっていました。さすがセレブ、堂々と屋根を開けています。

f:id:gatthi:20201013161236j:plainこの2台を見て思いました。これは現代日本の縮図のようだ、と。

一見同じように見える2台のオープンカー。しかしかたや軽自動車、かたや超高級車。この経済格差。真ん中が無い。でもいいんです。経済的には苦しくても、精神的に豊かなら、それが一番幸せなんです。ここで自分に問いかけてみました。「自分は精神的に豊かな人生を送れているのだろうか?」

う~ん・・・マンダム。

今うかつにも反応してしまった昭和世代の方々、お互い年を取りましたね。これからもいい時間を重ねていい年の取り方をしましょうね!

話がそれました。とにかくロープウェイの駐車場へ行く前に、こちらへ寄ってみて下さい。ロープウェイへの期待がますます高まりますよ。

さて、鍋平高原駐車場から森林浴ウォーキングをすること数分で、第2ロープウェイのしらかば平駅に到着です。

f:id:gatthi:20201013164228j:plainここは第1からの中継ポイントなので、色々な施設があります。

f:id:gatthi:20201013164339j:plainこの看板の左上部、気づきました?「アルプスのパン屋さん」と書いてありますね!めっちゃ美味しいパン屋さんなので当然行きましたが、このお店だけで記事になりそうなので次回にご紹介しますね。

さあ、チケットを買い、列に並んでついにロープウェイに乗ります!

ですが残念なことがありました。このロープウェイ、少し前にリニューアルされ、車両がフルモデルチェンジしていました。以前はこんな愛くるしい見た目だったんですが、

f:id:gatthi:20201013165235j:plain新しい車両はこんなことになっちゃいました。

f:id:gatthi:20201013165348j:plain可愛くない!

ちょっと山のホテルのアイアンマンにも似てるぞ。最新の車両なんでしょうが、前の方が絶対いい!なんかこう、シュッとし過ぎてるといいますか。まあでも仕方ないか・・・。

出発進行!

f:id:gatthi:20201013165938j:plainしばらくすると絶景が広がり、乗客からも歓声があがっていたのですが、

f:id:gatthi:20201013170101j:plain急にガスが発生してきました。これがこのロープウェイの難しいところで、標高が高すぎる故に、下から見ると快晴でも登り始めるとガスで視界が無くなることがあるんです。この日もどんどん見えなくなり、終点の西穂高口に着いた時は視界ゼロでした。でもその状態も目まぐるしく変わります。落胆しながら展望台へ上がると、

f:id:gatthi:20201013170616j:plain絶景!

西側はガスっていましたが、東側はよく見えました。

f:id:gatthi:20201013170853j:plainガスが幻想的な雰囲気を醸し出しています。

f:id:gatthi:20201013171119j:plain360度とはいきませんでしたが、こればかりは登ってみないとわかりません。だから最高のコンディションを求めて何回もリピートしてしまう。うまいことなってますね。

この展望台には、カメラを持ったスタッフの方が常駐しており、絶景をバックに写真を撮ってくれるのですが、1枚1500円もします。でも自分のカメラを渡せば、無料で撮ってくれます。ただその時にあちらのカメラでも撮影されてしまい、現像され、下に降りる階段の近くに貼られてしまいます。そして写っている人が階段を降りようとすると、「写真、どうですか?」と写真を渡されながら聞かれます。この「渡されながら」というのがポイントで、渡されてしまうと「いらない」とは言いにくくなります。僕らも渡されて断る自信がなかったのですが、

f:id:gatthi:20201013173955j:plain撮ってもらいました。

そして他の人が写真を渡されてつかまっている隙にスーッと横を通り抜けて無事に下に降りました。せこっ!でもさすがに1500円もするだけあって凄く立派な写真だったので、お金に余裕のある人は買ってみて下さい。いい記念になると思いますよ。

新穂高ロープウェイ、今回は最高のコンディションではありませんでしたが、運がいいと本当に素晴らしい、息を吞む絶景に出会えます。何度でも登りに来よう!そして何度でも無料で写真を撮ってもらおう!と固く心に誓った奥飛騨旅行でした。

ちなみに鍋平高原駐車場は降雪期は閉鎖になりますので、冬は諦めて第1ロープウエイから乗って下さいね。

f:id:gatthi:20201013175501j:plain2泊目はもちろん、「がっちの巣」槍見館で宿泊。やっぱりここは最高です!

そして大阪へ帰る前はやはりあそこへ。

f:id:gatthi:20201013175627j:plainトラン・ブルーでパンを仕入れ、

f:id:gatthi:20201013175833j:plain道の駅「ななもり清見でパンをいただき、

f:id:gatthi:20201013180011j:plain目の前の高山西インターチェンジから大阪へ帰路につく。

こ、この動き前回と全く同じでは・・・デジャヴ?

今日の1曲:Black Sabbath「Iron Man」